HIROSUKE
オンラインサポートスタッフ苅田博亮
自分なりの「教育」を求めて
実を言うと、ここで働き始める前は日本で教員をやっていました。
教員の仕事は多岐に渡り、かなり多忙なものです。もちろんそれは「学校教育」に於いて必要な多忙さであり、強いやりがいを感じることもできたのですが、多忙のあまり「自分が思うような教育を子供たちに提供できていない」というジレンマも事実としてありました。
子供が好きで、「人のためになる仕事に就きたい」と思っていたため、教員という仕事はとても魅力的なものでした。しかし「自分自身の人生経験が乏しいのに、自分が人に物事を教えることができるのだろうか?」というもやもやを拭いさることはできず、自分自身に限界を感じていました。
自分の可能性を広げるため初めての海外就職
「もっと広い見識を持って、教育に向き合いたい」と思いが強くなる中で、真っ先に頭に浮かんだことが「海外で働く」という選択肢でした。今後ますます日本人は海外に飛び出して仕事をするようになるはずです。自分が海外で働き、得られた知見は自分の人生に必ず役立つと考えました。
私は留学経験もなく、これまで海外旅行を数回した程度だったのでとても不安もありましたが、「セブ島で留学/オンラインレッスンを提供する」という新しい教育の在り方を切り開くQQ Englishの教育事業に魅力を感じ、自分もチャレンジすることを決めました。
もちろん親や周囲には盛大に反対されました。説得は大変でしたが、「このチャレンジは必ず自分のためになる」と自分の中で確信があったので、ブレることはありませんでした。
新しい「教育」の形に驚き、刺激を受ける日々。
日本の英語教育の最前線を目の当たりにして
オンラインサポートスタッフでの入社したのですが、配属されたのは一般の生徒様のサポートではなく、日本の学校に向けてオンライン英会話を提供する通称「School Project」のサポートスタッフでした。
School Projectに配属されて初めて、特別な学校だけではなく公立の小学校にもオンライン英会話が提供されていることを知りました。まさしくここが変わりゆく日本の英語教育の最前線だと思います。
外国人と触れ合う機会の少ない地方の小学生が、フィリピン人講師とマンツーマンでやり取りをしている現場を目の当たりにして鳥肌が立ちました。多い学校では同時に40人以上の児童様がフィリピン人講師とのオンラインレッスンを楽しんでいるのです。これは本当の英語革命だと感じます。
一分一秒を争う現場、感謝の言葉と笑顔ですべてが報われる
もちろん新しい試みを行っている現場ではトラブルがつきものです。大規模な同時接続はインフラ面への負担も大きく、通信障害が発生することが多々あります。音声や映像が途絶える、通信ツールにログインできない、また教師側の端末で不具合が起こることもあります。
私どもの仕事は発生したトラブルを速やかに改善することです。レッスン時間は25分しかなく、一般の生徒様と違って学校向けのレッスンの場合はやり直しがきかないため、時間的な猶予はありません。時にはフロアを駆け回ってトラブルに対処することもあります。
大変なことも多いのですが、講師からの感謝の言葉や、レッスンを受けている生徒様の笑顔を見ていると、すべてが報われたような気がします。
自分の理想とする「教育」への携わり方
論語に「五十にして天命を知る」という言葉がありますが、自分はセブにやって来ておぼろげながら自分の天命を知ることができたと思っています。
自分は人をサポートすることに喜びを感じる人間なのだ、と。
自分で教壇に立ち、生徒に教える仕事も確かにやりがいを感じていました。講師が主役だとすれば、サポートスタッフはまさしく「縁の下の力持ち」です。賞賛を浴びることはありませんが、レッスン中のトラブルを速やかに改善し、滞りなく25分間のレッスンを提供できた時、私は自分が教壇に立っていた時にも増してやりがいを感じることができます。
レッスンのサポートも私の中ではまぎれもなく「教育」です。この携わり方こそ、自分が理想とするものだと気づくことができました。
フィリピン人講師や同僚との距離の近さが魅力
堅い話ばかりになりましたが、他にも喜びはたくさんあります。まず、オンラインサポートスタッフはどの部署よりもフィリピン人講師との距離が近いことも魅力です。英語を使って仕事をしたいと思っている人間にとって、これほど理想的な環境はないと思っています。
レッスンに関する相談だけでなく、他愛のない世間話をすることもたくさんあります。私の周りには常時250人のフィリピン人講師がいるので、話相手に困ることはありません。
また、オンラインサポートは一人ではできません。私の所属しているオンラインサポートはスタッフ間の距離が近く、皆で協力して仕事を進めています。休みの日にはスタッフと遊びに行くことも多々あります。不安だったセブでの生活ですが、同僚や上司に恵まれて困ることはほとんどありません。
ここにやって来たことに後悔は一切ありません。あの時、一歩を踏み出した自分を誇りに思います。私のセブでのチャレンジは、素晴らしいものだと胸を張って言うことができます。