2025.02.03
「英語力を活かして海外で働いてみたい」
そんな夢を持つ人にとって、セブ島就職は選択肢のひとつです。
セブ島留学をきっかけに就職を考える人だけではなく、これから海外でキャリアを築きたいと考える人にとっても、初めの一歩としてセブ島就職は高い壁を感じず挑戦できます。
この記事では、セブ島での就職事情や方法、必要なスキルやメリット・デメリットなど、セブ島就職を検討する人に向けて詳しくご紹介します。
セブ島を含めたフィリピン就職は、英語圏の国に比べ就職難易度が低いです。
その理由は、日系企業の進出により日本語スピーカーの需要が増えているものの、需要に対し供給が足りていない状況だからです。
そのため、基本的な英語力があれば、日本語スピーカーであることで新卒など未経験でも採用される場合があります。
また、フィリピン就職では、求人に年齢条件があっても最重要視されるわけではなく、経験や専門知識、スキルがあればシニアでも就職することは可能です。
セブ島での就職活動は、主にネットを利用した方法が便利で効率的です。
日本国内向けの求人サイトでも海外就職の求人情報を扱っているサイトがあります。また、駐在員の求人もあるため、スキルや経験があり、より良い条件で就職したい人は探してみる価値があります。
他にも海外や東南アジアの求人を扱うサイトでも探すことができます。
フィリピンには日本人向けに就職や転職をサポートしているリクルートエージェントがあります。
まずは求人情報を見て、興味のある求人があったらエージェントに問い合わせてみることで就職までのサポートも受けられスムーズに就職活動が進められます。
フェイスブックの現地コミュニティなどでも求人を出している場合があります。これらの情報でも有益な情報が出ることがあるので、チェックするとよいです。
語学学校ではインターンの求人が出ていることがあります。まずはインターンから始めて、その後就職することも選択肢としてあります。
ネットを利用しての就職活動が主流になっている現在でも、知人からの紹介など、つてを利用しての仕事探しは有効な方法です。
その理由は、知人からの紹介の場合は、雇用側もいい加減なことはできないためです。
セブ島では主に、以下に挙げる職種で就職できる可能性があります。
セブ島は、格安の英語留学先としても人気です。そのため多くの語学学校があります。
それらの語学学校では、留学生のサポートをするスタッフ、マーケティングやセールスなどで求人があります。
BPOとはビジネスプロセスアウトソーシングのことで、自社で行う業務の一部を外部に委託するアウトソーシング形態のひとつです。
セブ島には、ITパークなどにBPO企業が多数あります。
BPO業務には、コールセンター、カスタマーサポート、広告運用など様々な業務があります。
フィリピンでは、フィリピンと日本間で進行しているシステム開発プロジェクトが多数あります。そのため、日本語が話せ、かつプログラミングのスキルをもつ人材の需要が増えています。
システム開発プロジェクトにおいては、日本企業と現地スタッフの間での橋渡し役となるブリッジエンジニアの需要が高まっています。
セブ島では、建築や土木、電気関連などの専門職は、都市開発やインフラ整備の需要の高まりにより、日系企業を中心に求人が増加しています。
また、金融や会計分野では、進出する企業のバックオフィス業務を担う人材が求められています。
セブ島の主要産業は観光業です。そのため、観光客に日本語対応ができるスタッフの需要があります。
具体的には、ホテルやツアー会社、ダイビングショップです。
セブには日本の和食チェーン店、ラーメン店、寿司店など多くの和食レストランがあります。料理人としての経験があれば、寿司職人やシェフとして働くことが可能です。
マクタン島には工業団地があり、日系企業の工場が多数あります。工場では、生産管理部門で工場管理の責任者や現地スタッフへの技術指導、また貿易関連の業務での求人があります。
経済連携協定に基づき、日本はフィリピンから看護師・介護福祉士候補者の受け入れをしています。また、観光業での就業目的や日本への興味関心から日本語学習者が増えています。
それらの人に対し日本語指導をする日本語教師の需要があります。
セブ島では、日系企業の進出が進む中で、製品やサービスを現地市場に広めるセールスやマーケティングの需要が高まっています。
特に、日本の商品やブランドを理解し、フィリピンの文化や市場特性に合わせた提案ができる人材が求められています。
英語力の必要レベルは職種によって異なり、求められるスキルや業務内容に応じて大きく変わります。
以下は、各職種ごとの英語力の目安です。
職種 | 英語力の目安 | 備考 |
語学学校スタッフ | 日常会話レベル以上 | 生徒や講師とのコミュニケーションに必要。問題解決力が求められる。 |
コールセンタースタッフ | ビジネス英語レベル | 日本人顧客対応が中心だが、社内の英語コミュニケーションが必要。 |
ITエンジニア | 中級レベル | 英語での仕様書作成や会議が多く、専門用語の理解が求められる。 |
その他の専門・技術職 | 職種により異なる | 建築や土木は技術英語、金融や会計はビジネス英語が必要。 |
ホテル・観光業 | 中級レベル以上 | 海外観光客対応のため流暢な会話力やクレーム対応スキルが必要。 |
料理人 | 初級レベル | 調理指示やメニュー説明に必要。高級レストランでは会話力も求められる場合がある。 |
日系工場の生産管理部門 | 中級レベル以上 | 品質管理やスケジュール調整での正確なコミュニケーションが求められる。 |
日本語教師 | 日常会話レベル以上 | 簡単な英語を活用して日本語を指導するためのスキルが必要。 |
セールス・マーケティング | ビジネス英語レベル | 契約交渉やプレゼンに必要。海外市場対応には文化的理解も重要。 |
以下の給与水準は主に現地採用の場合の目安です。
ただし、企業の規模や役職等の条件によっては大きく異なり、駐在員待遇や管理職の場合はさらに高額になることがあります。
また、高級ホテルや星付きレストランで働く料理人など、特殊な条件下では提示した範囲を上回る給与が期待できます。
為替レートは1ペソ=2.7円
種 | 給与の目安(ペソ) | 給与の目安(円) | 備考 |
語学学校スタッフ | 50,000~90,000 | 135,000~243,000 | 初心者向け給与。経験者やマネージャー職は上限に近づく。 |
コールセンター | 60,000~100,000 | 162,000~270,000 | 夜勤手当がつくことが多く、上限に近い水準も可能。 |
ITエンジニア | 120,000~240,000 | 324,000~648,000 | 専門性が求められるため、他職種と比較して高め。経験により更に上昇の可能性。 |
その他の専門・技術職 | 60,000~120,000 | 162,000~324,000 | 建築、土木、電気関連など特定の資格や経験が求められる。給与幅が大きい。 |
ホテル、観光業、ダイビングショップ | 48,000~80,000 | 129,600~216,000 | リゾートエリア勤務が中心で、サービス業特有のボーナスや手当がある場合も。 |
料理人 | 60,000~100,000 | 162,000~270,000 | 日本食レストランの需要が高い。経験により給与が変動。 |
日系企業の工場の生産管理部門 | 60,000~120,000 | 162,000~324,000 | 現場経験者や管理職は給与が高い傾向。 |
日本語教師 | 40,000~70,000 | 108,000~189,000 | 学校や授業の形態(マンツーマンかグループか)による違いが大きい。 |
セールス、マーケティング | 60,000~100,000 | 162,000~270,000 | 日本語対応が求められる場合は高水準。インセンティブによりさらに変動。 |
セブ島で働くことには日本にはないメリットがあります。
日本では年功序列や先輩、後輩という意識がベースとしてあり、それによる職場での人間関係のストレスを感じることも少なくありません。
また、職場も常に張りつめた雰囲気のことが少なくないです。
一方フィリピンでは、よりカジュアルでフラットな雰囲気です。
フィリピンでは、仕事が最優先という考え方はありません。そのため、一部の職種や状況を除き、通常は残業をすることはあまりありません。
付き合い残業やまだ働いている人がいるのに、先に退勤しにくいということもないです。
フィリピンでは休みは取りやすいです。特に日本人の場合、会社によっては長期休暇を取って一時帰国することができる場合もあります。
セブ島はマニラ周辺に比べても家賃等の生活費が安いです。そのため、日本の都市部に住むよりも安い生活費でより高い生活水準で暮らすことができます。
セブ島で働く上でのデメリットもあります。
現地採用の場合、給与は額面では日本より少なくなることが多いです。ですが、全般的な生活費が日本よりも安いため、手元に残るお金は日本で働くよりも多いということもあります。
日本とフィリピンでは文化や考え方に違いがあるため、それが原因でストレスに感じることがあります。
日本人とは違う考え方をしているフィリピン人とうまく仕事を進めていくことは時には簡単ではありません。
フィリピンの職場環境は良く言えばカジュアルでリラックスした雰囲気ですが、悪く言えば緊張感がないです。
このような職場環境に慣れてしまうと、日本に帰国して就職した場合に日本の緊張感のある職場環境や働き方に馴染めなくなるリスクがあります。
セブ島で働く上で注意したいことがいくつかあります。
セブ島で就職する場合、就労ビザの取得が必要です。フィリピンでは、就労ビザを持たない外国人の労働は法律で禁止されており、企業が雇用主として手続きを行うことが一般的です。
そのため、就職先の企業にビザ取得のサポートや費用負担があるか事前に確認しておくことが重要です。
また、就労ビザに加えて、AEP(外国人雇用許可証)とACR-Iカード(外国人登録証)も必要になります。
フィリピンでは、所得税は企業が給与から天引きして納付するため、個人での手続きは不要です。
税制は累進課税方式を採用しており、収入が高くなるほど税率が上がります。
所得が10,000ペソ以下の場合は5%、以降は収入に応じて最大35%まで段階的に税率が上がります。多くの日本人が従事する職種では、おおよそ30%の税率が適用されることが一般的です。
フィリピン人は日本人のように仕事が最優先という考えをしていません。そのため、家族の用事や具合が悪くなるとすぐに仕事を休むことが少なくありません。
また、報連相がないため、頼んだ仕事が確認すると終わってないなど日本人からすると無責任に感じることがあります。
そのような場合、日本では他の社員のいる前で上司が叱ったりしますが、フィリピン人はプライドが高いため、人前で面子を潰されることを非常に嫌います。
このような考え方の違いを理解し、うまくフィリピン人と仕事を進めていくことがストレスに感じることもあります。
セブ島では日本語スピーカーであることを武器にして働けるチャンスがあります。
また欧米よりも就職の難易度が低くチャレンジしやすいです。今後他の国で働きたい場合でもキャリアパスのひとつとしてセブ島就職から始めてみてはどうでしょうか。