【フィリピン留学情報あり】中学生の留学におけるデメリット・リスクまとめ | フィリピン留学・セブ島留学ならQQEnglish【公式】

留学全般

2025.06.21

【フィリピン留学情報あり】中学生の留学におけるデメリット・リスクまとめ

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近年のグローバル化に伴い、日本でも中学生の段階で留学を検討する家庭が増えています。

実際、文部科学省の調査によると、文部科学省の資料によれば、帰国・外国人児童生徒の総数は過去10年間で約6万2000人増加し、2023年度時点で約13万9000人に達しています。

(参考:文部科学省「帰国・外国人児童生徒等の現状について」

海外での学びは、語学力の向上や国際的な視野の獲得に繋がり、多くの魅力を持っています。

しかし一方で、中学生という成長段階での留学には、慎重に考慮すべきデメリットやリスクも少なくありません。

本記事では、大学生時代に留学を経験した筆者が、中学生の留学における具体的なデメリットについて、事実と根拠に基づいて詳しく解説していきます。

QQEnglish編集部
執筆者

QQEnglish編集部

フィリピン・セブ島留学をはじめ、世界各国への留学、ワーホリ情報など英語学習をしている方へ役立つ情報を発信しています。

斉藤淳
監修者

斉藤淳

フィリピン留学協会会長

2014年からフィリピン・セブ島留学に関わる。セブ島の学校を中心に50校以上訪問しつつ、留学生に学校の選び方や現地の情報を発信しています。

中学生留学の概要

中学生の留学には、いくつかの形態や手段があります。

留学の主な形態

1. 短期留学

数週間から数ヶ月程度の語学研修やサマースクールなどが含まれます。

学校の長期休暇期間を利用して参加するケースが一般的です。

短期留学は比較的負担が少なく、留学の入門として人気があります。

2. 長期留学

半年から1年、あるいは現地の中学や高校を卒業するまで滞在するケースもあります。

現地校に編入し、通常の授業を現地の学生と共に受ける形態です。

日本の在籍校との連携が必要になる場合もあります。

3. 交換留学制度

地方自治体、学校、NPO法人などが実施する交換留学プログラムもあります。

選抜試験を通じて派遣されるケースが多く、受け入れ先の家族にホームステイするのが一般的です。

留学先として人気の国

中学生の留学先として人気が高い国には、以下のような国々があります。

  • アメリカ合衆国
  • カナダ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • イギリス

いずれも英語圏であり、教育制度が整備されている点が支持されています。

また、近年ではフィリピンも短期の語学留学先として人気が高まっています。

特にセブ島を中心にマンツーマン形式の英語指導が受けられることや、費用が比較的安価であることが注目されています。

留学にかかる費用と手続き

留学費用は行き先や期間、学校の種類によって大きく異なります。

目安として、アメリカへの1年間の長期留学では200〜400万円程度が必要とされるケースが多く、短期留学であっても数十万円の費用がかかることが一般的です。

手続きについては、パスポートの取得、ビザ申請、保険加入、現地校や留学エージェントとの調整など、多くの準備が必要になります。

どのようなデメリットやリスクがあるか

中学生留学は大きな経験になる一方で、多方面にわたるデメリットやリスクが存在します。

ここでは、それぞれのリスクについて具体的に解説します。

1. 学業面でのリスク

教育制度・カリキュラムの違い

各国の教育制度は日本と大きく異なります。

たとえば、アメリカやオーストラリアでは、教科選択が重視され、義務教育の段階でも自分の興味に応じて科目を選択することが一般的です。

一方、日本では文部科学省が定める学習指導要領に基づいて全国共通の内容を履修します。

この違いによって、帰国後に履修していない単元が生じ、学力のギャップが生まれることも少なくありません。

特に国語、数学、理科など、日本独自の内容が多く含まれる教科では顕著です。

文部科学省が2018年に実施した「帰国・外国人児童生徒教育の現状と課題」によれば、帰国生のうち約3割が「学習に支障がある」と回答しています。

学年のずれ

多くの国では、日本と新学期の開始時期が異なります。

例えば、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどは9月入学が一般的です。

このため、日本の学年進行とずれが生じ、復学時に編入学などの調整が必要となる場合があります。

評価制度の違い

日本はテスト中心の評価が主流ですが、欧米諸国ではレポートやプレゼンテーション、グループワークによる評価が多く取り入れられています。

こうした違いに順応できないまま成績が低迷するケースも報告されています。

進学への影響

中学生段階での長期留学は、日本の高校受験準備期間と重なる場合があります。

帰国後に学力を取り戻せなければ、志望校受験に影響する恐れもあります。

2. 精神面・心理的負担

環境適応ストレス

中学生は思春期の入り口にあたり、心理的にも非常に繊細な時期です。

国立教育政策研究所が2020年にまとめた「海外帰国生徒の適応に関する調査研究」によると、留学中に「孤独感」「不安感」を抱えるケースが少なくありません。

現地の文化や生活リズムに適応する負担は大きく、寮生活やホームステイにおける家族構成・食生活の違いがストレスの原因となることがあります。

ホームシック

特に中学生低学年(12〜14歳)では、親や家族から長期間離れること自体が精神的苦痛となります。

留学先での悩みや不安をすぐに相談できる大人が身近にいない場合、孤立感が深まるリスクが高まります。

いじめ・人種差別

現地校において日本人という少数派の立場になるため、いじめや文化的排除を経験する生徒もいます。

実際にOECDの国際学力調査PISAでも、異文化圏の留学生がいじめの対象となる割合は在籍生徒よりも高い傾向が示されています。

肌の色や言語能力、食文化の違いがからかわれる原因となることもあります。

自己肯定感の低下

慣れない言語環境下で成績が伸びず、自己肯定感が低下するケースも報告されています。

友人関係の構築が難航すれば、孤立感と自己不信が悪循環になる可能性もあります。

3. 言語面の壁

英語力不足による学習困難

留学当初は、授業の進行スピードについていけず、何を言っているのか理解できない状態が続く生徒も珍しくありません。

語学サポートとしてESL(English as a Second Language)クラスが用意されている学校もありますが、一般クラスに移行するまで長期間要する場合があります。

授業以外の会話の難しさ

学外活動や友人との日常会話では、スラングや俗語表現、文化的背景を理解する力も求められます。

授業で習う標準英語と実際の会話のギャップに苦しむ中学生も多くいます。

日本語力の低下

長期留学では母語である日本語能力が低下するケースも報告されています。

特に漢字の書き取り能力や作文能力は、使わない期間が長引くと急速に衰える可能性があります。

帰国後の国語の授業で苦労する要因となることがあります

4. 健康・安全面のリスク

医療制度・保険の違い

渡航先の医療制度は日本と大きく異なり、特にアメリカなどでは医療費が高額です。

たとえば、救急車の出動や救急外来診療だけで数十万円の費用が発生する場合もあります。

事前に留学保険へ加入することが必須ですが、保障範囲や免責条件をよく確認する必要があります。

交通事故・治安リスク

中学生は移動手段の管理が難しく、交通ルールの違いが事故を招くケースがあります。

また都市部ではスリや強盗など軽犯罪に巻き込まれるリスクもあります。

外務省は「海外安全ホームページ」でも、治安情報を定期的に確認するよう呼びかけています。

フィリピン留学特有の治安課題

フィリピンは日本からの短期語学留学先として人気ですが、外務省は一部地域において注意喚起を発出しています。

特に深夜の外出や一人行動、治安の不安定な地域訪問は避ける必要があります。

感染症リスク

新型コロナウイルスやデング熱など、地域特有の感染症リスクにも注意が必要です。

現地の衛生環境や医療アクセスも事前に確認が求められます。

5. 経済的負担

留学費用の高さ

留学は短期でも高額な費用がかかります。

たとえば、アメリカの私立中学校への1年間の留学では、授業料・滞在費・保険・交通費などを含めて概ね350万円〜500万円の予算が必要とされます。

短期留学でも航空券・授業料・ホームステイ費用等を含めて30〜50万円程度は一般的です。

家計負担の長期化

中学生段階での留学に多額の費用を投入すれば、その後の高校・大学進学資金にも影響を与える可能性があります。

加えて、留学先での生活費や緊急出費も想定以上に膨らむケースがあります。

奨学金や補助制度の限界

一部の自治体や学校、民間団体が留学奨学金を提供していますが、中学生対象の長期留学支援はまだ限定的です。

経済的支援が十分に行き届かない家庭も少なくありません。

6. 家族との離別による影響

親のサポート不足

思春期の中学生は、精神的・身体的に日々変化しています。

その中で親の直接的サポートが受けられないことは、日常の悩みやトラブルへの対処力を弱めます。

生活習慣病・食事管理・体調不良などに対しても、自分一人で対処する必要があります。

家族の精神的負担

留学中、保護者側も常に子どもの健康や安全を心配し続けることになります。

緊急時にすぐ対応できない距離感は、精神的負担を強める要因です。

7. 現地サポート体制の不十分さ

エージェントの質に差がある

留学エージェントの中には、利益優先で不適切なカウンセリングを行う事例も報告されています。

消費者庁は、過去に留学エージェントの契約トラブルに関して注意喚起を行っています。

緊急対応体制の未整備

現地で病気やトラブルが発生した際に、すぐ対応できる現地日本人スタッフが常駐していないプログラムもあります。

特に新興国の留学先では、エージェントごとに対応力に差が出やすい状況も否めません。

中学生特有の生活管理困難

まだ自己管理能力が完全には備わっていない年齢のため、生活リズムの乱れ、金銭管理の不備、自己防衛意識の不足といった課題が現れやすくなります。

現地での生活トラブルを未然に防ぐには、日々の細かなサポートが不可欠です。

まとめ

中学生留学は、語学力の向上や異文化体験といった大きな可能性を秘めています。

しかし一方で、学業、精神面、言語、健康、安全、経済、家族、サポート体制など、多くのリスクとデメリットも存在します。

特に中学生という年齢は心身共に繊細な発達段階にあるため、留学の決定には慎重な検討が欠かせません。

十分な情報収集、現地の実情把握、信頼できる留学エージェントの選定、家族全体での長期的計画が重要です。

今回紹介した事実やデータが、適切な判断の一助となることを祈っています。

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