2024.06.30
カナダへの語学留学の一つとして今人気なのが、Coop(コープ)留学です。
Coop留学とは、現地校に通い専門知識を学びつつ現地での就労経験が出来るカナダ特有の制度です。
留学を考える人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
Coop留学は気になるけれど、デメリットや費用、ワーホリと迷うなどさまざまな悩みが出てくるかもしれませんね。
そんなあなたに、この記事はCoop留学についてのお悩みを解決する完全ガイドです。
ワーホリとの違いはもちろん、Coop留学の基本情報から注意点もまとめていますので、是非参考にしてください。
まず、基本的なカナダのCoop(コープ)留学について以下の6つに分けてお伝えします。
では、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
CoopはCo‐operative educationの略称で、カナダ独自の学生支援制度です。
日本でいうところの専門学校(カレッジ)で特定の専門分野を学びながら、有給インターンシップ(実務経験)も出来るのが最大の特徴です。
半年から最長2年のプログラムがあります。
英語力が不安という人は、留学初めに語学学校に通うことも出来ます。
語学学校➡カレッジ(専門分野の勉強)➡有給インターンシップ
と段階があり、学生ビザで就労が出来ます。
つまり、留学の前半(勉強)と後半(就労)では過ごし方がかなり変わります。
このようにただの語学留学で終わらず、英語を使って専門分野の本格的な実務経験を積めるので帰国後の就活でも大きな武器になるでしょう。
ワーホリ(語学留学のみや就労してもアルバイトが多い)とは全く内容が違うことが分かります。
インターンシップ先は希望職種で分かれており、大きく分けると以下の3つです。
Coop留学を実施しているカレッジで、これらのプログラムから1つを選択して学ぶことになります。
経験の是非は問いませんので、経験の無い分野にチャレンジも可能です。
これらの点からCoop留学は学生はもちろん、キャリアアップしたい社会人にも人気があります。
応募条件は以下の2つです。
たったこれだけなのです!
ワーホリのように年齢制限はありません。
英語力は、どの分野(プログラム)を選択しても中級レベルが必要になります。
専門分野を英語で学ぶのでそれなりの英語力が必要なのは当然といえるでしょう。英語力が無ければ、カレッジでの授業にもついていけなくなります。
自分の英語力に不安を持つ人は、カレッジに入学する前の留学初め2〜3ヵ月は語学学校に通うことが多いです。また、日本でもオンライン英会話などで英語力を伸ばすと良いでしょう。
プログラム期間は1年のものが最も多く、最短は半年〜最長は2年です。
カナダではカレッジで学んだ期間と同じ分だけ就労が許可されています。
例えば、留学期間を1年間と仮定すると、最初の2カ月は語学学校に通い、カレッジで5カ月の専門分野の勉強をして、残り5か月は就労(有給インターンシップ)というプランなどが考えられます。
気になる費用ですが、選ぶ地域や学校、宿泊先をどこにするかでもかなり変わります。
そして、Coop留学は収入を得ることが出来ますので一般的な留学よりかなり支出を抑えることが出来ます。
有給インターンシップだけでなく、カレッジで学んでいる時もアルバイトが可能です(語学学校では不可)。
最も多い1年間のCoop留学の場合、支出と収入でそれぞれ概算を出し、全体の費用を見てみましょう。
1年間Coop留学(語学学校なし) |
内容 |
|
支出 |
約275万円 |
・学費(1年間のビジネスコース)➡約140万円 |
収入 |
約225万円 |
・カレッジの間はアルバイト(週20時間)➡約75万円 |
合計 |
約50万円 |
全体の必要費用 |
支出と収入の内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ここでは「語学学校無し」の場合で、カレッジ入学から必須項目のみで概算を出しています。
カナダは交通費が安いですし、食費は外食を除けば日本と比較して少し高い程度です。自炊を徹底するなど、考えて生活すれば支出は抑えられるでしょう。
費用の内訳は以下です。
収入は、「カレッジ期間でのアルバイト」+「有給インターンシップ」の合計です。
カナダは州により最低基本時給が異なります。
人気のBC州バンクーバーの最低基本時給はCAD17.40でトロントもCAD16.55と、日本円1,700円前後ということを踏まえるとアルバイトでも月10万円以上の収入が見込まれます(2024年6月末時点)。
また、チップが見込まれる職種ならばそれ以上の収入となるでしょう。
(参考元:Minimum Wage by Province | Retail Council of Canada)
275(支出)‐225(収入)=50万円が、必要な全体の費用となります。
あくまで概算ですが、一般的な留学と比較するとかなり費用は抑えられることが分かります。
ただ、実際はこれ以上かかると思っておいた方が良いでしょう。
というのも、語学学校に通うならばその分の授業料が必要ですし、アルバイトは週20時間(学生ビザで働ける最大値)可能かは確かではありません。
例えば、レストランなどの飲食店ならシフトもありますし、または学業に手一杯でアルバイトまで出来ないということも考えられます。
費用には余裕をもっておいた方が集中して学ぶことが出来るでしょう。
Coop留学を実施する機関では、そのほとんどが①で述べたように、ホスピタリティ・ビジネス・ITの3つの分野を軸としたプログラムを提供しています。
それぞれの職種の特徴を詳しく見ていきましょう。
接客をメインとする職種で対人スキルを学び、接客のプロフェッショナルを目指すプログラムです。
また、マーケティングやセールス、業務オペレーション、管理などを学びたい人にもおすすめです。
観光資源が豊富でチップの文化があるカナダですから、有意義な経験を積むことが出来るでしょう。
就職先の例:ホテル・旅行会社・航空会社・空港・アパレル・カフェ・レストラン
マネジメントや分析、人事、経理など会社に関わる必要な知識を学べるプログラムです。
ビジネスの範囲はかなり広いので、学べる内容はカレッジやプログラムによって異なります。
カナダの実践的なビジネスを学べる機会は大きな魅力であり、初心者からキャリアアップしたい人まで選びやすい王道のプログラムです。
就職先の例:メーカー・商社・物流・教育機関・金融機関・コンサルティング機関
デジタルマーケティング(SNS運用・SEO対策・リスティング運用など)やプログラミング(Web制作・アプリ開発など)、Webデザイン(illustratorなど)を学ぶプログラムです。
近年、注目が高い分野です。
企業からの依頼を受けてプロジェクトを進めることもあり、時流に乗ることで実践的なスキルが身につくでしょう。
就職先の例:広告代理店・Web制作会社・アプリ開発会社・Webデザイナー
ここでCoop留学の注意点をお伝えします。
Coop留学の最大の魅力である有給インターンシップ(実務経験)ですが、カナダのどこでも確実に仕事があるわけではありません。
現状、留学先は大都市であるトロントとバンクーバーが最も選ばれています。
また、インターンシップは有給と無給があり、有給の募集が多いバンクーバーがより人気となっています。希望する都市で就職先がありそうか確認はしておいた方が良いでしょう。
また大前提として、選ぶ分野(プログラム)とインターン先の分野は同じということを覚えておきましょう。
ここではCoop留学のメリットとデメリットをお伝えします。
最大のメリットはやはり報酬を得られることです!
カレッジ期間中は「アルバイト」が可能ですし、フルタイムの「有給インターンシップ」でも報酬を得ながら実務経験が積めます。
生活費程度の報酬が見込まれるので、全体の費用をかなり抑えることが出来ます。
生の英語を使った実務経験では相当鍛えられることが予想されます。
それだけでも大きな強みになりますが、帰国後の希望職種によっては英語は出来て当たり前というところもあります。
その中で「実務経験」は就職活動でも大きな武器になるでしょう。
ワーホリ(年齢制限あり)を逃していても利用できるのは嬉しいポイント!
回数制限が無いのもワーホリとは違う点です。
解決方法としては、例えば、日本で英会話オンラインレッスンを受ける、現地で語学学校に通うなどがあります。
カレッジでの専門分野を学ぶ授業を受けるため最低限の英語力は必要です。
Coop留学での就労はあくまで学業の一環ですので、就労経験としてカウントはされません。
カナダでの永住権獲得の為には現地での就労経験が有利とされていますが、Coop留学での経験は別と考えます。
インターンをするということは、ある程度の英語力、カレッジでの成績、インターンシップ先との面接などさまざまな要素が必要であり、自身の努力が必要不可欠です。
選ぶ分野も大切で、ホスピタリティ分野はIT分野と比較して就労のチャンスが多い傾向にあります。
学業の一環なのでカレッジからのサポートはありますが、必ずしも希望が叶うわけではないことには注意が必要です。
ここまでCoop留学についてお伝えしましたが、まだワーキングホリデーか迷うという人もいるでしょう。
そこで、Coop留学とワーキングホリデーの違いを分かりやすくまとめました。
Coop留学 |
ワーキングホリデー |
|
目的 |
就学+就労がメイン |
不問(遊学・就労・旅行など) |
対象年齢 |
高卒以上の為、18歳以上 |
18~30歳まで |
ビザ有効期間 |
最長2年間(プログラム期間+1ヵ月) |
1年間 |
ビザ定員制限 |
制限なし |
1年に6,500人まで |
ビザ取得制限 |
制限なし |
1国につき1回 |
ビザ種類 |
学生ビザ(就労許可付き) |
ワーホリビザ |
ビザ延長 |
可能(条件あり) |
不可 |
就学期間 |
コース期間の半分 |
最長6カ月間 |
就労可能な時間数 |
英語研修期間(語学学校):不可 |
制限なし |
必要な英語力 |
IELTS4.5~6.0程度(TOEIC700点相当) |
不問 |
必要な学歴(最終学歴) |
高卒以上 |
不問 |
Coop留学とワーホリそれぞれに良さがありますので、自分に合う方を選ぶと良いでしょう。Coop留学は努力は必要ですが、コスパの良い留学方法といえます。
Coop留学で選ぶカレッジには、私立と公立があります。
小規模でサポートが手厚い私立と、勉強がハードだが大学編入しやすい公立で、それぞれおすすめをご紹介しますので参考にしてください。
おすすめのポイント
プログラム内容
ホスピタリティ |
即戦力となる力を養い、マネジメント役の可能性を考えた内容を学びます。 |
ビジネス |
ビジネスマネジメント分野でのスキルを身につけます。終了後は幅広い知識と深い理解を得られます。 |
IT |
単なるシステム知識を得るだけでなく、マーケティング分野などのビジネスにおけるマネジメント役も考慮したスキルを身に付けます。 |
公式HP:Canadian College, Learn English in Vancouver.
おすすめのポイント
プログラム内容
ホスピタリティ |
幼児教育や障碍とコミュニティについてなど学ぶプログラムがあります。 |
ビジネス |
会計、事務、法務、マネジメントなどビジネス分野での幅広いスキルを身につけます。 |
IT |
プログラミングやサイバーセキュリティを学び、エンジニアやアナリストなど幅広いIT職を目指せます。 |
公式HP:https://www.douglascollege.ca/
ただの語学留学に終わらないのがCoop留学の魅力です。
Coop留学後の選択肢が広がる可能性はかなり高いでしょう。
カナダで働きたい人、英語を使って活躍したい人にはコスパの良い留学方法として人気なのも納得いただけたのではないでしょうか。
Coop留学が気になる、具体的なサポートを知りたいという方は留学エージェントへお問い合わせください。