英検®1級 TOEIC換算スコアと難易度を徹底解説

「英検®1級ってTOEICで言うと何点くらい?」
「TOEIC900点以上取ったけど、英検®1級はどれくらい難しいの?」
そう思う方もいるかもしれません。
英検®1級とTOEICは同じ英語力を測る試験でも、評価軸や出題形式が異なり、単純なスコア換算では比較できない面もあります。
この記事では、英検®1級とTOEICのスコア換算の目安や、CEFRレベルを踏まえた難易度比較、両者の違いや試験の特徴について詳しく解説します。
英検®1級とTOEICを比較する3つのポイント
英語力を証明したいけれど、どちらを受けるべきか迷っていませんか。
試験の特徴を押さえることで、自分に合った選択が見えてきます。
試験の目的の違い:英検®は総合力、TOEICはビジネス英語特化
まず押さえておきたいのは、試験の「目的」の違いです。
英検®1級は文部科学省が後援する資格で、教育や教養など幅広い分野に対応できる高度な英語力を測ります。
リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能をバランスよく問われるため、総合的な運用力が求められます。
一方、TOEICは国際ビジネスにおける英語対応力を評価する試験です。
オフィスや会議、出張などのシーンに特化しており、日常会話や文学的内容はほとんど扱われません。
つまり、英検®は「教養と総合力」、TOEICは「ビジネス特化の英語力」を測る試験です。
試験形式・出題内容の違いとは?
試験の出題形式や構成も両者で大きく異なります。
英検®1級は1次(筆記・リスニング)と2次(面接)に分かれ、特にライティングとスピーキングの比重が高いのが特徴です。
英作文では社会問題に関する意見を論理的に述べ、面接では提示されたテーマで2分間のスピーチと質疑応答があります。
一方、TOEICはリスニングとリーディングの2技能のみをマークシート形式による評価です。
全200問を2時間で解く構成で、主観性のない回答と、短時間で多くの問題を処理する力が求められます。
つまり、英検®1級は表現力と理解力、TOEICはスピードと処理能力を重視する試験です。
スコアの付け方と合否の判断基準の違い
英検®1級とTOEICでは、試験結果の評価方法も異なります。
英検®は「合格・不合格」で判定されますが、TOEICはスコア制で、リスニング・リーディング各495点、合計990点という表示です。
英検®1級の合格基準はCSEスコアで各技能850点、合計3,400点中2,028点以上とされています。
一方、TOEICには合否の概念がなく、スコアの高さで評価が決まります。
たとえば、TOEIC900点以上は上級とされますが、スピーキングやライティングを含まないため、「使える英語力」の証明まではできません。
このように、試験結果の使い道も異なります。
英検®は大学院進学や教員採用で活用され、TOEICは企業就職や昇進時に重視される傾向があります。
英検®1級はTOEICで何点相当?レベル換算と難易度をわかりやすく解説
英検®1級とTOEICのスコアの関係が分からず、挑戦すべきか迷っていませんか。
換算の目安や難易度を知ることで、実力の把握と試験選びの不安を解消できます。
英検®1級とTOEICスコアのCEFR換算比較
英検®1級とTOEICは独自の評価基準を採用していますが、共通の国際基準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)で比較可能です。
英検®1級はCEFRで「C1」に相当し、大学レベルの講義を理解し、抽象的な話題にも対応できる高度な英語力が必要とされます。
一方、TOEICでC1とされるのはスコア945点以上が目安で、満点に近い得点が求められます。
つまり、TOEIC900点程度では英検®1級と同等とは見なされにくく、換算上は準1級相当とされることが多いのが実情です。
TOEICで高得点を取っていても、英検®1級の合格は容易ではなく、語彙力やアウトプット力がより重視される試験です。
難易度の体感:どちらが難しいと感じるか?
英検®1級とTOEICのどちらが難しいかは学習スタイルにもよりますが、一般的には「英検®1級のほうが難しい」と感じる人が多いです。
TOEICはマークシート形式で、選択肢から答えを選ぶ受動的な設問が中心です。
一方、英検®1級は英作文やスピーチが含まれ、能動的な運用力が求められます。
特に英作文は社会問題など抽象的なテーマが多く、英語力に加えて論理的思考や構成力も必要です。
スピーキングでは質疑応答があり、臨機応変な対応力も問われます。
そのため、TOEICで900点以上を取っていても、英検®1級は「まったく別の試験」と感じる人が少なくありません。
英検®1級の合格率とTOEIC高得点者の壁
日本英語検定協会のデータによれば、英検®1級の一次試験合格率は10〜15%ほどと、非常に狭き門です。
TOEICで高得点を取ってから挑戦する人も多いですが、一次試験で不合格になるケースも少なくありません。
その背景には、TOEICでは重視されにくい論述力や即興の英語表現力が必要とされる点があります。
つまり、TOEICで900点以上でも、必ずしも英検®1級に合格できるとは限りません。
一方で、英検®1級の合格は4技能すべてが高水準である証明になります。
このため、英語力の総合的な指標として、教育や通訳・翻訳の分野で特に重視されています。
TOEICと英検®1級のどっちを選ぶ?目的別に見る判断基準
英語力を証明する手段として、TOEICと英検®1級のどちらが自分に向いているのか迷っていませんか。
それぞれの試験が活用される場面を理解すれば、自分の目的に合った選択が見えてきます。
就職・転職に有利なのはどっち?企業が重視するポイント
国内の一般企業では、TOEICのスコアが最も重視されるケースが多く見られます。
新卒・中途採用ではTOEIC600点以上を基準とする企業が多く、グローバル企業では700〜800点以上を条件にしている場合もあります。
TOEICは国際ビジネスを想定した構成のため、「実務で使える英語力」を数値で判断しやすいのが利点です。
一方、英検®1級はビジネス特化型ではないため、一般企業で広く評価されることは少ないです。
ただし、教育・出版・通訳翻訳・海外対応の専門職では、高度な英語力の証明として評価されることがあります。
つまり、一般的な就職・転職ではTOEICが有利であり、専門性が重視される職種では英検®1級が強みとなるケースもあると理解しておくとよいでしょう。
留学・資格申請に適しているのはどちら?
海外留学や国際的な資格申請を目指す場合、英検®1級のほうが活用できる場面が多くあります。
英検®1級は文部科学省が後援する公的資格で、国内の大学・大学院入試や教員採用、奨学金申請などに利用できる試験です。
また、英検®1級の合格証明はCEFRでC1相当と認定されており、海外大学への語学力証明として使えることもあります。
もちろん、TOEFLやIELTSが求められることが多いのは事実ですが、英検®1級が補足的に評価される例もあります。
一方、TOEICは語学力証明として使える場面が限られ、特にアカデミックな分野ではTOEFLやIELTSほど信頼されていません。
このため、留学志望者には英検®1級のほうが適していると言えるでしょう。
英検®1級とTOEIC、両方持っていると得られるメリット
英検®1級かTOEICか、どちらを選ぶべきか悩んでいる方も、実は「両方取る」という選択肢があります。
両資格を取得することで得られる価値を知れば、その選択肢がいかに強力であるかが分かります。
両方の資格を持つことで得られる信頼性と評価
英検®1級とTOEICの両方を持っていることは、英語力の信頼性を大きく高めます。
TOEICはリスニングとリーディングに特化したスコア型の試験で、英語の処理速度や正確さが評価される試験です。
一方で、英検®1級はスピーキングやライティングといったアウトプット能力を含む試験で、実践的な運用力が問われます。
このため、両方の資格を持っていることは「受動的な英語理解力」と「能動的な表現力」の両面を証明できる強力な根拠になります。
企業の採用担当者や教育関係者、あるいは海外のパートナーに対しても、説得力ある英語力の証明となるのです。
特にTOEICのスコアは定量的に評価されやすく、英検®1級は質的な深さを示す資格として補完し合う関係になります。
キャリアアップや海外勤務への影響とは
英検®1級とTOEICの両方を保有していると、転職市場でのアピール力が格段に向上します。
特に、グローバル企業や外資系企業では、英語を使用する場面が多岐にわたるため、TOEICスコアだけでは実務に対応できるか判断が難しいでしょう。
そこで、英検®1級のように「発信力」まで含めた資格が加わることで、実践的な英語力を備えた人材として評価されやすくなります。
また、社内での昇進や海外出張・駐在の候補者選定においても、TOEICと英検®の両立取得は大きなアドバンテージになります。
語学力が高いだけでなく、「継続的に努力できる人」「多面的にスキルを高めている人」という評価にもつながる点も、キャリア形成上のメリットです。
TOEIC経験を英検®1級合格に活かす方法
TOEICである程度のスコアを取ったものの、英検®1級の対策にどう活かせるか悩んでいませんか。
TOEICの学習経験は、英検®1級合格のための強力な土台になります。
TOEIC学習で身につくスキルとその限界
TOEICの学習で培われるリーディングやリスニングの力は、英検®1級対策にも役立ちます。
特に語彙力や速読力、情報処理の速さは、長文読解で大きな強みになります。
また、文法や英文構造の理解も、英検の読解や英作文に応用できるでしょう。
ただし、TOEICは2技能に特化しているため、英作文や面接などアウトプットの訓練は不足しがちです。
加えて、ビジネス英語中心の語彙は、英検®1級で求められる抽象的なテーマや時事的な内容に対応しにくい面があります。
そのため、TOEICで得た力を基盤にしつつ、英検®1級特有の対策を追加することが求められます。
英検®1級対策で追加すべき学習ポイント
英検®1級合格には、TOEICで鍛えた「読む・聞く」力に加え、「書く・話す」力の強化が必要です。
特に重要なのがライティング対策で、社会的テーマに対し自分の立場と理由を論理的に展開する英作文が求められます。
主張の構成や具体例の挿入、段落構成など、論理的思考力と表現力が重要です。
スピーキング対策では、2次試験のスピーチ練習と質疑応答の訓練も欠かせません。
提示されたテーマを1分で構成し、2分間スピーチし、その後の質問にも即時で答える必要があります。
これはTOEICにはない形式で、即興力や柔軟な英語運用力が求められます。
さらに語彙力も不可欠です。
英検®1級では抽象的・専門的な語彙が多く、TOEICで扱わない単語も積極的に覚える必要があります。
まとめ:英検®1級とTOEICを比較して自分に合う選択をしよう
英語の資格で自分の力を証明したいけれど、どちらの試験が合っているのか迷う方は多いのではないでしょうか。
TOEICはビジネス英語を数値で示せるため、国内外の企業で高く評価されています。
一方、英検®1級は総合的な英語力を問う難関資格で、教育や国際資格申請、スピーキング・ライティングが求められる職業で強みを発揮します。
どちらを選ぶにしても、自分の目標と現在地を把握することが大切です。
TOEIC高得点者なら英検®1級で新たな力を伸ばせますし、両方取得すれば理解力と表現力の両面を証明でき、キャリアの可能性も広がります。
学習にはさまざまな手段がありますが、英語力強化にはフィリピン留学も有効です。
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英検®1級を目指す人にとって、アウトプット重視の環境は大きなアドバンテージになるでしょう。
目的に合った選択をして、今の自分にとって価値ある一歩を見つけてください。