英語試験スコアの換算と比較ガイド|IELTS・英検®・TOEFL・TOEICを徹底解説

「IELTSと英検®って、どちらを受けるべき?」「TOEFLやTOEICのスコアと比較すると、どれくらいのレベルなの?」
英語試験を受ける前に、こうした疑問を持つ方は少なくありません。
目的によって選ぶべき試験は異なり、スコアの意味も試験ごとに大きく違います。
本記事では、IELTS・英検®・TOEFL・TOEICのスコア換算や試験の違い、難易度比較までを、わかりやすく丁寧に解説します。
スコアを「点数」ではなく「実力」として理解し、最適な試験選びと学習戦略に役立てていただけます。
英語試験の基礎知識|IELTS・英検®・TOEFL・TOEICの違いとは
IELTSとは?試験形式と概要
IELTS(アイエルツ)は、イギリスやオーストラリアなど英連邦諸国への留学・移住の際に用いられる英語検定試験です。
アカデミックとジェネラルの2種類があり、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能をすべて個別に評価する形式です。
スピーキングは面接官との1対1の口頭試験となっており、実践的な英語力を測るのに適しています。
スコアは0.5刻みの1.0~9.0で表され、海外の大学入学基準として6.0〜7.5が目安とされています。
英検®とは?試験レベルと使用シーン
英検®(実用英語技能検定)は日本国内で広く認知されている試験で、5級から1級まで7つの級が設定されています。
試験は筆記・リスニングに加え、一定以上の級ではスピーキングとライティングも含まれます。
国内の高校・大学入試や就職時の英語力証明として活用されることが多く、TOEICやIELTSよりも「初学者向け」としての位置づけが強いのが特徴です。
最近ではCEFR基準との対応表も公開され、国際基準との整合性も意識されています。
TOEIC・TOEFLとは?スコア活用の違い
TOEICは主にビジネス英語能力を測る試験で、Listening & Reading(L&R)形式が一般的です。
990点満点のスコア制で日本国内の企業が採用や昇進基準として活用するケースが多いです。
一方、TOEFLはアカデミック英語を対象とした試験でアメリカ留学を目指す人向けに設計されています。
スピーキングやライティングも必須でインターネット形式(iBT)が主流です。
どちらもスコアで評価されますが、目的や求められる英語スキルの傾向が異なります。
各試験の対象者と目的の違い(留学/就職/資格取得)
それぞれの試験には明確なターゲット層と目的があります。
- 留学目的の方:IELTS、TOEFL
- 海外移住や永住権申請:IELTS(特にジェネラル)
- 国内就職や昇進:TOEIC
- 初学者や国内入試対策:英検®
試験選びに迷った際は、自分の最終目標(進学・転職・移住)から逆算して、必要なスコアや認定制度を確認するのが賢明です。
各試験の特徴を理解することで無駄のない学習計画が立てられます。
英語試験スコア換算表|CEFR基準での対応一覧
IELTS・英検・TOEIC・TOEFLスコア換算一覧表
英語力を客観的に測るため、各種英語試験のスコアを比較・換算することは大切です。
代表的な試験であるIELTS・英検®・TOEIC・TOEFLのスコア換算目安を示したものです。
あくまで目安ですが、進学や就職に必要なレベル感をつかむ参考になります。
CEFR | IELTS | 英検® | TOEIC L&R | TOEFL iBT |
C2 | 8.5〜9.0 | ー | ー | 115〜120 |
C1 | 7.0〜8.0 | 1級 | 945〜990 | 95〜114 |
B2 | 5.5〜6.5 | 準1級 | 785〜944 | 72〜94 |
B1 | 4.0〜5.0 | 2級 | 550〜784 | 42〜71 |
A2 | 3.0〜3.5 | 準2級 | 225〜549 | 32〜41 |
A1 | 1.5〜2.5 | 3級 | 120〜224 | 0〜31 |
CEFRとは「ヨーロッパ言語共通参照枠」のことで、英語力をA1〜C2の6段階で表す国際的な基準です。
現在は文部科学省を含む多くの教育機関がCEFRを基準にスコアを整理しています。
CEFRと各英語資格の対応レベル
CEFRを用いると異なる試験同士のスコアを客観的に比較することができます。
IELTSで6.0を取得した場合はCEFRのB2相当となり、これは英検®準1級やTOEFL iBTで約80点、TOEICでは785〜900点程度に相当します。
英検®やTOEIC単体では分かりにくい「どのレベルの英語力があるのか」をCEFRによって一目で理解できるのがメリットです。
海外留学や就職など明確な語学力証明が必要な場面では、スコアに加えてCEFRレベルも記載しておくと信頼性が高まります。
文科省公式のスコア換算との違いとは?
文部科学省は大学入試改革の一環として各試験のスコアとCEFRの対応表を発表しています。
ただし、実際のスコア換算には幅があり、複数の調査結果や試験主催団体が独自に示す換算表との違いも見られます。
TOEICの800点が「B2レベル」とされる一方で一部企業ではC1に準拠した英語運用力を期待されることもあります。
目的や求められるレベルに応じて換算表の使い分けが必要です。
各スコアの「実力」の目安
単なる数値としてのスコアではなく「そのスコアで何ができるか」を理解することが大切です。
- IELTS 6.0:海外大学の学部留学に求められる最低レベル。複雑な議論やレポート作成も可能。
- 英検®準1級:日本の上位大学入試や国内英語教員採用の基準。抽象的なテーマの読解・意見表明ができる。
- TOEIC 900点:ビジネス英語における高い運用力が評価され、外資系企業や海外部署配属に有利。
- TOEFL 100点:アメリカやカナダの大学・大学院入学に必要なレベル。高度なアカデミック英語の運用が可能。
目標スコアを設定する際は換算表を見るだけでなく「自分が何を達成したいのか」に基づいて適切な指標を選ぶことが大事です。
IELTSと英検®はどちらが難しい?目的別で徹底比較
試験内容の違い(リーディング・ライティングなど)
IELTSと英検®では出題内容とアプローチが大きく異なります。
IELTSは4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)すべてを評価し、アカデミックな語彙や論理展開力が求められます。
一方、英検®も4技能型ですが、級によって出題形式が異なり、3級以上でスピーキングが加わる形です。
IELTSでは一貫して「実用的かつ学術的」な英語力が問われ、英検®は「段階的に基礎から応用まで」測る設計になっています。
採点基準とスコアの出し方
IELTSのスコアは1.0~9.0まで0.5刻みで評価され、各技能ごとのスコアも公表されます。
英検®は合格・不合格の基準に加え、CSEスコア(Common Scale for English)という独自のスコア指標が導入されています。
採点はIELTSの方が客観的かつ国際的な基準に基づいており、各パートで細かな評価基準(語彙・構文・一貫性など)が公開されています。
対して英検®は級ごとの目標設定がはっきりしており、国内の学習指針に適した構成です。
試験日程や受験コストの比較
IELTSは月に複数回実施されており、都市部を中心に全国の試験会場で受験可能です。
受験料は約27,500円(税込・2024年時点)とやや高めです。
英検®は年3回の本会場受験があり、準会場(学校など)でも受験できます。
受験料は級によって異なり、最上級の1級でも12,000円前後とIELTSに比べて手頃です。
スケジュールの柔軟性を求める方にはIELTS、費用や頻度を抑えたい方には英検®が向いています。
難易度の比較|どちらが日本人向きか?
IELTSは実践的かつ応用的な英語力が必要で「話す・書く」能力が苦手な日本人にはやや難易度が高く感じられることが多いです。
英検®は文法や語彙の知識が得点につながりやすく、学校教育との親和性が高いため、日本人学習者には取り組みやすい構造です。
ただし、英検®1級はIELTS 7.0相当とされており、最上級の英検®も決して簡単ではありません。
目的や志望校・企業の要件に応じて、どちらが適しているかを判断することが重要です。
英語力別|おすすめの試験と選び方のポイント
日本国内での活用を重視するなら?
国内の高校・大学入試や就職活動で英語力を証明したい場合は、英検®やTOEICが適しています。
英検®は日本の教育現場での評価基準と親和性が高く、準2級〜準1級であれば多くの大学入試で活用できます。
TOEICは企業での評価が主軸で600点以上からアピール材料として有効です。
国内での利用を前提とするなら、受験しやすく認知度の高い試験といえるでしょう。
留学・海外進学を目指すなら?
海外の大学・大学院を目指す方には、IELTSやTOEFLが必須です。
イギリスやオーストラリアではIELTS、アメリカではTOEFLの提出を求められることが一般的です。
いずれもアカデミックな内容を扱うため、早めの対策が必要です。
希望する学校の提出条件を確認し、自分に合った試験を選びましょう。
アカデミック vs ビジネス英語の違い
英語試験には学術的な内容を重視する「アカデミック英語」と日常会話や職場でのやりとりに焦点を当てた「ビジネス英語」があります。
IELTSやTOEFLは論文や講義形式の問題が多く、大学での学習を想定した試験です。
一方、TOEICはビジネスシーンに即した内容が多く、社内外でのメールや会議、説明などを想定しています。
目的に応じて選ぶことが成功への第一歩です。
スコアを就職・転職にどう活かせるか?
外資系企業やグローバル展開する企業では、英語スコアが採用・昇進の基準となることがあります。
TOEICは依然として評価対象として強く、800点以上を目安に設定する企業も少なくありません。
IELTSやTOEFLの高スコアを持っていると「実践的な英語力がある」として評価される場面も増えています。
就職活動ではスコアを提示するだけでなく「どのように活かせるか」をアピールする視点も重要です。
試験選びで注意したいポイントと対処法
難易度だけで決めない方がいい理由
試験の難易度だけを基準に選んでしまうと目標に合わない対策に時間をかけてしまう恐れがあります。
「IELTSは難しそうだから英検®にする」といった判断では留学や移住といった目的を果たせない可能性があります。
試験選びは難しさよりも「目的に合っているか」で考えることが重要です。
目的に合わない試験を選んだ場合のリスク
目的と異なる試験を受けてしまうと、せっかく取得したスコアが進学や就職に使えないというケースもあります。
海外大学がIELTSの提出を求めているのに英検®を受験した場合、追加で再受験が必要になることも。
時間や費用のロスを避けるためにも事前に公式サイトや募集要項で要件を確認しておきましょう。
各試験における「自分に合った勉強法」の重要性
同じ英語試験でも、出題傾向やスコアの出し方が異なるため、適切な学習方法も変わってきます。
IELTSはスピーキングやライティングの実践が重視されるため、アウトプット中心の対策が必要です。
一方、英検®では語彙や読解の正確さが得点に直結します。
自分の得意・不得意に応じて、試験内容と勉強法の相性を見極めることが合格への近道となります。
まとめ
留学、就職、移住など、目的に応じて求められる試験やスコアは異なります。
資格はあくまで通過点であり、英語を実際に「使える力」が求められる時代です。
試験勉強だけでなく日常会話やビジネス英語を通じて、実践的な運用能力を磨くことも意識しましょう。
スピーキングとライティングは、継続的なアウトプットが必要です。
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