2025.01.31
IELTS(アイエルツ)は、英語を第二言語とする人々の英語能力を測定する国際的な試験です。
イギリスをはじめとしたさまざまな国で、英語力を証明する手段としてIELTSスコアを求められることが多くあります。
この記事では、IELTSの試験概要、スコアの構成、他の資格との比較、日本人の平均スコア、そしてスコアアップ対策について解説します。
また、これからIELTSを受験する方やスコア向上を目指している方に役立つ情報も提供します。
IELTSには、アカデミックとジェネラル・トレーニングの2種類のテスト形式があります。
アカデミックは大学進学や専門職を目指す人向け、ジェネラル・トレーニングは移住や就職を目指す人向けです。それぞれ試験内容が異なるため、自分の目的に合った形式を選択することが重要です。
申し込みは、IELTS公式テストセンターのウェブサイトからインターネットで行います。
試験方式は、コンピューター方式とペーパー方式の2種類があり、どちらも試験内容は同じです。
試験結果の発表は、コンピューター方式の場合は3〜5営業日後、ペーパー方式の場合は13日後となります。有効期限は試験を受けた日から2年間です。
IELTSは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのセクションで構成され、それぞれにスコアが付けられます。
試験内容はアカデミックとジェネラル・トレーニングで多少異なります。
試験は約30分間で、4つの録音を聞き、それに関連する質問に答えます。全体で40問出題され、各問題に1点が与えられます。
基本的には日常的な会話が多く含まれています。ただし、アカデミックの方が少し高度な内容が含まれることがあり、ジェネラル・トレーニングの難易度は比較的低めです。
試験は60分間で、3つのセクションに分かれたテキストを読みます。全部で40問に答え、正解1問につき1点が与えられます。
内容はアカデミックとジェネラル・トレーニングで異なります。アカデミックは学術的なテキスト(大学の教材や学術記事など)を読んで理解する力が試されます。
一方、ジェネラル・トレーニングは日常生活で使われる内容(広告、手紙、マニュアルなど)を読んで理解する力が求められます。
試験は60分間で、2つのタスクが出題されます。内容はアカデミックとジェネラル・トレーニングで異なります。
アカデミックは、複雑なグラフや表を分析して文章を書く課題(タスク1)と、エッセイを書く課題(タスク2)です。主に論文作成に必要な学術的な構成力や論理性が評価されます。
ジェネラル・トレーニングは、日常的な手紙やアドバイスを書く課題(タスク1)と、自分の意見を述べるエッセイを書く課題(タスク2)です。学術的な要素は少なく、日常で使われる実用的な文章力が求められます。
試験は11〜14分間で、試験官と1対1で会話を行い、「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法的範囲と正確さ」「発音」の4つの基準で評価されます。
アカデミックでは、一般的な会話だけでなく、学校で使われるような学術的な内容について意見を求められることがあります。
ジェネラル・トレーニングは日常的な会話が中心となり、学問的な議論などのトピックは少ないです。
IELTSを初めて受ける人にとっては、どのくらいのスコアが取れるか予測が難しいでしょう。
ここでは、IELTSのスコア換算方法とともに、英検などの他の資格試験との比較を紹介します。
IELTSのスコアは「バンドスコア」と「オーバーオールスコア」の2つがあります。
「バンドスコア」は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのセクションそれぞれに対して付けられる評価です。
各セクションは1点から9点のスケールで0.5刻みで採点され、それぞれのセクションのスコアの平均がバンドスコアとして評価されます。
「オーバーオールスコア」は、4つのセクションのバンドスコアを合計し、4で割って算出する総合点です。小数点以下の処理は、スコアが0.25刻みで「切り下げ」または「切り上げ」を行います。
2023-24年の日本語を母語とするIELTS受験者のバンドスコアとオーバーオールスコアは以下の表にまとめています。
バンドスコアは5.5から6.1の間、オーバーオールスコアはアカデミックで5.9、ジェネラル・トレーニングでは5.8という結果です。
リスニング バンドスコア | リーディング バンドスコア | ライティング バンドスコア | スピーキング バンドスコア | オーバー オールスコア | |
アカデミック | 5.9 | 6.1 | 5.7 | 5.5 | 5.9 |
ジェネラル・ トレーニング | 5.9 | 5.6 | 5.7 | 5.6 | 5.8 |
IELTSをこれから受ける人は、英検やTOEICなど他の英語試験と比較することで、だいたいのスコアを予想することができます。
それぞれの試験内容が違うのであくまで目安ですが、スコアレベルを感じてもらえると思います。
IELTSには4つのセクションがあります。ここでは、それぞれの日本人の平均スコアと試験対策を解説します。
リスニングの平均バンドスコアはアカデミック、ジェネラル・トレーニングともに5.9となっています。
これは音声の内容が半分以上は聞き取れていて、簡単な日常会話表現はだいたい理解できるレベルです。またアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語などのアクセントにも対応できています。
試験対策としては、問題文の読み取りが遅い場合があるので、早めに文章に目を通したり、メモを取ったりすることなどが有効です。また空欄補充問題ではスペルミスに気をつけましょう。
リーディングの平均バンドスコアは、アカデミックで6.1、ジェネラル・トレーニングでは5.6となっています。
アカデミックの場合、英語で書かれた論文などを読んである程度理解できるレベルです。科学や経済などのテーマに親しみつつ、知らない単語があっても文章の全体を理解することができれば、平均スコアは取れる可能性があります。
ジェネラル・トレーニングの場合、長文のトピックは様々ですが、環境問題や歴史など固めの内容をある程度理解できるレベルです。またアカデミックには出ないパンフレットやチラシの内容もわかるでしょう。
試験対策としては、限られた時間で長文を読む練習をしましょう。リーディングは読み込みの正確さとスピードが要求されるため、繰り返し練習すれば着実に力がつきます。
ライティングの平均バンドスコアは、アカデミック、ジェネラル・トレーニングともに5.7となっています。
このレベルは主要なポイントを概ね把握しており、構成も基本的には問題ありません。ただし、いくつか不正確な部分があり、語彙や文法に多少の誤りが見受けられます。また、表現の幅はさらに改善の余地があると言えるでしょう。
対策としては、同じ表現を避けるために別の言葉で言い換えをする練習をして語彙を増やしましょう。スペルミスや文法の誤りがないかチェックすることも大事です。
スピーキングテストの日本人の平均バンドスコアは、アカデミックで5.5、ジェネラル・トレーニングでは5.6で、4セクションの中ではかなり低いバンドスコアとなっています。
簡単な会話は問題なく進めることができ、旅行などの身近なトピックについては構文を使って比較的スムーズに話せるレベルです。ただ、より複雑な議論や抽象的なトピックに対しては、意見を伝えるのが難しく感じることがあるでしょう。
対策としては試験内容に沿った会話をする機会を作ることが必須です。相手はIELTSの採点基準を理解している人にしましょう。スピーキングは明確な採点基準があるので、プロの講師に教わることが一番の近道です。
今回は、IELTSの試験概要、スコアの構成、他の資格との比較、日本人の平均スコアについて解説しました。
日本人はスピーキングやライティングなど、自分を表現する能力が弱い傾向にあります。IELTSのスコアを伸ばすためには、アウトプットの練習が欠かせません。
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