2025.02.08
IELTSは、イギリスやオーストラリアへの留学や移住を目指す方にとって欠かせない試験です。英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)が問われるため、日本での英語学習だけでは難しさを感じることもあります。
しかし、正しい勉強法を実践すれば、確実にスコアは向上します。
今回は、スコアアップに役立つ勉強法を3つのポイントに分けて解説します。
IELTSで高得点を目指すためには、まず基礎力をしっかりと固めることが大切です。以下の5ステップで基礎を確立し、スコアアップを目指しましょう。
初めに目指すスコアを明確に設定しましょう。大学留学の場合、通常は6.0から7.5が求められますが、移住や仕事を目的にする場合は目標が異なることもあります。
目標スコアを確認したら、実際の試験や模擬テストを受けて、自分が総合スコアと各セクションでどのくらい点数が取れるかを確認しましょう。
自分の強みと弱点を知ることで、今後の勉強計画を効率的に立てることができます。
IELTSのスコアを0.5向上させるには、約200〜300時間の勉強が必要だと言われています。例えば、平日に2時間、週末に5時間の勉強時間を確保すると、10週から15週で目標に到達できる計算です。
大切なのは、短時間でも毎日コツコツ続けること。隙間時間を活用し、移動中に単語を覚えたり、英会話を聞いたりして、日々少しずつでも学習を進めましょう。
語彙を増やすことは、IELTSのスコアアップに直結します。試験全体に影響を与えるので、毎日単語を覚えることが大切です。
IELTSに特化した単語帳『IELTS必須英単語4400 [音声DL付]』を使うと、試験によく出る単語やフレーズを効率よく覚えることができます。
IELTSでは文法の独立したテストはありませんが、スピーキングとライティングで「文法の幅広さと正確さ」が採点項目の25%を占めています。
中学で習った文法が基礎となるので、学校で使っていた文法の参考書や問題集が役立ちます。「SVO」などの基本文型や日本人が苦手な時制などを中心に学び、練習問題で力をつけていきましょう。
IELTSの問題は特徴的なので、初めて受験する方は思ったよりスコアが取れない場合が多いです。
特にリーディングやライティングは分量も多いので、高いスコアを目指すには時間内に効率よく解答するスキルが必要になります。
独特な問題形式に慣れるために、公式問題集である『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』をおすすめします。IELTSの独特な設問形式に対応するコツがつかめ、試験時間の適切な配分も把握できるようになります。
基礎力をつけて全体的にスコアの底上げができたら、次は自分の苦手なセクションを攻略しましょう。それぞれのセクション別の勉強法を紹介します。
リスニングセクションは4つの録音を聴き、その内容に基づいた30問の質問に答える形式です。
英語の音を聞き取る力だけでなく、情報を正確に記憶する力や、質問に対する適切な回答を選択する力が求められます。
以下の勉強法でスコアアップを狙いましょう。
公式問題集で問題を解き、その後スクリプト(音声の台本)を見ながら答え合わせをします。間違いをした箇所は以下のポイントを押さえながらチェックしましょう。
「なぜ間違えたか」を分析することで、自分の弱い部分を確実に埋めることができます。
リスニングのスコアは低いけれどスクリプトを見ればできる、という方はディクテーション(dictation)をおすすめします。
これは英語の音声を聞きながら聞こえてきたものを一言一句書き取る勉強法です。
聞き取れない原因は以下のことが考えられます。
英語は音と音がつながって話されたり、同じ単語でもアメリカ英語とイギリス英語では発音が違ったりします。このような違いを理解するためにもディクテーションは非常に有効な勉強法です。
リーディングセクションでは、3つの長文を読み、13〜14問の質問に答えます。限られた時間内に素早く正確に解答できるよう、次の方法で学習しましょう。
大量の長文から正しい答えを導くためには、スキミングとスキャニングという2つのリーディングスキルが必要になります。
・スキミング(速読)
スキミング(skimming)は、文章をざっと読みながら全体の大意をつかむ方法です。文章の重要な部分を素早く拾いながら、大まかな内容を理解します。
・スキャニング(情報検索)
スキャニング(scanning)は、特定の情報を素早く探す方法です。文章の中から必要な情報だけを抜き出すために、キーワードを探しながら読み進めます。
スキミングで全体の概要を把握し、スキャニングで細かい情報(「誰が」「どこで」「何を」「いつ」など)を探すというように、問題によって2つのスキルを使い分けましょう。
パラグラフリーディング(paragraph reading)とは、段落ごとに意味を把握して全体をおおまかに理解する方法です。コツをつかめば、長い文章でも短時間で内容をつかむことができます。
パラグラフリーディングについて詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。
パラグラフリーディング徹底解説!おすすめストラテジーは?
ライティングセクションは、2つのタスクから構成されます。
タスク1は、アカデミックでは図表やグラフの要約、ジェネラルでは手紙形式となっています。タスク2は与えられたトピックについてエッセイを作成します。
エッセイを書く際は、Introduction(導入)、Body(本文)、Conclusion(結論)の構成を守りましょう。情報を正確にまとめる力も必要です。
パラフレーズ(paraphrase)とは、他の言葉で元々の文や一節を言い換えることを言います。
例えばproblemという単語を使ったら、次はissueやchallengeなど別の単語を使って同じ表現を繰り返さないようにする方法です。同じ意味でも違う単語を使うことで表現が豊かになり、確実にスコアアップへ繋がります。
スピーキングセクションでは、1対1で試験官と会話を行います。流暢さや発音、語彙力、文法の正確さが評価されます。
英語を話す機会が少ない日本人にとっては難しいセクションですが、以下の勉強法でスコアアップを目指しましょう。
スピーキングは実際に英語を話すことが最も効果的です。英会話スクールやオンラインで英語を話す機会を増やし、英語を使う環境に慣れましょう。
できれば相手は、IELTSの試験をよく知っているプロの講師が望ましいです。
スピーキングセクションでは「自己紹介」や「過去の経験について」など、日常的な質問が多く聞かれます。こうした質問に対しての回答フレーズをあらかじめ覚えていると、文法や発音のミスを減らせます。
また限られた時間内でスムーズに答えられるようになるので、スコアアップが期待できます。
隙間時間を有効活用して学習するためには、スマホアプリが非常に便利です。移動中や休憩時間に手軽に学習できるアプリを2つ紹介します。
・Vocabulary Flashcards – IELTS
IELTSに特化した語彙力アップを目的としたアプリです。1セクション50ワードと区切ってあるので、短時間でささっとチェックできます。間違えた問題は繰り返されるので、確実に語彙を増やすことができます。
iOS:Vocabulary Flashcards – IELTS
Android:Vocabulary Flashcards – IELTS
・LearnEnglish Podcast
IELTSを運営するブリティッシュ・カウンシルが提供するアプリです。イギリス英語で話すネイティブスピーカーのスピーチをスクリプト付きで聞くことができます。
短い時間で聞くことができるので、隙間時間でイギリス英語を耳に慣らすには最適でしょう。
iOS:Lean English Podcast
Android:Learn English Podcast
IELTSのスコアを上げるためには、計画的な学習が必要です。
自分の目標に合わせた勉強計画を立て、セクションごとに効率的な学習法を取り入れ、隙間時間を活用して毎日英語に触れましょう。着実に進んでいくことで、必ず目標スコアに到達できます。