IELTSライティングは、日本人受験者にとって特に難易度の高いセクションの一つです。英語で文章を書く機会が少ないため、多くの受験者がスコアの伸び悩みを感じています。
しかし、日本語に「起承転結」という話の流れがあるように、英語にも特有のライティングの構造があります。
このポイントを押さえ、流れに沿った形で文章を書くことができれば、IELTSライティングはスコアが最も伸ばしやすいセクションになります。
この記事では、IELTSライティングの概要、採点基準、セクションごとの攻略法、そしてスコアアップに役立つフレーズをご紹介します。
執筆者QQEnglish編集部
フィリピン・セブ島留学をはじめ、世界各国への留学、ワーホリ情報など英語学習をしている方へ役立つ情報を発信しています。
監修者斉藤淳
フィリピン留学協会会長
2014年からフィリピン・セブ島留学に関わる。セブ島の学校を中心に50校以上訪問しつつ、留学生に学校の選び方や現地の情報を発信しています。
IELTSライティングセクションの概要
ライティングは60分間の試験で、2つの課題に取り組みます。課題内容は「アカデミック」と「ジェネラルトレーニング」によって若干異なります。
Task 1
アカデミック:グラフや図表の特徴を説明する問題が出題されます。
ジェネラルトレーニング:手紙形式の文章作成を求められるのが特徴です。
Task 2
共通:意見文や議論文などのエッセイを作成します。
Task 2の配点はTask 1の2倍です。Task 1に20分、Task 2に40分を割り当てると、効率的に進められるでしょう。
IELTSライティングセクションの採点基準
ライティングは以下の4つの基準で採点され、それぞれ25%ずつの配点です。
1. タスク達成度
問題に適切に答えているかが評価されます。「アカデミック」と「ジェネラルトレーニング」によって内容が異なります。
アカデミック
- Task 1: グラフ、図表、チャートなどの情報をもとに、主要なポイントを正確かつ客観的に説明することが求められます。
- Task 2: 論理的で明確な意見や議論を展開することが重視されます。
ジェネラルトレーニング
- Task 1: 手紙の作成が課題であり、状況に応じて適切な形式(フォーマル、インフォーマルなど)を使い分けることが求められます。
- Task 2: テーマはアカデミックと比べて一般的ですが、アカデミック同様、筋道が通った論理展開が求められます。
2. 一貫性と結束性
文章がスムーズに展開し、論理的な流れがあるかを評価されます。接続詞を使い、わかりやすい段落分けの使い方が重要です。
3. 語彙力
様々な語彙を使用し、正確に表現できているかが評価されます。同じ単語を繰り返すのではなく、場面にふさわしい言い換えやフレーズを活用することが求められます。
4. 文法の正確さと多様性
文法ミスを最小限に抑えつつ、複雑な構文を取り入れると高評価につながります。
参考:IELTSバンドスコア・採点方法|英語検定・試験のIELTS公式サイト
IELTSライティングスコアアップの最短ルート:Task 1攻略法
Task 1では、限られた20分で効率よくポイントを押さえるスキルが必要です。ここでは、「アカデミック」と「ジェネラルトレーニング」それぞれの対策方法を解説します。
アカデミック:データを読み解く力が鍵
Task 1では、グラフやチャートを見て150語以上で説明します。以下のポイントを押さえると、比較的スムーズに文字数を満たした論理的な文章が書けます。
- 目立つ特徴を見つける
最高値、最低値、急激な増減など、データの中で特に目立つ部分を特定し、それについて説明します。
- 変化や比較を簡潔にまとめる
時間の経過による上昇、下降、安定の傾向や、カテゴリごとの違いをシンプルに述べます。
- 適切な表現を使う
増加・減少・安定を表す表現(例:increase, decrease, remain stable)や、比較や強調(例:highest, slightly, significantly)を用いて、特徴を適切に記述します。
論理的で一貫性のある説明を心がけることで、読み手にとって分かりやすく、説得力のある文章を作成することができます。
ジェネラルトレーニング:コツは相手にあわせた表現
ジェネラルトレーニングでは、手紙形式での課題が出されます。以下のポイントを押さえましょう。
- トーンを適切に設定する
手紙の「トーン」とは、相手に伝える際の文章全体の雰囲気や態度を指します。手紙がカジュアルかフォーマルかを判断し、相手や目的に合った表現を使います。
- 目的を明確にする
手紙を書く理由を明確に伝え、具体的な情報を加えることで、読み手に理解しやすい内容にします。
手紙の相手に合わせたトーンを意識し、伝えたいことを正確に書くことが大切です。
IELTSライティングスコアアップの最短ルート:Task 2攻略法
Task2は「アカデミック」と「ジェネラルトレーニング」共通で、250語以上のエッセイを書く必要があります。
トピックは社会問題、教育、テクノロジーなど幅広い分野から出題されますが、アカデミックはやや難しい内容になることがあります。
Task 2は配点が高いため、約40分をかけて丁寧に取り組むことが重要です。エッセイを書く際には、以下のポイントを意識しましょう。
1. 明確な構成を作る
英語のエッセイは以下の流れで書くのが基本です。
- イントロダクション: トピックを簡単に説明し、自分の意見や立場を明確に示します。
- ボディパラグラフ: 主張を支える理由や具体例を入れて、説得力を高めます。
- 結論: 全体をまとめ、自分の意見を再度強調します。
2. 一貫性のある記述を心がける
- 各段落には1つの主題を設定し、それに基づいて順序立てて構成しましょう。具体例や比較を活用することで、読み手が内容を自然に理解しやすくなります。
- 接続詞(however, therefore, in addition など)を使って、段落同士をスムーズに繋げましょう。
3. トピックに関連する語彙を増やす
- 教育、環境、テクノロジーなど頻出トピックに関連する語彙を事前に学んでおくことで、より豊かな表現が可能になります。
例えば「重要な問題」を表す際に important issue だけでなく、crucial challenge や pressing concern などを使えるようにしておくと効果的です。
これら3つのポイントを意識することで、説得力のあるエッセイを書く力が身につきます。
スコアアップに役立つIELTSライティングのフレーズ集
ライティングで高スコアを目指すには、多様な表現を使いながら論理的な流れを構成することが重要です。以下、便利なフレーズをわかりやすくまとめました。
イントロダクションで使える表現
- 意見を述べるとき
- It is often said that…(~と言われることがよくあります)
- This essay aims to explore…(このエッセイでは~について探ります)
- 長所と短所を述べるとき
- The topic of… has both advantages and disadvantages.(~に関するトピックには、長所と短所があります)
- This essay will explore both the positive and negative aspects of this issue.(このエッセイでは、この問題の肯定的および否定的な側面を検討します)
ボディパラグラフで使える表現
- 理由や具体例を述べるとき
- One of the main reasons is that…(主な理由の1つは~)
- This can be illustrated by…(これは~によって説明できます)
- 対比や比較をするとき
- On the other hand, it can be argued that…(一方で~と主張することもできます)
- Compared to…, this approach seems…(~と比較すると、この方法は~のように思えます)
- 論点を補強するとき
- Moreover, it is evident that…(さらに、~であることは明らかです)
- This not only… but also…(これは~だけでなく、~も含みます)
結論で使える表現
- 意見をまとめるとき
- In conclusion, it can be stated that…(結論として、~と言えます)
- To summarize, the evidence suggests that…(要約すると、証拠は~を示しています)
- 将来の展望を述べるとき
- It is expected that…(~が期待されます)
- This highlights the importance of…(これは~の重要性を強調しています)
これらの表現を使えば、IELTSライティングの質が向上し、スコアアップが期待できます。
まとめ:IELTSライティングで高スコアを目指そう
ライティングで高スコアを目指すためには、評価基準をしっかり理解し、時間管理や構成力、語彙力、文法力をバランスよく伸ばすことが重要です。
さらに、自分で書いたエッセイを講師や友人に見てもらい、フィードバックを受けることで、改善点を明確にするのも効果的です。
具体的なアドバイスを取り入れることで、効率的に弱点を克服できます。
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