2025.03.22
近年、エンジニアやプログラマーを目指すひとの間で注目されている「IT留学」。
IT留学は、プログラミングスキルや英語力を同時に伸ばせるため、多くの人が挑戦しています。
本記事では、IT留学のメリット・デメリットやおすすめの国、気になる費用についてご紹介します。
IT留学を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
そもそもIT留学とは、海外で英語とプログラミングを同時に習得できる留学スタイルです。
2010年以降からIT留学という言葉が出てきており、現代社会において重要なスキルである英語とプログラミングを集中して学べることで需要が高まっています。
プログラミング初心者でも安心して学べるカリキュラムが整っている国もあり、実践的なカリキュラムを通じて、将来的にグローバルに活躍していきたい人に人気があります。
英語とプログラミングの必要性については、2020年以降に小中学校の義務教育課程において『必修教科』となっていることから、将来的に重要なスキルであることが分かります。
英語とプログラミングがどのように必要となっているのか、具体的に見ていきましょう。
現代社会において、英語を学ぶことの必要性はますます高くなっているといえます。
英語は世界共通語であるだけでなくIT分野でも共通言語となっており、プログラミング言語の構文や公式ドキュメントやエラーメッセージなど、数多くの場面で英語が使用されています。
新しいIT技術を学ぶ際、英語が理解できれば日本語の翻訳を待たずに最新の情報を素早く得られます。
また、英語でのコミュニケーション能力があれば、グローバルなチームでも活躍しやすくなります。外資系企業や海外での就職の選択肢が広がる点も魅力です。
英語を習得すると、情報の取捨選択力が高まり、国際的なキャリアを築くうえで大きな武器になります。
プログラミングはIT分野における基礎スキルであり、論理的思考力や問題解決能力を鍛えるうえでも重要です。
近年では、AIやWeb開発などの発達が著しいですが、このような分野などでプログラミングスキルを持っている人は求められています。
経済産業省によると、2030年までに日本ではIT人材が最大79万人不足すると予測されていることから、非常に重要なスキルといえるでしょう。
プログラミングスキルを持っていると、就職や転職の幅が広がるだけでなく、国際的にも活躍できる可能性が高まります。
IT留学には、最新技術を学びながら異文化交流もできる魅力がありますが、一方で課題も存在します。
ここでは、IT留学のメリットとデメリットを3つずつ挙げてご紹介します。
IT留学のメリットは、大きく以下の3つが挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。
IT業界では、最新の技術や情報が英語で発信されることが多く、英語力は仕事をするうえで大きな武器になります。
IT留学へ行くと、日常会話だけでなく、ITに必要な専門用語や業界用語などにもたくさん触れられる機会があり、自然と英語力を向上させられます。
また、国や学校にもよりますが、IT留学のプログラムは実際のプロジェクトベースで学べる形式が多く、IT留学後すぐに実践できるスキルを得られます。
IT留学後に、現地でのインターンや就職を目指せることも大きなメリットの1つです。
現在、世界的にエンジニアの需要が高く、ITスキルを持っていればビザの取得をしやすい国もあるほどです。
IT留学をすることで、自身のキャリアアップのチャンスにつながります。
IT留学をする人は世界中にいるため、学校にはさまざまな国籍の人たちが集まります。
年齢も国籍も違う仲間たちと切磋琢磨し合いながら、英語やITを学べます。
また、グローバルな人脈を作ることによって、今後の仕事につながる可能性も高まります。
IT留学のデメリットは、以下の3つが挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。
「二兎追う者は一兎をも得ず」ではありませんが、英語とプログラミングの学習を進めることでキャパオーバーになってしまい、モチベーション低下につながり学びも中途半端になってしまうケースがあります。
原因の1つとしてあるのは、今の自分の英語力やIT知識・技術力のレベルを把握していないことが挙げられます。
現時点での自分の力をしっかりと理解したうえで、学校選択やカリキュラム選択をすることが大切です。
留学全般においてですが、IT留学でも費用が高くなるケースがあります。
国にもよりますが、IT留学では大学や専門のスクール、ブートキャンプなどでの学習となることが多く、学費が大きな負担となってしまいます。
また、留学先の物価によっては、生活費も想像以上にかかってしまう可能性もあります。
費用を抑えるためには、奨学金や補助制度を活用したり、物価の低い国を選択したりするなど検討しましょう。
海外生活では、言語の壁だけでなく、食事や生活習慣、文化、環境の違いなどからストレスが生じる場合があります。
ストレスを感じると、睡眠不足や学習意欲の低下などにつながってしまい、IT留学の目的を見失ってしまう可能性も出てしまうかもしれません。
留学へ行く前に、留学先の文化や生活スタイルなどの情報を調べておくと、留学での生活をイメージでき、実際に留学へ行った際には早めに順応できるでしょう。
IT留学へ行く国を決める際には、目的と期間、そして費用などを考慮して選択する必要があります。
ここでは、IT留学におすすめな国3選とかかる費用についてご紹介します。
フィリピンは、英語とプログラミングを短期集中で学びたい人におすすめです。
1ヶ月〜6ヶ月の短期集中型のカリキュラムが主流で、マンツーマン授業が多く、自分のレベルやペースに合わせて学習を進められることが特徴です。
また、かかる費用は比較的安いため、コストを抑えながら留学へ行きたい人に人気があります。
<費用目安(1ヶ月あたり)>
学費 | 約15〜30万円 |
宿泊費 | 約5〜10万円 |
生活費 | 約3〜5万円 |
航空券(往復) | 約5〜10万円 |
合計 | 約30〜55万円 |
アメリカは、最先端のIT技術を学ぶのに最適な国です。
特に、シリコンバレーのあるカリフォルニア州をはじめとするIT企業が集まる都市では、実践的なITスキルを学べる環境が整っています。
有名大学や専門学校の選択肢も豊富で、質の高い教育を受けられる点が魅力のひとつです。
円安傾向の今、学費や生活費が高くなることは避けられないでしょう。
奨学金制度やインターンシップなどの制度を活用することも検討するとよいでしょう。
<費用目安(1年間)>
学費 | 約200〜500万円 |
宿泊費 | 約80〜150万円 |
生活費 | 約50〜100万円 |
航空券(往復) | 約10〜20万円 |
合計 | 約350〜770万円 |
カナダは、治安が良く、住みやすい環境であることが魅力のひとつです。
IT人材の需要が高いため、自身の行動次第では、留学後にカナダで就職をすることにつながる可能性もあるでしょう。
アメリカと比べると留学費用は少し安めであり、費用を抑えながら質の良い教育を受けられるでしょう。
<費用目安(1年間>
学費 | 約150〜300万円 |
宿泊費 | 約60〜120万円 |
生活費 | 約50〜100万円 |
航空券(往復) | 約10〜20万円 |
合計 | 約270〜540万円 |
IT留学は、現代社会に必要なスキルである英語とプログラミングを同時に学べる、効率的なものだといえます。
メリットだけでなくデメリットも理解して、目的を見失わずに留学生活を送ることが大切です。
短期集中で2つのスキルを学びたい場合は、フィリピンがおすすめです。
時間や費用をかけても問題がなければ、レベルの高いIT技術を学べるアメリカやカナダを選択するのもよいでしょう。
留学先の選択は、「目的」と「今の自分の英語力・IT力」を明確にしておくことが大切です。
そのことを踏まえて、自分に合った留学先を選択しましょう。