2023.10.23
日本だけではなく、世界各国からの留学先として人気のフィリピン。
大学ごとに様々な特色が存在している他、費用に関して大きな利点があるため、数多くの留学生で賑わっています。
しかし、具体的な費用や大学選びに必要なポイントを知ることは簡単ではありません。
そこで本記事では、
・フィリピンの大学留学にかかる費用
・申込込み方法
・入学資格
・試験内容
・おすすめのフィリピンの大学
について紹介します。
フィリピンの大学に留学するためにかかる費用は、現地の大学の学費だけではありません。
渡航前に必ず必要になる学生ビザ取得代、渡航するためにかかるチケット代、渡航後に必要になる年間の生活費などが必要になります。
特に、年間の生活費はフィリピンの州(日本の県のようなもの)によって大きく変わるため注意が必要です。
参考までに紹介しますが、
・ルソン州マニラでは最低でも年間100万円
・セブ州セブでは年間100万円
・ミンダナオ州ダバオでは年間約50万円
程度の生活費が必要です。
しかし、上記の生活費はあくまでも最低限必要な費用です。
コンドミニアムなどの高級住宅に住みながら通学する場合は、その倍の費用が必要になるので注意しましょう。
「学生ビザ9f」にかかる費用は35,000円ほどかかるので、こちらも必ず目安にいれましょう。しかし、ビザ取得にはパスポートが必要になります。
渡航代に関してですが、おおまかな費用は10万円です。航空会社の種類、チケットを買うタイミング、渡航予定日によってチケット代は大きく変動します。
ギリギリで買うのはおすすめしません。可能であれば早めに購入した方が安いです。
公立大学の年平均学費はおよそ10万円です。
トップ公立大学であるフィリピン大学 ディリマン校の学費は10万円行かない程度であり、相当な学費の安さであることが伺えます。
他の公立大学も州を問わず、この程度の学費が必要になります。
私立大学の年平均学費はおよそ26万円から30万円です。公立大学と比べると3倍以上の学費が必要になります。
アテネオデマニラ大学の例を参考にすると、年間の学費は98,000ペソから110,000ペソとされており、これは日本で26万円から29万円に匹敵します。
デラサール大学などの他の私立大学も同程度の学費が必要です。私立大学はこれに加えて制服代がかかり、およそ3万円必要になります。
あくまで一般的な申し込み方法について紹介します。
しかし、フィリピンの大学は入学制度に様々な特色があり、日本の大学のように統制されているわけではありません。
大学ごとに必要な書類、申し込み手順が異なっていることがほとんどです。
そのため必ず、希望の大学を先に選んでから、サイトにて入学に必要な書類をチェックするようにしましょう。
一番最初に行うべき事です。どのフィリピンの大学に留学・入学したいかをチェックし、当該のサイトにアクセスをしましょう。
FacebookやTwitterなどのSNSプラットフォームにて、現地の学生の声を聞くことができる他、サイトには載っていない大学の情報を見つけることができるので試してみましょう。
希望の学部などが決定した際、入学の際に必要な書類をチェックしてください。
大学ごとによって必要な書類が異なる場合も多く、サイトの情報だけでは足りないことが普通です。
そのため、希望の大学に直接訪問するということが大切になります。実際の大学の雰囲気や、実情を確認するにはこれがベストです。訪問する際には、土曜・日曜・祝日は避けてください。
大学に訪問した際、「Student Admission Center」という名の窓口を探してみましょう。「Admission」という名前を探すのも良いでしょう。
見つからない場合、現地にいるセキュリティ・生徒に声をかけると親切に対応してくれますので、安心して相談してください。
窓口を見つけたらスタッフに声をかけ、自分が聞きたい質問を洗いざらい聞くようにしましょう。
具体的には、入学・留学に必要な書類、選抜までの日程、試験当日の流れ、入学にかかる費用、その他聞きたいことについて必ず聞いてください。
また、書類を提出するシーズンを忘れずに聞きましょう。
どの大学でも言えることですが、高校の成績表が必要です。
しかし、フィリピンの大学の場合は「英語版」の成績表が必要になります。
英語版の成績表が必要である場合、まずは担任の先生に速やかに相談してください。ほとんどの高校で、生徒が英語版の成績表を要求した場合、無料で作成してくれます。
成績表が必要である理由は、多くのフィリピンの大学で「成績」を評価するためです。いくつかの大学では試験無しで、高校の成績を元に入選基準を設けている所も存在しています。
理想では85%以上の成績を獲得していると優良生徒としてみなされます。
「出生証明」ではなく「戸籍謄本」の原本を準備するようにしましょう。
戸籍謄本は公的な書類であるため、海外の機関でも受理されるためです。しかし、海外の場合は、こちらも「英語版」の戸籍謄本が必要になります。
翻訳を業務とするエージェントや事務所、行政書士などに相談すると翻訳した戸籍謄本を作ってくれます。もちろん費用も発生する上、時間的なコストも必要であるため、ある程度の余裕を持って準備をするようにしてください。
「アポスティーユ」とは「この書類は認証された公的な発行物です」というお墨付きを示すための認証です。
以前は「レッドリボン」という名前が存在していましたが、現在はアポスティーユという名に変更されました。
上記で紹介した書類の他に、「希望している大学が必要とする書類」を海外で使える状態にするために、アポスティーユを必ず取得するようにしてください。
アポスティーユを取得していない状態の書類は、フィリピンの大学にて受理して貰うことが不可能になります。
重要なことですが、アポスティーユを取得するために必要な書類は原本が必要です。加えて、外務省によると発行から「3ヶ月以内」の書類だけが認証を受けることが可能です。
アポスティーユを取得できる場所は、
・東京都千代田区霞が関にある外務省
・大阪府大阪市中央区大手前にある外務省大阪分室
・各県にある公証役場
にてアポスティーユを取得するための手続きを行うことができます。
外務省のホームページにてその場所、具体的な申請方法に言及しているためチェックしてみてください。
遠方に住んでいるが故に、外務省への訪問が難しい方には郵便サービスが実施されていますので参考にしてください。
アポスティーユを取得するためにかかる具体的な日数は、直接訪問であれば2日から4日、郵便サービスを利用するのであれば2週間以上必要になります。
ここが最も重要な部分です。
フィリピンの大学では郵送などによる書類の受理を行っている大学が、一定数存在しています。
しかし、フィリピンの郵便サービスの質は非常に悪いため、郵送の途中で紛失・そもそも荷物が届かない、という事態が発生することがあります。
そのため、希望する大学へ書類を提出するには「直接」訪問して提出するようにしてください。アポスティーユを取得することを忘れないようにしてください。
しかし、時間的・金銭的コストで難しい場合は、現地に住む親戚などに頼むという手をあります。
入学を手伝うエージェントに相談するという手段を用いるというのも賢い手段です。
フィリピンを始めとした、海外の大学で勉強するには「学生ビザ」を必ず取得してください。
「学生ビザ9f」を取得するために必要な費用は約35,000円になります。
こちらの海外留学情報サイトにて詳しい概要を説明しています。
フィリピンでは、大学ごとに入学資格が大きく異なっています。
そのため、この項目では一般的に求められる入学資格について紹介します。大学によっては特に入学資格を設けていない所もあるので、大学のサイトにてチェックすることが大切です。
フィリピンの大学では基本的に、グレード12(高校3年生)まで完了した生徒のみが資格者であるとみなされます。
高校の途中でフィリピンの大学に入学・留学する場合は、高校1年生・2年生までの成績表だけで問題ありません。
つまり、高校を出ていない生徒は大学に飛び級することはできません。日本の場合は、大抵の生徒がこの資格を有しているため、特に懸念する必要はないでしょう。
日本の大学入試制度では、筆記試験を受ける場合は高校の成績は特に影響することがないとされています。
その一方で、フィリピンの大学では筆記・面接問わず、高校で優秀な成績を修めた者が優先して入学できるという制度が存在しています。
具体的には、高校の成績で総合85%以上の良い成績を獲得できていると入学の際に有利になります。
しかし、現地の大学によって最低限の成績があれば問題ないという場所も存在しているため、必ず希望している大学に確認するようにしてください。
フィリピン大学 ディリマン校の入学要件によると、「英語を第1・第2言語としていない国の出身者はTOEFLの試験で最低限のスコアを有していることが必要である」という説明があります。
TOEFLの最低限のスコアというのは、具体的には「78点」というのが一般的です。
TOEFL78点というのは、英検準1級に比肩するレベルです。つまり、やや専門的な分野でもネイティブと議論することができる・ある程度の複雑なトピックに対してレポートが書けるというレベルになります。
フィリピンの大学はアメリカの4年生大学の制度を参考にしている部分があるため、このスコアが必要になるのです。
この推薦書は、生徒の「Good Moral Character」を掲示するために必要な物です。
生徒が高校生活で何をしてきたのか、どのような個性をもった人物であるのかということを調べるために必要になります。
高校での素行に問題があった場合、フィリピンの大学に入学するが難しくなります。
有名な筆記試験である「UPCAT(フィリピン大学 ディリマン校選抜試験)」の例にとって説明します。
筆記試験の長さは総5時間のテストとなっており、フィリピンの中でもかなり体力のいる試験となっています。
試験は4つから5つのアルファベットから正解を選ぶ、選択式の試験です。しかし問題項目の量がかなり多いため、1つの問題に大きく時間を使うと致命的になります。
試験内容は大きく分けて4項目、
・英語
・数学
・理科
・読解
数学と理科に関してですが、日本の普通科の高校で真面目に取り組んでいれば、あまり苦しくならない程度のレベルです。日本の大学入試に登場する数学のほうが、かなり難しいと言えるでしょう。
しかし、数学の項目にはIQテストのような、少し奇抜な内容も含まれており、慣れて置かないとかなり時間を浪費する物になっています。
英語と読解に関してですが、こちらは英語を公用語としていない国の生徒には、かなり難しいレベルです。
求められるボキャブラリーの量も日本の大学の比ではありません。内容は、日本の大学入試で行われる英語の試験と似ています。しかし、英語の文章の総数、単語のレベル、表現の幅の広さには考慮しなければなりません。
実は、有名大学の入学試験に関しては、参考書がネットや現地の本屋で売られています。フィリピンの筆記試験の内容を自分の目で確かめてみたい方は、購入してみましょう。
過去のコロナウイルスによる打撃を受けて以来、いくつかの大学では入試試験を行っていない、または中止しているという大学も存在しています。
加えて、大学によってはそもそも入試試験を導入していないという所もあります。
その場合、最も重要になるのが高校の成績証明書です。
基本的に成績上位者からの入学が確定されるため、定員数よりも多くの生徒が入学を希望した場合、成績の良くない生徒はかなり不利になります。
加えて、高校の教員からの推薦書や、生徒が過去にしてきた特別なことなども評価に加わります。
入試試験がないため、この場合の入学は比較的容易に行うことができるでしょう。しかし上記で説明したように、外国からの留学生は特定の英語資格の掲示が必要になる可能性が高いです。
アテネオ・デ・マニラ大学は、ケソン市ロヨラハイチに位置する総合私立大学。
フィリピン国内でも相当のエリートが集まる場所であり、国内の学力もトップクラスの大学です。高級私立大学であるため、生徒達は官僚・上流階級の子供達が多く、他の公立大学とは一線を画す雰囲気を醸し出しています。
国内の中でも、英語や人文学系のレベルが極めて高いと評判。多くの生徒達が、フィリピノ訛りの英語を話すのではなく、日本人に聞き取りやすいスタンダードな英語を話すことも特徴です。
学費は学部によって差異がありますが、年間にかかる学費は26~40万円も程になります。その分、キャンパス内部の設備や清潔さ、日本人にとって重要な暑さ対策などもしっかり行われている大学になります。
アテネオ・デ・マニラ大学は、日本に存在している多数の大学と提携を結んでいます。そのため、提携校ならではの特典や手続きの容易さによって留学がしやすい環境とも言えます。
高校からアテネオ・デ・マニラ大学に入学したい場合、「ACET(アテネオ大学選抜試験」と呼ばれる試験に合格することによって入学が可能です。試験難易度は相当なものですが、インターネットや現地で試験用の参考書を購入することができます。
現地の生徒の英語能力は世界でもトップクラスと言えるほどであるため、英語を勉強するために留学をしたいという方にはかなりおすすめの大学です。
フィリピン大学 ディリマン校は、マニラのケソン市に位置する総合国立大学。
フィリピンに存在する国立大学の中でも、NO.1と名高い実力を誇る大学です。国内の中でも、最大級のキャンパンスの広さを誇り、キャンパス内には大きな道路が走っているほど。
実力最高クラスの生徒達が集まるため、生徒達の学びに賭ける姿勢は尋常ではないものがあり、非常に切磋琢磨しやすい環境でもあります。
国立・公立大学であるため、年間にかかる学費は10万円から16万円と非常に安いのも大きなポイント。
フィリピンならではの興味深い授業も存在しており、
・バードウォッチング
・ダイビング
・ダンス(民族系)
・ボディビル
・マウンテンハイキング
・キャンプ
などの他に類も見ない授業が存在しています。しかも、これらの活動は遊びではなく、「単位」として認められるのも特徴です。
大学寮の種類も豊富で、中には1ヶ月1万円程度の非常に安い寮も存在しています。マニラであるため、ある程度の生活費がかかりますが、フィリピン大学で学ぶ生徒達のための特典が数多く用意されています。
アテネオ・デ・ダバオ大学は、ミンダナオ州ダバオ市に位置する総合私立大学。
フィリピン国内で有名なアテネオ系列の大学であり、ミンダナオ州の中でも最高の学力を持った学生達が集まります。
学部としては、看護・ビジネス・エンジニア系が有名であり、各業界にも著名人を送り出している大学です。
こちらも私立大学であるため、空調設備がしっかり行われており、快適な空間で勉強に精を出すことが可能です。また、キャンパス内外には多数のお店が集まっており、食事や飲み物に困らないのもポイント。
学部によっては、フィールドワークを頻繁に行っている学部もあり、病院・研究施設・村・海・山での本格的な実習を行うのが特徴です。
フィリピン国内でも生活費が安いミンダナオ州ダバオに位置していることもあり、留学生が多く集まる大学となっています。
また、マニラのおよそ半分以下の生活費で生活する事も可能であるため、気になった方は調べて見てください。
フィリピンへの大学留学の方法と、おすすめの大学をご紹介しました。
日本の大学とは違うため、準備には書類はもちろん特に英語の勉強は重要です。来年以降は変わる可能性もありますので、この記事を参考に、詳しくは各大学の公式HPなどを参照していただければと思います。