セブ島の治安は本当に大丈夫?トラブル回避のための治安・防犯対策完全ガイド

セブ島への旅行や留学を検討する際、現地の治安状況が心配な人も多いでしょう。
フィリピンは日本とは異なる社会であり、安全に滞在を楽しむためには正しい知識と心構えが非常に重要です。
今回の記事では、セブ島の治安の現状から、現地在住者も実践している具体的な防犯対策まで、徹底的に解説します。
セブ島の治安の現状と日本との違い
セブ島は、フィリピンの中でも比較的治安が良いとされていますが、日本と同じ感覚で過ごすと危険な場合もあります。
まずは、日本とは異なるセブ島の治安の現状と、特に多く見られる犯罪の傾向について解説します。
セブ島の治安は「比較的良い」が油断は禁物
外務省の海外安全情報では危険レベルが設定されています。
日本人の訪問が多いマニラやセブ島を含む地域は、「レベル1:十分注意してください」で、最も危険度が低いです。
これは、フィリピンの中でも比較的治安が安定していることを示しています。
実際に、観光客や留学生が多く訪れるエリアやショッピングモールなどでは、警備員や警察が常駐しており、セキュリティ対策は日本に比べるとかなり厳しくされています。
しかし、この評価は、フィリピン国内での他の地域と比較したものです。
日本の「治安が良い」という感覚とは全く違い、スリやひったくりなどの軽犯罪は日常的に発生しています。
日本と同じ感覚で無防備でいると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるため、常に警戒心を持つことが重要です。
セブ島で発生しやすい犯罪の傾向
セブ島で発生する犯罪の多くは、観光客や留学生を標的にした窃盗や詐欺です。
殺人や強盗のような凶悪犯罪は、観光客が巻き込まれるケースは非常に稀ですが、スリ、ひったくり、置き引き、ぼったくりなどの軽犯罪は少なくありません。
これらの犯罪は、観光客の「隙」を狙って行われることがほとんどです。
一例を挙げると、以下の行動は犯罪に繋がる可能性が高まります。
- 人通りの多い場所での歩きスマホ
- 財布やスマートフォンをズボンの後ろポケットに入れる
- バッグのファスナーを開けたままにする
- カフェやレストランで荷物を置いたまま席を離れる
- 高価なカメラ、時計、アクセサリー、バッグを身につける
- 観光客とわかるような華やかなファッションをする
セブ島では、このような行動は避け、犯罪から身を守るための意識を常に持つことが大切です。
危険な場所・エリアと時間帯
セブ島に滞在する際は、特に注意すべき危険な場所や時間帯を把握しておくことが重要です。
観光客や留学生が多く集まるエリアや比較的安全とされているエリアでも、油断するとトラブルに巻き込まれる可能性があります。
観光客・留学生が特に注意すべきエリア
繁華街(マンゴーストリート、コロンストリート)
セブ島のナイトライフの中心地であるマンゴーストリート周辺は、バーやクラブが集まり、夜遅くまで多くの人で賑わいます。
ですが、酔っ払い同士の口論やケンカ、また悪質な客引きや物乞いも多いため、夜間の一人歩きは特に危険です。
また、コロンストリートは、治安が悪いと有名な場所で、昼間でも人通りが多く、スリやひったくりが頻繁に発生しているため注意が必要です。
公共交通機関の停留所
バスターミナルやジプニーの停留所、特にターミナル内は人が密集しており、スリや置き引きのターゲットになりやすいです。
荷物から絶対に目を離さず、貴重品はしっかりと管理してください。
市場やローカルエリア
現地の活気に触れることができる市場は魅力的ですが、道が複雑で人混みも多いため、観光客が道に迷ったり、スリに遭ったりするリスクが高まります。
地元の人になりすました詐欺師にも注意が必要です。
また、興味本位でむやみにローカルの居住エリアに立ち入ることも避けた方が良いです。
危険な時間帯
フィリピンの犯罪は、夜間や早朝に集中します。
夜間の時間帯(特に夜10時以降)
人通りが少なくなる夜遅い時間帯は、トラブルに巻き込まれるリスクが一気に高まります。
エリアに関係なく、暗い道や人通りのない少ない道では、特に、一人で歩いている観光客や女性は狙われやすくなります。
早朝の時間帯
早朝は人通りが少なく、街の警備も日中に比べ手薄になりがちです。
早朝便のフライトを利用する場合など、早朝に外出する場合は、特に注意が必要です。
トラブルに遭わないための具体的な対策と心構え
安全基準が日本とは異なるフィリピンでは、「自分の身は自分で守る」という強い意識が不可欠です。
ここでは、セブ島滞在で常に意識すべき具体的な対策と心構えを解説します。
滞在中に常に意識すべき6つの心構え
1.荷物管理を徹底する
外出する時は、リュックは必ず前に抱え、財布や携帯電話はズボンの後ろポケットには入れないことです。
特に、人混みの中ではバッグのファスナーがいつの間にか開けられていることがあります。
貴重品は、内ポケットやファスナー付きの場所にしっかりと保管し、常に荷物に意識を向けるようにしてください。
2.貴重品の管理と持ち出しに注意する
ホテルや学校の外では、パスポートや必要以上の現金、必要のないクレジットカードは持ち歩かないようにしてください。
貴重品は、セーフティボックスに保管し、外出の時には必要最低限のお金だけを、複数の場所に分けて持つことをおすすめします。
3.現地になじむ服装と振る舞いを心がける
高価なブランド品や華美なアクセサリーは、犯罪者のターゲットになりやすいです。
また、観光客だとすぐにわかるような派手な服装は避け、なるべく現地の雰囲気になじむようなスタイルを心がけてください。
また、人前で高価なスマートフォンを長時間操作するのも危険です。
4.不審者・物乞いは無視する
街を歩いていると、物乞いやしつこい客引きに声をかけられることがありますが、毅然とした態度で無視することが最も安全です。
安易に金銭を与えたり、話を聞いたりすると、トラブルに巻き込まれる可能性が高まります。
5.夜間の一人歩きと危険なエリアは避ける
日本の感覚で夜中に一人で出歩くことは非常に危険です。
夜間に犯罪が多くなる傾向があることから、できる限り夜遅くの外出は控えるようにすることがトラブルを避けるための対策です。
タクシーを利用する場合でも、人通りの少ない道や危険なエリアには近づかないようにしてください。
日本と同じ感覚でいるとトラブルに巻き込まれやすくなります。
6.信頼できる交通手段の利用
移動には、配車アプリの「Grab(グラブ)」の利用を強くおすすめします。
乗車前に料金が確定するため、ぼったくりの心配がなく、ドライバーや乗車履歴も記録されるため、流しのタクシーやジプニーなどよりも安全性が高いです。
セブ島で起こりやすい犯罪の手口と種類
セブ島では、日本とは異なる手口の犯罪が発生しています。
ここでは、特に観光客や留学生が巻き込まれやすい犯罪の種類と、その巧妙な手口を解説します。
スリ・置き引き
スリの手口は非常に巧妙です。観光客の注意をそらし、その隙を狙います。
例えば、以下のような手口があります。
注意をそらす
「写真を撮ってあげる」、スーパーで「そこの商品をちょっと取って欲しい」など声をかけて来たり、目の前でわざと物を落としたりして、注意がそれた瞬間に貴重品を盗みます。
物理的な接触
人混みの中でわざと体をぶつけてきたり、混雑したジプニー内で体に触れてきたりする時に、気づかないうちに財布や携帯を抜き取ります。
これらの手口から身を守るためには、常に周囲に注意を払い、不審な人には近づかない、声をかけられても反応しないことが大切です。
ぼったくりタクシー
セブ島には、正規のメーターを使わずに、料金相場を知らない外国人観光客に対し高額な料金を請求する悪質なタクシーが存在します。
特に流しのタクシーや、空港・ショッピングモール周辺で客待ちしているタクシーに多いです。
メーターを使わず「~ペソで行く」と、相場より高額な料金を提示してくるのが一般的な手口です。
強盗犯罪(ホールドアップ)
スリやひったくりだけでなく、発生件数は少ないですが、銃や刃物を使って脅し金品を要求するホールドアップ(強盗)の被害も発生しています。
比較的治安が良くセキュリティガードが巡回しているITパークのようなエリアでも、特に夜間や人通りの少ない場所では注意が必要です。
ロマンス詐欺・結婚詐欺
セブ島では、恋愛感情を利用した詐欺も発生しています。
現地で知り合ったり、SNSや出会い系アプリを通じて、日本人(特に男性)にアプローチし、恋愛関係を装って金銭を要求する手口です。
実際の手口
現地やSNSで出会い言葉巧みに相手を騙して恋愛関係を装い、被害者が自分に興味を持ち始めたタイミングで、「家族が病気になった」「入院費用が必要になった」など、同情を誘うようなウソの理由をつけて金銭的な援助を求めてきます。
被害者が送金すると、さらに別の理由をつけて要求を繰り返すのが一般的な手口です。
実際には結婚していて、夫婦共犯で詐欺行為をしていることもあります。
実際にトラブルに遭った場合の対処法
どれだけ注意していても、運悪くトラブルに巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。
万が一の事態に備え、冷静に対処するための方法を予め知っておきましょう。
スリ・置き引きに遭った場合
スリや置き引きの被害に遭ったことに気づいたら、まずは落ち着いて状況を把握するようにします。
犯人を追いかけたり、大声を出して周囲を騒がせたりするのは危険です。
1.すぐに施設関係者に報告する
まずは、被害に遭った場所のスタッフやお店の人にすぐに報告してください。
お店に防犯カメラがある場合、防犯カメラの映像をまずお店の人が確認し、その後の捜査や被害届提出の際に有力な証拠になる可能性があるためです。
2.警察へ被害届を提出する
盗難被害に遭った場合は、警察にできるだけ早く被害届(Police Report)を提出しましょう。
特に、パスポートやクレジットカードが盗まれた場合、重要な手続きとなります。
なお、観光客の対応に慣れている「ツーリストポリス(観光警察)」に被害を届け出る方が、手続きを円滑に進められることが多いです。
セブ島では、ショッピングモールのSMシティの近くにツーリストポリスがあります。
3.クレジットカードの利用停止
クレジットカードを盗まれた場合は、すぐにカード会社に連絡して利用停止の手続きをしてください。
万が一に備え、紛失・盗難受付の緊急連絡先は、渡航前に控えておきましょう。
4.パスポートの再発行手続き
パスポートを盗まれた場合は、日本大使館または総領事館で「渡航書」または「パスポートの再発行」の手続きを行います。
手続きには、警察で発行された被害届の証明書が必要です。
ぼったくりタクシーに遭遇した場合
流しのタクシーの中には、メーターを使わずに高額な運賃を請求してくる悪質なドライバーがいます。
もしメーターを使わないと言われたら、乗車せずに別のタクシーを探す方がよいです。
メーターの使用を無理に要求しても、トラブルに発展する可能性があるため、無理強いはしない方が安全です。
ホールドアップ(強盗)に遭遇した場合
万が一、銃や刃物を持った強盗に遭遇し、ホールドアップの被害に遭った場合は、絶対に抵抗しないでください。
大声を出したり騒いで相手を刺激すると命の危険があるため、冷静に相手の指示に従うことが最優先です。
持っているもの(現金、スマートフォンなど)を全て渡し、犯人が立ち去るのを待つようにしてください。
ロマンス詐欺に遭った場合
相手から金銭を要求されたり、不審な点を少しでも感じた場合は、一人で抱え込まず、すぐに第三者に相談しましょう。
まずは誰かに相談
友達や家族、留学先の学校スタッフなど、信頼できる人に状況を話してください。
自分ひとりだと感情に流されてしまいがちですが、第三者からの客観的な意見を聞くことで、冷静な判断ができます。
公的機関への相談と通報
詐欺の被害に遭った場合は、現地の警察や、在フィリピン日本大使館の領事部にも相談や通報することができます。
緊急時の連絡先
万が一に備え、以下の緊急連絡先を控えておくと安心です。
・警察(PNP):911(緊急)または 032-233-1466(セブ市)
・在セブ日本国総領事館:032-231-7326
・病院:外国人対応に慣れている病院として、以下の2つの病院があります。
いずれも日本人スタッフが常駐する「ジャパニーズヘルプデスク」があり、日本語での相談が可能です。
・チョンワホスピタル(Chong Hua Hospital):0917-791-2177 (日本語対応)
・セブドクターズホスピタル(Cebu Doctor’s University Hospital):0917-571-7436 (日本語対応)
セブ島を楽しむための安全に過ごせる場所と行動
セブ島は、正しく行動すれば安全で楽しい所です。
ここでは、観光客や留学生が安心して過ごせる場所や、安全に楽しむための具体的なヒントをご紹介します。
安全に過ごせる場所
大型ショッピングモール
アヤラセンター・セブやSMシティ・セブなどの大型ショッピングモールは、警備員が常駐しており、セブ島で最も安全な場所のひとつです。
入口での手荷物検査も徹底されており、安心して買い物や食事を楽しむことができます。
リゾートホテル
多くのリゾートホテルは、宿泊者や施設利用者以外の侵入を防ぐために厳重なセキュリティで守られています。
敷地内であれば、安心してプールやレストラン、プライベートビーチなどを楽しみながら過ごすことができます。
ITパーク
経済特区であり、オフィスビルやレストランが集まるビジネス街のITパークは、日夜を問わず多くの警備員が巡回しているため、比較的安心して過ごせるエリアです。
夜にはカフェやバー、スグボメルカドも賑わい、リラックスした雰囲気を楽しめます。
比較的安全なエリアですが、油断せず、人通りの少ない暗い道でのひとり歩きには注意が必要です。
語学学校の寮
留学中の滞在先となる寮は、セキュリティがしっかりしており、セブ島で安心して過ごせる場所です。
多くの寮では警備員が常駐し、外部からの訪問者もチェックされます。
安全を確保するための行動
信頼できる交通手段を利用する
「ぼったくりタクシー」対策としても述べた通り、配車アプリのGrab(グラブ)はセブ島で最もおすすめの交通手段です。
夜間の移動は複数で
日本では一人で出かけることに抵抗がない人も多いですが、セブ島では夜間の一人歩きは非常に危険です。
夜に出かける時は、できるだけ複数で行動してください。
フィリピン人の友人や現地に慣れている人が一人でもいると、さらに安全性が高まります。
危険な場所・行動を避ける
既に解説した通り、セブ島では夜間の人通りの少ない道や、スラム街などの治安の悪いエリアにはそもそも近づかないのが鉄則です。
「自分の身は自分で守る」という意識を常に持ち、少しでも危険だと感じたらその場からすぐに離れるようにしてください。
まとめ
セブ島の治安は、日本とは大きく異なりますが、過度に恐れる必要はありません。
今回の記事でお伝えした具体的な対策と心構えを実践すれば、トラブルを未然に防ぎ、セブ島での滞在を安全に楽しむことができます。
「自分の身は自分で守る」という意識を常に持ち、最新の情報を収集し、用心深く行動することが重要です。