2024.08.15
仕事や子育てがひと段落ついた50代、60代のシニア世代。
人生100年時代でリスキリングの重要性が叫ばれる昨今、シニア世代の留学が人気です。
憧れの外国でゆっくり学べるのはシニア留学ならではの醍醐味でしょう。パートナーや子どもと一緒にシニア留学するという手もあります。
ただ、「シニア留学したけれど失敗だった」という人も!
そこで今回は、シニア留学が失敗する理由と成功するためのコツを分かりやすく解説します。
シニア留学ならではの注意点やおすすめの国もご紹介!
シニア留学を失敗したという人の理由は、大きく分けて以下の3つです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
50代以上限定などのシニアクラスを設けている語学学校もありますが、基本的に留学生は若者世代が圧倒的に多いです。
「皆の輪に入る勇気がない」「入っても会話やノリが合わない」と不安になるかもしれません。
自身の年齢を後ろ向きに意識しすぎて疎外感を持ち、殻に閉じこもってしまうシニア世代はとても多いのです。
しかし、実は年齢はあまり関係ありません。若者同士でも(日本人同士でさえ)合わなくてつらいという人は必ずいるものです。
気候、食事、生活スタイルは日本とはかなり異なることは間違いありません。
このような柔軟性は若者世代の方が高いでしょう。また、滞在先もホームステイや学生寮などさまざまです。
もし、ゆったり一人での暮らしを望むならそのような部屋を確保できるか確認しましょう。
学校の雰囲気も重要で、若い世代しかいないと場違い感を持ってしまうかもしれません。
シニア世代で最も重要なのが体調不良です。
生活スタイルや環境の変化がストレスとなりやすいので体調不良に陥りやすいと思われます。体調不良で勉強どころではなくなってしまうのは、シニア世代で多い失敗理由です。
体力はどうしても低下しているので、無理のない留学プランにするのが安心でしょう。
では、シニア留学を失敗させないためにはどうしたらいいのでしょうか。
失敗しないためのチェックポイント5つをご紹介します。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
この留学で何を得たいのかを明確にすることはとても重要です。
語学力向上、専門知識を学ぶ、外国文化を体験したい等さまざまであり、それにより選ぶ地域や学校の雰囲気も随分絞られるはずです。
目的がないとダラダラしてしまい、結局何も身につかず留学期間が終わってしまったというのはよくあることなのです。
学校によって雰囲気はかなり違うので、シニア留学を失敗させないためには自分に合う学校選びはとても重要です。
自分が何を重視しているのかを明確にして学校を選ぶと良いでしょう。
若者に混じって学ぶのは不安かもしれませんが、対話で大切なことは、フィーリングや謙虚な姿勢でフレンドリーに接する姿勢です。
たくさん話すうちにお互いの年齢なんて忘れてしまうものです。それでもやはり不安という人は、シニアクラスがある語学学校もあります。
体調を崩し、そのまま帰国することになるシニアもいるのが事実です。
生活がガラリと変わるのですから体調管理は日本以上に行いましょう。
解決案として例えば「週末は観光を楽しむようにする」、「カリキュラムを詰めすぎない」など、精神的・肉体的に余裕を持てるような工夫が挙げられます。
普段から食事や運動を意識した生活をしましょう。
また、例えば日本から近めの国にすれば渡航時間も短く体に負担が少ないですし、落ち着けるホテルでの滞在にするなど工夫できることはあります。
馴染みやすいと思える国や地域を選ぶこと、食事が美味しいと思えそうか、現地でのサポート体制が整っているかなどもチェックしておきましょう。
もし持病があるならかかりつけ医にシニア留学が可能か尋ねましょう。
問題ない場合でも医薬品は多めに持参することが望ましいです。現地の医薬品や化粧品は合わないことも考えられます。
海外では救急車を呼ぶのも高額な費用が掛かることが多いので、健康管理は経済面でもとても重要です。
万が一のために海外保険に入っておくのがおすすめです。
シニア世代に多いですが、何でも一人で抱え込むのは良くありません。
留学エージェントを利用するのも1つの手です。その道のプロなので、留学前の入学サポートや保険、現地でのサポート体制まであらゆる専門知識を持っています。
頼れるものはしっかり利用しましょう。
現地に日本人スタッフがいる、24時間体制でサポートしてくれるなど手厚いサポートがあるエージェントもあります。
急病時に利用できる病院があるか、盗難・事故があった時のサポートはあるのか等、事前に調べておきましょう。
日本領事館や大使館の連絡先を調べておくのもおすすめです。
不安要素はできるだけ少なくしておくのがシニア留学を失敗させないポイントです。
暮らしの面と勉強の面それぞれで事前準備はしておきましょう。
「行ったら何とかなる」と考えるのは、特にシニア世代では厳しいものがあります。
不測の事態は起こるものですので、考え得ることは用意しておきましょう。
以下は暮らしに関しての事前準備の例です。
日本では常識でも海外では非常識であったり、自分には何ともないことが外国人には失礼に当たることもあります。
渡航先の文化や宗教は事前に調べておきましょう。
地域によって治安の不安があるのでこちらもしっかり情報を得ておくのがおすすめです。シニア世代には精神的な充実感もかなり重要ですので、趣味やアクティビティなど勉強以外の楽しみを見つけることも大切です。
また、予算面は多めに見積もるのが良いでしょう。
無理が通る若者世代と同じように格安航空を使ったり、食事を簡素に済ませたりするのはシニア世代には厳しいものがあるからです。
滞在先や食べ物、飛行機の座席など、全体的な費用は若者世代より多めにかかることが考えられます。予算を決めておくことは大切ですが、少々多めに見積もると安心でしょう。
以下の2点は勉強に関しての事前準備です。
英語を学ぶために留学に行くわけではないとしても、意思疎通のため最低限の英語力は必須です。それは英語圏以外でも同じです。
あまりにも英語が話せない、読めないレベルから留学を始めるとかなり苦労するのは想像がつくのではないでしょうか。
日本にいる間にオンライン英会話などを利用して、英語力を出来るだけ向上させておくことが望ましいです。
ここでは、シニア留学の種類についてお伝えします。
以下はシニア留学の種類の例です。
一般的には語学留学が多いですが、日本で学んできた習いごとを極めたり、ボランティアをしたり、セカンドライフのための就職に有利な経験を得たいという人もいます。
目的によって学ぶ地域や学校も大きく変わります。ただ、意思疎通できる程度の英語力は何をするにも必要でしょう。
専門知識を学ぶための留学なら尚更高度な英語力は必須です。
気候や治安からシニア留学に人気でおすすめの国や都市をご紹介します。
代表的なアメリカやカナダはもちろん、近年はマルタやフィリピンも人気となっています。
また、ドラマやアイドルの影響で韓国も人気です。
国 |
治安(エリアにもよる) |
気候(エリアや季節による) |
特徴 |
アメリカ |
△ |
温暖~寒冷 |
国際的・本場の英語 |
イギリス |
〇 |
温暖 |
伝統と近代文化の融合・イギリス英語 |
オーストラリア |
〇 |
温暖 |
多国籍文化・大自然 |
カナダ |
〇 |
温暖~寒冷 |
治安良好・大自然 |
ニュージーランド |
〇 |
温暖 |
治安良好・フレンドリーな国民性 |
マルタ |
〇 |
温暖 |
ヨーロッパ文化・観光地に行きやすい |
フィリピン |
△ |
熱帯 |
コスパ最高・マンツーマン指導多め |
シンガポール |
〇 |
温暖 |
治安良好・日本人多め |
韓国 |
〇 |
温暖 |
低コスト・日本人多め |
憧れを持つ人も多いアメリカは州によって気候や治安、学習環境もかなり異なります。
おすすめは人気のロサンゼルスやニューヨーク、日本人も多いサンフランシスコです。銃社会なので注意も必要ですが、留学先としてとても人気です。
芸術やエンターテインメントの本場なのでそれらを学びたい・楽しみたい人には特に良いでしょう。
イギリス独特の英語やイギリス発祥の文化を学びたい人にはぴったりの国です。
人気は首都のロンドン。伝統を大切にする国であり、芸術も多いので多くの魅力があります。
治安が比較的良好で多国籍文化なので、留学生を受け入れる体制が整っています。
ダントツで人気なのはシドニーです。自然の中で学びたければメルボルンも良いでしょう。
訛が少ない英語で、治安も比較的良好なので人気があるカナダ。
州によって公用語が異なり、フランス語も身近です。大自然がすぐそばにありつつも生活がしやすく、留学生を受け入れる風土があります。
カナダ独特のCOOP制度を利用して大学へ編入することも可能です。
大自然や治安の良さからシニアにも馴染みやすいのがニュージーランドです。
留学先として老若男女問わず、人気があります。
移民や留学生を多く受け入れる風土があるので、多種多様な交流が望めます。
イタリアのマルタ島は地中海に浮かぶ小さな島で近年留学先として人気です。
ヨーロッパの中では物価も低めで気候も穏やかなため、シニア留学先としておすすめです。
治安面も不安は少ないですし、ヨーロッパ観光の拠点として活用できる立地は魅力的でしょう。
日本から5時間程と身近なフィリピンは英語学習先としてとても人気の高い国です。
英語教師の質の良さやマンツーマン指導が多く学びやすいという背景があります。また、費用を抑えられるというメリットも!
ホスピタリティがある国民性は外国が不安という人にもぴったりです。
旧イギリスの植民地であり、公用語に英語がある国です。
日本から7時間ほどの距離で観光地として有名です。物価は高めで、教育水準も高いのが特徴。
少々訛りのある英語ですが、現地就職も視野に入れやすいメリットがあります。
ドラマやアイドルで韓国語に触れる機会が増えたことで、韓国語を学ぶ人はとても増えました。
気候や治安も安定しており、日本人は多くいるので、シニア留学にもおすすめです。
シニア留学はセカンドライフのための大きなきっかけになり得ます。
若者より習得に時間がかかるかもしれませんが、シニアだからこその強みもあることを忘れないでほしいです。
長い人生経験で養われた胆力は世界の舞台できっと役立つでしょう。