他社のオンライン英会話を始めて2ヶ月。まだまだ英語に関しては未熟者の私ですが、皆さんの小論文に感化され応募させていただきます。
皆さんは立派な夢をお持ちですが、私には世界で活躍したいなどの夢はありません。私の夢はただひとつ、「この世を去る瞬間“私の人生は最高だった”と悔いなく人生を終えられるような人生を送ること」です。
私の家は裕福ではなかったため、小さい頃の夢は「公務員になって安定した生活を送ること」でした。今思えば、なんと可愛げのない夢なんだろうと思いますが、昔の自分に見えていた世界がどれだけ小さいものだったかが分かります。公務員になりたかった私は大学2年生のとき、公務員学校へ行き「早く授業を受けたい」と伝えると「まだ2年生だから早いよ」と追い返されてしまうほど気が焦っていました。そんな私に転機が訪れたのは大学3年生の時。韓国からの留学生のお世話をするアルバイトをすることになり初めて外国人の友人ができました。その時初めて“文化の違い”というものを実感しました。食事をする時はお椀を手に持つ/持たない、というような文化の違いに興味を持ち、それから3ヶ月後、1ヶ月間のプログラムに参加させていただき韓国の釜山という都市でたくさんのことを学びました。それと同時に日本という国に対して色んなことを感じました。また、その1ヶ月はとても刺激的でもっと韓国人と話したいという気持ちから、その半年後、交換留学で釜山に1年間滞在しました。もちろん入校手続きも済んでいた公務員学校はキャンセルしました。
その留学で文化だけでなく言語に興味を持った私は、熱を冷ますことなくソウルでも交換留学をさせていただくことになりました。二度も交換留学をさせてくださった大学には本当に感謝しきれないくらい感謝しています。
そしてソウルの大学で二度目の転機が訪れます。同じ授業を取っていたエジプト人の男性と交際することになり、今まで自分が見えていた世界が一気に広がったのです。彼は友人がとても多かったので、たくさんの国の友人ができました。ただ問題は「私の英語力ではコミュニケーションが取れない」ということです。いつも彼に通訳をしてもらっていましたが、申し訳なさともどかしさを感じインターネット講義を取ることにしました。その時の自分に叱りたいくらい後悔していることが、その講義が“韓国人向けのTOEIC対策”だったことです。韓国語でTOEICに出てくるような単語を学ぶわけです。これではいつまでたっても英語でコミュニケーションを取ることはできないと思います。しかし、その時の私はそのことに気づきませんでした。今では一般的なオンライン英会話の存在を知らなかった私は、その講義で勉強を続けました。
日本に帰国して私は韓国のドラマなどの翻訳の仕事に携わっています。非常に充実した毎日を送っています。文化の違いを知ったこと、日本のよさに気づいたこと、自分の見る世界が広がったこと、さらには楽しく仕事ができていること、これはすべて公務員学校をキャンセルし、勇気を出して自分の殻から飛び出した結果です。
今の現状に満足していた私は、彼に会いにドバイへ行ったとき、また新たな気持ちになることができました。つたない英語でも通じる喜びというものを再実感したのです。この“言葉が伝わる喜び”を感じたのは韓国留学以来で、この喜びのために今まで自分は韓国語習得に力を注げたのだということを再認識しました。そして次は英語を習得し、いつかは彼の友人や家族と彼の通訳なしで話したいと思うようになりオンライン英会話を始めました。最近カランメソッドというものを知り、この小論文選考が目に留まり応募させていただいた次第ですが、他の小論文にあるような立派な夢は私にはありません。しかし、老いても勉強を続けたい。世界を巡り様々な経験がしたい。ずっと言葉が伝わる喜びを感じながら生きていきたい。自分がこの世を去るときは笑顔で後悔なく発ちたい。ただそれだけです。ただそれだけですが、皆さんの夢と同じくらい努力が必要なことだと思います。そのためには今後も努力を続けていきます。
もし世界が1つの言語しかなかったのだとしたら、私は今頃、地元で公務員として働き、日本のよさにも気づかず、大切な人にも巡り会えておらず、言葉が通じる喜びを一生感じることなく毎日同じことの繰り返し、という人生を送っていたことでしょう。世界では1000以上の言語があるといいますが、日本語・韓国語・英語のたった三ヶ国語でここまで人生が変わったのですから、世界には私のように言語で人生が変わった人が数えきれないくらいいるのだと思うと、世界の未来はまだまだ明るいと思います。