世界中の子どもたちに数学の美しさを伝えたい。
それが、私が世界を目指すわけです。
幼い頃から、自然が好きでした。公園で綺麗な石や葉っぱを見つけては、押入れに隠していたのを今でも覚えています。
3歳で公文式を習い始めると、今度は数字が好きになりました。
以来、高校生になった現在まで、算数や数学といった類のものは、いつでも私をワクワクさせるものでした。
私は今、中高一貫校に通う高校3年生です。
私の学校では、高1の1年間を使って自分の好きなテーマを研究し、プレゼンを行い、最終的にはそのテーマで論文を書き上げる、という取り組みがあります。
私はそこで「美は数式で表せるのか」というテーマで論文を書きました。
一風変わった私のテーマは生徒にも教員にもうけ、学年の中でも高く評価されました。
プレゼンの発表後は、生徒たちが書いた感想を読むことができます。
「数学って、面白いかも」
「数学にはこんな一面があるんだ、知らなかった」
「学校でもこんなふうに教えてくれたらいいのに」
私のプレゼンを見て数学に興味をもってくれた人がいたことが、私はとても嬉しかったです。
なぜなら、それこそが、私がこのテーマを選んだ理由だったからです。
私がこのテーマを選んだ理由。
それは、数学の教科書に書かれている数学の世界だけでは飽き足らなくなったからです。
数学の可能性はそんなものじゃない、とみんなに証明したかったのです。
だって、当然のように立ち並ぶ建物も、いつも何気なく歩道も、部屋の中にある家具だって、人が数式を使って設計したもの。
適当に、無造作に作っていたら、私たちの視界に「直線の造形」が入ることなんてほとんどないはずなんです。
身の回りには数学が溢れている、当たり前すぎて気がつかないだけ。
そんなふうに私はいつも考えています。
一方で、整然と、時に無造作に、私たちが思いもしないようなアプローチをしてくる自然に、心動かされた経験も誰にでもあるはずです。
それは自然が、人間が発見、分析できるものよりももっと複雑な数学的要素から成り立っているからではないかと、私は思います。
幼い頃に拾った石も、こんなにたくさんあるのに、地球上に1つとしてまったく同じものはない。
それは、何かしらの要因が、いくつもの数式が、重なりに重なって形作られたものだから。
昔の私がこんな事を考えながら石を拾っていたとは思えませんが、それでも私が幼少期から今に至るまで自然に惹かれ続けてきた理由はそこにあると思います。
学校では、数学の問題が解けないから、数学なんて役に立たないから、そんな理由で数学を嫌いになってしまう人がたくさんいます。
でも本当の数学は、教科書にはとても収まらないはずです。
だから、数学を学ぶ世界中の子どもたちに伝えたいんです。
数学はこんなに、壮大で、美しいと。
ここまで偉そうに書いてきましたが、私には数学の専門知識がある訳ではありません。
数学に関する知識は、数学の授業と趣味で読んだ本から得たわずかなものです。
高校生活では、勉強も行事も遊びも恋愛も、常に全力で楽しんでいるので、まだライフワークである“美と数学”を掘り下げることができていません。
まだまだ知らないことがたくさんあります。
だからこそ、大学に入ったら自分のライフワークに堂々と向き合ってみたいのです。
もっと数学を学びたい。
数学だけじゃなく、バイオテクノロジーも学んでみたい。
世界中の自然美を見て回りたい。
世界中の国々の、様々な教育方法を自分の目で確かめたい。
自分の目で世界を見て得たことを糧に、数学と自然に関する本を書きたい。
そして、それらすべてを活かして、世界中の子どもたちに、数学の面白さを伝えたい。
これらが私のビジョンです。
数学は、言葉の壁を持ちません。
人類の共通言語です。
コミュニケーション力さえあれば、世界中で教えることができます。
私の好きなことを、私なりに研究して見識を深めて、世界中の子どもたちにも興味を持ってほしい。
これは数学と自然が好きな私だからこそ、できること。
私は、世界を目指します。
日常的に見るものから美しい自然の景色まで、地球だけに限らず宇宙でも生きている数学のその壮大さを、美しさを、私なりの方法で、世界中の子どもたちに知ってもらうためです。