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異文化のなか病気で苦しむ人を支えられる看護師を目指して(N.T)

 私は日本の看護師です。「私が世界を目指すわけ」それは、異文化で言葉も分からない場所で病気に苦しむ人を支えられる看護を実践するためです。
 私が医療福祉の道を選んだのは、初めての海外で人生初の手術を経験した体験からです。高校の研修でオーストラリアに行った私は、耳の病気になり、手術をしないと帰国できない状態になりました。両親も近くにいない、伝えたいこともうまく伝えられない環境の中、今まで体験したことのない体調の悪い状態は、17歳の私には大変不安だったのを覚えています。
その時、現地の通訳の方が、「通訳をした私はあなたの状態を一番よく分かっているよ。他の大人に何か言われたら私がその人に説明してあげるから、自分を一番大切にしてね。」と励ましてくださったのです。その言葉に私は救われました。そして、いつか私も言葉も通じない異文化で病気に苦しむ人の力になれる仕事をしたいと決意し、福祉や看護を学んだ後、看護師という職業に就きました。

しかし、仕事や生活の忙しさの中で、この思いは薄れていき「いつかできればいいや」と英語の学習も趣味程度になっていました。ある程度、稼いでそのお金で自分のやりたいことをやっていければいいとだんだん楽な方へ意識が向かっていていたように思います。

そのような中、一人の患者様との出会いで再び高校生の私の決意を強く意識するようになりました。その患者様は難民の妊婦さんで、日本語が全くわからず、日本社会とのつながりは自分では持てない状態でした。唯一日本で彼女が頼ることができるのが同じ国出身の1人の男性のみでした。彼も難民として来日し、今では日本での就労も日本語もできるようになったため、同じ国の難民を支援しているとおっしゃっていました。
しかし、男性に女性の治療への同席やセクシャルな内容を通訳してもらうわけにはいきせん。私たちはイラストやジェスチャーを交えながら、治療の説明を実施しました。彼女の疑問や理解度を正確に把握きているかもわかりません。そもそも彼女の国の医療水準がわからず、たとえ言葉が理解できたとしても、治療内容を受け入れることができたのでしょうか。
彼女の不安そうな表情や治療の痛みに泣き叫ぶ姿は痛々しかったです。「もっとわかりやすい説明ができたなら、もっと彼女の背景を理解できていたなら、こんなに不安を与えることはなかったのに」と申し訳ない気持ちになりました。その後悔に、高校生の頃の決意が蘇り、「あの頃の目標をもう一度真剣に目指そう。」そう思わされました。
また、難民という自分の意志とは関係なく、自国を追われた方々の過酷さを知るきっかけとなりました。安心・安全な生活も保障されていない中、病気になったらどれだけ不安で、苦しいのでしょう。「もっと世界の人々のことを知り、自分にできることを始められるように、世界を目指したい」ともう一つ目標を持つようになりました。
目の前の患者様に看護の手を差し伸べるために。そして、「自分を一番大切にしてあげてください」と伝えてあげられるように私は世界を目指したいと思います。

 

 
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