スピリチュアル(spiritual)の意味とは?精神的と宗教的の違いを知ってトレンドを理解しよう

英語学習をするなかで「スピリチュアル(spiritual)」という言葉を聞いたことはありますか?
日本では占いやパワースポット、ヨガなどと関連して使われることが多い言葉ですが、実は英語圏での「スピリチュアル」の意味はもっと幅広いのです。
そこでこの記事では、英語における「スピリチュアル(spiritual)」の正確な意味と使い方を、豊富な例文とともに解説していきます。
カタカナでの使い方との違いも含めて、この言葉をマスターするための実践的な知識を身につけていきましょう。
この記事を読めば、社会のトレンドである「スピリチュアル」を知ることができ、より英語に関する理解が深まるはずです!
「spiritual(スピリチュアル)」の歴史的な意味
1. 語源と定義
英語の「spiritual」は、ラテン語の「spiritus(息、精神)」を由来とする形容詞です。
英英辞典による定義は以下の通りで、抽象的な書き方がなされています。
| Connected with the human spirit, rather than the body or physical things (身体や物質的なものよりも、人間の精神と関連している) 引用元:オックスフォード大学出版局「オックスフォード現代英英辞典 第8版」旺文社, 2010. |
定義が抽象的であるため、日本語では「精神的な」「霊的な」「宗教的な」と様々な言葉で訳されてきました。
特に「霊的な」とは、非常にすぐれた性質や超人的な力をもつ不思議な性質や肉体に対する霊的な事象を指しており、すぐに恐怖を駆り立てるものではありません。
ほかにも「魂の」や「知的な」「崇高な」「超自然的な」「神聖な」「教会の」などと和訳されることもあり、「spiritual」は複数の意味を持つ多義語なのです。
そのため一概に「精神的な」と訳してしまうと、意味が正確に伝わらない可能性があるので気をつけましょう!
また名詞の役割を持っており「精神的なこと」や「教会に関する事柄」「霊歌」を意味します。
2. 派生語
続いて「spiritual(スピリチュアル)」の派生語をご紹介します。
特に名詞の「spirit(スピリット)」にも様々な意味があるので覚えておきましょう!
| 英語 | 品詞 | 意味 |
| spirit | 名詞 | 精神、生命力、精気、気力、性分、心持ち、考え方、幽霊、悪魔、蒸留酒 |
| spiritually | 副詞 | 精神的に、霊的に、宗教的に |
| spirited | 形容詞 | 元気な、活発な、活気がある |
| spiritless | 形容詞 | 無気力な |
| spirituous | 形容詞 | 多量のアルコールを含む |
3. 類義語
次に類語を一覧にしました。
| 英語 | 意味 | ニュアンス |
| metaphysical | 形而上学的な | より哲学的・学術的 |
| religious | 宗教的な | より宗教的 |
| sacred | 神聖な | 聖なるものとして崇められる |
| ethereal | 霊妙な | より神秘的で幻想的 |
| well-being | 幸福(身体的、精神的、社会的にすべてが満たされた良い状態) | より全体的 |
| transcendent | 超越的な | 通常の常識・経験を超えた |
4. 反意語
こちらは反対の意味を持つ語をまとめています。
| 英語 | 品詞 | 意味 |
| material | 形容詞、名詞 | 物質的な、材料、原料、布地、織物、人材 |
| physical | 形容詞 | 肉体的な |
| secular | 形容詞 | 世俗的な、下品な |
現代では「宗教的な」と訳さない!?
1. Spiritual but not religious(スピリチュアルだが宗教的ではない)とは

前項で「spiritual(スピリチュアル)」には宗教的な意味があると述べましたが、現代においては宗教的な意味を含まない使い方が一般となりつつあります。
なぜならアメリカ合衆国では「Spiritual but not religious」と呼ばれる概念が重要視されているからです。
「Spiritual but not religious」は頭文字をとって「SBNR」と呼ばれることが多く、直訳すると「無宗教型のスピリチュアル」のこと。
会話をするにあたって「spiritual(精神的な)」を使うときに「religious(宗教的な)」を含まないという考えから来ており、特定の宗教を信仰しているわけではないけれど、精神的な豊かさを求めていることを示すときに使用されます。
今では、アメリカでは全人口の5人に1人は「SBNR層」だとされるデータもあるほど──。
そのため「spiritual」を使うときは「精神的な話題」に限定していることを覚えておきましょう!
精神的な豊かさとは具体的に、ヨガやマインドフルネスで瞑想したり、大自然と触れ合ったり、適度な睡眠と運動を取ったり、友達や家族との時間を作ったりなどをして、心の健康を保つことです。
参考: Pew Research Center. 2017年 (閲覧日:2025年10月12日)
2. SBNRを使った例文
例文
‘SBNR’ was spread by a book called Spiritual but Not Religious: A Call to Religious Revolution in America in 2000.
(SBNRは、2000 年に「スピリチュアルだが宗教的ではない:アメリカにおける宗教革命への呼びかけ」という本によって広まりました。)
SBNRs believe that spirits or spiritual energies can be contained in animals other than humans.
(SBNRの人々は、人間以外の動物に霊やスピリチュアルなエネルギーが宿ると信じています。)
「spiritual(スピリチュアル)」を使った重要フレーズ
続いて、覚えておくと周りと差がつくフレーズをご紹介します。
1. Spiritual Journey(スピリチュアルジャーニー)
英語圏では、個人の内面的な成長過程を「spiritual journey(自己理解を深める内面的な旅)」と表現することがよくあります。
人生における様々な問題やトラウマに向き合い乗り越えることで、平穏で幸せな自分に辿り着けるというニュアンスです。
例文
The spiritual journey is getting over fear and accepting love.
(スピリチュアルジャーニーとは恐怖を乗り越えて愛を受け入れることです。)
2. Spiritual Awakening(スピリチュアルな目覚め)
精神的な覚醒や気づきを表す「spiritual awakening」も重要な表現で、日本語で言う「悟り」に近いです。
例文
A spiritual awakening means realizing things more deeply and becoming more aware of yourself and the world around you.
(スピリチュアルな目覚めとは、物事をより深く理解し、自分自身と周囲の世界についてより深く認識することを意味します。)
3. Spiritual Home(精神的な故郷)
精神的な心の支えとなる場所を表すフレーズとして「spiritual home」があります。
日常生活でも使えるイディオムなので覚えておきましょう!
例文
When I moved to Paris, I realized that I found my spiritual home.
(パリに引っ越したとき、私は自分の精神的な故郷を見つけたことを実感しました。)
「spiritual(スピリチュアル)」を使った例文集【場面別】
1. 宗教的な意味
歴史的に「spiritual」は宗教的な文脈で使われてきました。
現代では「宗教的な」という意味であまり使われませんが、古い文献を読む際などは宗教的要素を含んでいる可能性があるので覚えておきましょう!
例文
He is the spiritual leader of a certain religion.
(彼は、とある宗教の精神的指導者です。)
2. 霊的な意味
例文
She felt a spiritual connection with nature.
(彼女は自然との霊的なつながりを感じた。)
I had a spiritual experience yesterday. Can you listen to me?
(昨日、霊的な体験をしたんだ。聞いてくれる?)
3. 精神的な意味
例文
Doctors must consider the spiritual needs of their patients.
(医師は患者の精神的なニーズを考慮しなければなりません。)
He is a very spiritual person, and does not really care about material things.
(彼はとてもスピリチュアルな人で、物質的なものにはあまり関心がありません。)
おわりに
本記事では、英語における「spiritual」の多様な意味と使い方について詳しく解説しました。
日本で使われる「スピリチュアル」と英語圏での「spiritual」には重なる部分もありながら、異なるニュアンスがあることをご理解いただけたでしょうか。
そして現代の「spiritual but not religious(スピリチュアルだが宗教的ではない)」という概念は、現代アメリカを語るうえで重要なものなので、ぜひ理解しておいてください。
この言葉を正しく理解し使いこなすことは、英語圏の文化や価値観を理解するうえでとても重要です。
このような文化的背景を理解することで、より深いレベルでの英語コミュニケーションが可能になるでしょう。
あなたの英語ライフがより有意義なものになることを、陰ながら応援しています!



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