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2019.09.03

[QQE Columns]リアルな“今”を感じる
「現在完了形」~大坂なおみ選手に学ぶ~

こんにちは。ヒロスケです。
9月になり、暑さもひと段落といったところでしょうか。
僕は毎年、この時期になると森山直太朗の「夏の終わり」をカラオケでひとしきり歌い、感傷に浸るのが好きです。
ところが、セブは年中夏なので、いまいち浸りきれませんね。

さて、毎年この時期といえば、森山直太朗だけではありません。
そう、テニスの全米オープン!
5年前は錦織圭選手が準優勝を果たし、昨年は大坂なおみ選手が見事優勝!!
日本人選手の活躍にワクワクします。

というわけで、今回は8月25日のSunstar Sunday セブ版、”OSAKA READY TO DEFEND US CROWN”という記事から、大坂なおみ選手のリアルな言葉を取り上げます。

“今”に焦点をあてる現在完了形①

さっそくいきましょう。

The disappointment with her tennis that led her last month to say she wasn’t having fun playing has been replaced by calmness.
(先月彼女に、プレイを楽しめていないとまで言わせたテニスへの失望感は、落ち着きに取って代わられている。)

現在完了形が使われていますね。現在完了は、現在に焦点をあてる表現です。単なる過去形にするよりも、”今となってはすっかり”と、現在にグッと注意を引きつけています。

All that training paid off last year for the Japan native who moved to New York at age 3, when she beat Serena Williams in the tense and turbulent final for her first major title. (日本生まれで3歳でニューヨークに移住した彼女にとって、昨年、張り詰めた空気の中、荒れた決勝戦でセリーナ・ウィリアムズに勝利し、メジャー初タイトルを獲得した瞬間に全ての努力は報われた。)

そんなわけで、彼女にとってニューヨークはとても馴染みのある街なのですね。

ちなみに、”pay off” は投資が利益を生む、というイメージから「努力が実を結ぶ」という意味でもよく使われます。

それにしても、ニューヨークに来ると落ち着く、なんていつか言ってみたい台詞ではあります。

臨場感が違う!現在完了形②

さて、最初の英文でもあったように、今シーズンの大坂選手はこれまでにない不調に苦しんでいました。

昨年、全米に続き全豪も制し、一気に世界ランク1位まで上り詰めた彼女でしたが、その後は大会序盤で姿を消すことが多くなりました。

7月のウィンブルドンで初戦敗退を喫した後、大坂選手は1ヶ月間の休養を取ります。

Before ending that break, Osaka wrote a lengthy social media post in which she said she’d had some of the worst months of her life and probably hadn’t had fun playing tennis since Australia. Things have since changed, she said. (その休養を終える前に、大坂はSNSに長い投稿を書き綴った。その中で、彼女はこれまでの人生で最悪の数ヶ月間を過ごしていたこと、そして恐らく全豪以来、テニスを楽しめていなかったことを語った。その後、状況は変わったのだと彼女は言った。)

最後の文で再び現在完了。暗いトンネルの中にいた大坂選手でしたが、”今では”状況がガラリと変わったのだ、と現在の状況を強調していることがわかります。

I took, like, a break sort of and kind of relaxed my mind and realized that you have to have fun doing what you love,
(私は休養することにしました。それで、ちょっと心を休ませたんです。そしたら気づいたんです。「あなたはあなたが愛していることを楽しまなきゃいけない」って。)

For me, I love tennis. Sometimes I feel like I don’t, but I wake up every morning and if I don’t play, I feel like I kind of have done nothing during the day.
(私は、テニスを愛しています。そうは思えないこともあるけれど、でも朝起きて、もしテニスをしないと、なんだか、その日何もしていないように感じてしまうんです。)

大坂選手の率直な心境が語られています。僕はちょっと感動しました。

そして一番最後の部分。みたび現在完了。

テニスをしないと、その日何もしていないように感じられる、”その時”グッと心に迫ってくるような大坂選手のリアルな心境、臨場感が、この現在完了形からは感じられます。

現在完了形はグッと今に迫る感覚を伴う表現です。単なる過去形とは異なるニュアンスを感じられると、話者の心境に迫ることができると思います。

新世代のアスリートから学ぶこと

勢いとコーチの支えもあり二十歳の若さで一気に世界1位まで上り詰めた大坂選手。
周囲の環境が激変したということは容易に想像できます。

モチベーションを保つことも難しそうです。
そう考えると、トップアスリートにとっては最大の敵は自分なのかもしれません。
それでも、大坂選手の率直な言葉からは自分と向き合い乗り越えていこうという勇気が感じられました。
アスリートに限らず、迷い、壁にぶつかることは全ての人にあることです。
そんなときは、深呼吸をして、自分にとって本当に大切なことはなんなのかと自らと向き合う時間を持つことが大切なのだなと思いました。
時には大坂選手のように無理をせず休むことも必要でしょうね。

近年、様々な競技において、国の代表という意識に加え、一人の人間・個人として競技に打ち込む、そんなスタイルが新世代のアスリートからは感じられます。
最近でいうと、ゴルフの全英オープンでこれまた二十歳の渋野日向子選手がプレー中にも笑顔を見せ、最後まで自分らしさを貫いて優勝したことが印象的でした。
解説者はそんな渋野選手を「新人類」なんて評していました。
固定観念に縛られず、自分なりの価値観を見出して生きていくことがますます大切になるのだろうと思います。
新世代のアスリートに勇気を分けてもらいつつ、自分の持ち味を生かして互いによさを認め合える、そんな世の中を目指していければと思います。
それではまた!

(QQE 英語コラム)