2017.03.22
英語アドバイザーのトミーです。
今回は「冠詞のaとtheの使い分け」についてお伝えします。
日本語には冠詞という概念が無い為、私たちはaとtheの使い分けに苦戦します。
QQEnglishではライティング学習の為に学生全員に日記帳を配布していますが、学生が書いた日記の添削をしていると、多くの学生がaとtheを間違えて使っています。
aとtheの使い分けは、日本人の多くの英語学習方を悩ませるポイントですが、核となる用法は至ってシンプルなのです。
「a」「an」「the」の3つの単語を指し、名詞の前につく言葉です。
I’m going to buy a magazine.
I’m going to buy the magazine.
訳:私は雑誌を買うつもりです。
直訳すると、どちらも同じ訳となりますが、ネイティブは会話の中で自然と冠詞を使い分けます。
aとtheの違いは、ズバリ「特定」です。
a (an)は「特定していない1つのもの」を示す時に使用します。
theは「特定されていて、話し手と聞き手の間に共通認識があるもの」に使用します。
例えば、先ほどの2つの文章の場合、
I’m going to buy a magazine.
→どんな雑誌でもよく、「本屋に行って、何でもいいから雑誌を買おうかなぁ」という感じです。
I’m going to buy the magazine.
→特定された雑誌なので、例えば、「この前オススメしてもらったあの雑誌を買いに行こうかなぁ」というように、物・人・場所に具体的なイメージを与えます。
話し手と聞き手の間で共通認識になっている場合は、theを使うと説明しましたが、会話の中で共通認識となるケースはいくつかあります。そのなかでも代表的なtheを使うべき状況を3つにまとめました。
I have a car.
My father gave me the car.
2つ目の文章のcarは1つ目の文章のcarと同じものを指しているので、theをつけます。
もちろん3回目以降も同じものを指す場合は、theをつけます。
①と違って、事前に紹介されていない場合でも、お互いが常識的に特定できる場合は、theを使います。
例えば、Please open the door.やCan you turn on the air conditioner?
のように、その状況からお互いに共通のイメージができる場合はtheを使います。
物理的に1つしか存在しないものには、theが付きます。
例:the moon、the sun、the sky、the earthなど
もちろん「月」は私たちが共通認識して特定できるものですよね!
また、onlyやfirstなどが付く場合もtheを使います。
例:the only way, the first timeなど
aは単数形の名詞の前につくので「1つの」というイメージが強いですが、核となる意味は「特定していない1つのもの」で、theとは対照的です。
例えば、I have to go to the post office tomorrow.
の場合、具体的に聞き手がどこの郵便局かを分かっている状況を表しますが、
Is there a post office near here?
の場合は、「この辺りに(どこか)郵便局はありますか?」という意味になります。
また、“複数の中のどれでのいい1つ”という事なので、
I know a reason why she is angry at me.「彼女が怒っている理由を知っています」
だと彼女が怒っている理由は1つだけではなく、他にもある事が推測できます。
aとtheを間違えるとこんな勘違いが生まれてしまう事があります。
男性が女性のことを想いながら
I like the girl.
というと、特定した女の子なので、「その(あの)女の子が好きです。」
という淡い想いの意味になりますが、
I like a girl.
となると、“特定しない女の子そのもの”という意味になるので
「女の子だったら誰でも好きです。」
という少し恐ろしい意味合いになります。
このように、私たちが普段あまり意識せずに使っている冠詞は、実は名詞の意味合いを大きく変えていくのです。
今回はaとtheの基本的な使い分け方を紹介しました。
次回は、aとtheの使い分けの特殊なケースを紹介します。