2024.09.18
「円安だと留学費用が高くついてしまうと聞いた……諦めた方が良い?」
「今、皆はどうやって留学しているのかな」
留学に興味があるけれど長引く円安という状況では悩んでしまいますよね。
しかし、円安の今だからこそ人気の留学もあるんです。
今回は円安の仕組みから留学への影響、今人気の留学法などをご紹介します。
最後まで読めば、「こんな留学方法もあるんだ」と一歩踏み出す希望になるでしょう。
円安や円高とは何なのか、よく聞くワードですが正確に答えられるでしょうか。
簡単に言うと、円の他の通貨(ドルやユーロなど)に対する相対的な価値が高いか安いかということです。
例えば1ドルが100円の時と1ドルが120円の時では、1ドルが100円の時を「円高(=ドル安)」と表します。
1ドルを買うのに必要な円は少なくて済む、つまり円の価値が高いということです。
この比率は需要と供給による為替相場(為替レート)で決められ、常に変動しています。
円安も円高もそれぞれ一長一短がありますが、個人の目線で見ると円安はデメリットが多いかもしれません。
円安とは外貨に対して円の価値が下がっているということです。
例えば、日本企業が外国から1万ドル分の輸入をしたい場合で考えてみましょう。1ドルが100円なら100万円で済みますが、1ドルが120円なら120万円が必要となってしまいます。
円の価値が安いということは、海外からの輸入品が高くなるので原油や原材料の値上げが起きるということです。
多くを輸入に頼る日本では生活必需品の物価上昇に繋がります。
つまり円安が継続するということは一般市民には死活問題なわけです。2024年に入ってからも円安に歯止めが利かない歴史的状況が続いています。
主な円安要因はアメリカとの金利差拡大によるものですが、他にも複合的な理由が重なっており、数か月〜1年での短期回復は難しい見通しが強いのが現状です。
加えて労働賃金が上がらないこともあり、今は日本全体が苦しい状況といえます。
(参考:https://jpyforecast.com/usd-jpy)
現地の語学学校の費用や生活費は基本的に現地の通貨で支払います。
1ドルあたりの差は僅かであっても、何十万という大きな金額となればその差もかなり大きく出てきます。
例えば、アメリカ留学費用を1万ドルで考えた場合、1年で約17万円の差になり、1年半の間には約30万円の差にもなってしまいます。
支払いの時期で大きく金額が変わってしまうのです。
このように円安と世界的な物価高もあり、中には生活ができなくて帰国する羽目になった人も!
日本政府も、学生対象の派遣留学生への補助として、円安や急激な物価高騰による留学機会損失防止のために「留学準備金」増額支給を決定するほどです。
ここでは、留学費用の大部分となるであろう生活費と語学学校費用に分けて解説します。
毎日の食費や交通費など、長期留学になればなるほど影響は大きくなるでしょう。
このことから打開策としては、以下のものがあります。
ただ、あまりにも費用削減を気にしすぎると留学生活の楽しさが少なくなってしまうので気を付けましょう。
語学学校の費用は留学生活で大きな金額です。
削減しにくい部分ですが、語学学校によっては一定の条件を満たせば利用できる割引や、キャンペーンを行っているところがありますので、調べてみることをおすすめします。
例えば、半年以上の申込で〇〇%オフなどの長期割引や、今なら入学金免除などの期間限定割引です。
ここでは円安の今だからこその留学事情をお伝えします。
アメリカは昔から留学先の圧倒的人気ナンバーワンですが、円安の影響で他地域への留学が注目を集めています。
アメリカよりは費用が抑えやすい欧州や、渡航費や生活費が安価であるアジアが人気です。
島全体が観光地のマルタ島は留学先として近年人気です。
ヨーロッパ観光の拠点としても利用できる場所なので、学びながらリフレッシュも可能です。治安も比較的良好です。
日本から近く、気候や国民性も穏やかなフィリピンは近年注目が高い留学先です。
マンツーマン指導が多く、講師の質が高いことで知られており、コスパの高さは抜群です。
美しい海の近くでしっかり学べる環境があるので、老若男女に人気があります。
毎日の食事は自炊をするという人が大半で、高価な外食はほとんど利用しないのが現在の傾向です。
学校でのランチは家から持参するという人も。
留学先で働いて賃金を得るという手もあります。
代表的なのはワーキングホリデーでのアルバイトや、カナダのコープ留学などで有償インターンを行うことです。
職種によっては日本以上の高収入になることもあり、留学費用として補填することが可能です。
インターンであれば帰国後の実績アピール材料になり、一石二鳥といえるでしょう。
ハードルは高いかもしれませんが、返済不要の留学奨学金を利用することもできます。
自分が該当しないかまずは調べてみましょう。
語学留学の場合、数週間〜数か月の短期留学を選ぶことができます。
渡航費も安いアジア圏で短期留学をする人も増えており、コスパの良い方法として人気があります。
「短期だと意味ないんじゃない?」と心配されるかもしれませんが、短期でもしっかり準備をして望めば英語力アップは期待できます。
円安のニュースと共に話題になったワーキングホリデー(ワーホリ)について解説します。
ワーキングホリデーとは、現地で就労・就学・観光もできる自由度の高い海外渡航の方法のひとつです。
対象は日本国籍を有する18 歳〜30歳で、渡航先は現在29カ国の協定国があります。
人気のある国は、オーストラリアやカナダ、韓国などです。ちなみに留学で人気のアメリカは協定国ではありません。
歴史的な円安のニュースと共に報道されたのが「出稼ぎワーホリ」です。
渡航先で働いて稼ぐ目的でワーホリすることを指し、一種のトレンドになりました。
例えば、カフェスタッフで時給2,000円など、日本では考えられない程の高時給のアルバイトもあることが報道されて注目が集まったのです。
しかし、2023年後半頃からは様子が変わっています。
求人1名に対し50人の応募があるなど、あまりにも休職者が多いことから希望の職に就けなかったり、宿泊先が確保できない人が目立つようになったのです。
その結果、経済的に困窮し帰国せざるを得ない人も……。
(参考:NHKニュース 円安で留学費用に影響 ワーホリ人気すぎて仕事に就けないことも)
大勢の中から選ばれるには高い英語力やスキルが必要です。
雇う側になって想像してみましょう。やはり即戦力になる人に来て欲しいと思うのは世界共通なのです。
求人が少ない地域を渡航先に選ぶことも必要でしょうが、英語力は高い方が待遇の良い仕事は得やすいのは間違いありません。
一般的にレストランやカフェなどの接客業よりもオフィスワークの方が給与は高いですが、これももちろん高い英語力なしには勤まらないでしょう。
せっかくの留学時間をどれだけ有意義に使えるかは事前の準備が大切です。
留学の満足感も大きく変わるでしょう。
“何のための留学なのか”を明確にしましょう。
深く考えず、日本と同じように受け身で毎日を過ごしているとすぐに終了期限が来てしまうものです。
留学あるあるですが、「行ったら何とかなる、ペラペラになる」と考えるのはとても危険!
目的のために能動的に動き、具体的な成果を出すことが望ましいです。
日本にいる間に日常会話程度の英語力は身に着けておくのがおすすめです。
基本的な理解がある上で、現地でブラッシュアップするイメージが理想でしょう。
せっかくコストをかける留学時間ですから、全く英語が分からない状態で過ごすのはもったいないことです。
留学できる時期というのは、人生でも限られている人がほとんどです。
現地で過ごすことは語学向上だけでなく、海外生活や外国人との交流など大きな人生経験となるでしょう。
これが留学の醍醐味です。
「円安だから留学を諦める」ではなく、「ではどうすればできるのか」と意識を変えて準備をすることで、留学も実りのあるものになるでしょう。
円安をバネに一歩踏み出してみませんか。