2022.12.22
皆さんこんにちは、早いものでもう12月ですね。日々、一段と寒さが増していることと思いますが、どうぞご自愛のうえ、お過ごしください。 さて、前回の台湾編の続きについて書こうと思っていたのですが、英語力の世界ランキングに関する興味深い話ネタが入ってきましたので、予定を変更してお届けしますね。 今回が今年最後のブログ記事となるため、英語学習を継続するうえで、より学びに繋がる内容にしたいと思ったからです。 皆さんは、ここまで頑張って英語学習を続けてきたわけですが、英語に関心をもつようになると、世界各国ごとの英語能力にはどれだけの差があるのか、気になりませんか? 世界標準に比べて日本人の英語能力が格段と低いことは、マスメディアなどを通じてたびたび指摘されていることですが、実際のところは、どうなのでしょうか? 実は非英語圏に属する各国ごとの英語能力は毎年測定され、ランキング形式で公表されています。それが「EF EPI英語能力指数」です。 →https://www.efjapan.co.jp/epi/ このランキングは、海外留学や語学教育などの事業を展開するイー・エフ・エデュケーション・ファースト(EF)によって、毎年秋に公表されています。 どのようにしてランキングを決定しているのかと言えば、EF社がオンラインにて無料で実施している英語力測定テスト「EF SET」の成績に基づいています。各国ごとの受験データを元に、ランキングが決定されているわけですね。 ここで注意すべきは、「EF EPI英語能力指数」はあくまで自主的に受験を希望した人たちの成績を元に判断しているにすぎないため、各国ごとの国民全体の英語レベルを表しているわけではない、ということです。 それでも、ランキングというわかりやすい形式で毎年公表される「EF EPI英語能力指数」は、世界中から注目されています。
2022年度の結果は次の通りです。
https://www.efjapan.co.jp/epi/から引用非英語圏のなかで英語能力指数トップに立ったのはオランダです。その次にシンガポールが続いているものの、オーストリア・ノルウェー・デンマークなどのヨーロッパ、なかでもスカンジナビア系が上位を占めていることが、一目でわかります。 言語の歴史をたどっていくと、オランダ・オーストリア・デンマークなどの母国語は、ゲルマン語派に属します。英語も実はゲルマン語派のひとつです。 つまり、言語としての共通項が多いため、ゲルマン語派に属する言語を母国語としている人たちは、日本人に比べて楽々と英語をマスターできるわけです。 ヨーロッパから遠く離れたアジア各国の言語は、英語とかけ離れているため、マスターするにはそれなりの苦労を強いられます。 シンガポールに次いで、アジアで第2位にランクインしたのはフィリピンです。世界ランキングでは22位ですが、フィリピンは非ネイティブ圏のなかではトップグループにあたる英語力が「高い」に属しています。 このことから、フィリピンの英語力はアジアのなかではズバ抜けて高いことがわかります。 それにしても、こうしてランキングを眺めてみると、アジア勢が苦戦していることは明らかです。気になる日本の順位はといえば……。 下から数えた方が早い第80位です。お隣の韓国は第36位と、日本と比べるとかなり上位にランクインしています。 アジアではベトナムが第60位、中国が第62位、65位がネパール、66位にバングラデシュと続き、アジア圏のなかでも日本人の英語力が一段と劣っていることが見えてきます。 英語教育についても、日本よりも韓国をはじめとするアジア各国の方が熱心に取り組んでいる感は拭えません。 このランキングだけを見ていると、韓国人の方が日本人よりも高い英語力を身につけている人が多いように見受けられます。 でも、ちょっと待ってください。実際はといえば……。
あくまで私の経験の範囲内ですが、韓国に旅行や出張で行った際に韓国内で英語で話しかけても、通じないことが多いです。 また、私がフィリピン留学したときの経験からしても、韓国人の英語力が日本人と比べて際だって高いとは、とても言えない状況でした。 私が初めてフィリピン留学をした際は、韓国の人たちの英語力は相当高いに違いないと思っていました。ところが、実際に接してみると、案外そうでもないのです。 アジアのなかでも、日本人の英語力はひときわ劣ると思っていた私にとって、このことは驚きでした。 留学してみて感じたのは、こういったランキングほど、英語力にあまり差がないという事実です。 このことはなにもフィリピン留学だけにいえることではありません。欧米留学をした際にも、同じ印象を受けました。 欧米留学のビギナークラスには、どうしてもアジア人が固まる傾向があります。総じてアジア人の英語力は、それほどの差がないのだと実感できます。 ですから、「EF EPI英語能力指数」では日本人の英語力が他のアジア各国と比べて明らかに劣っていたとしても、劣等感をもつ必要はないと思っています。 アジア各国では、日本とは比較にならないほどエリート教育に力を注いでいます。経済的にも弱い国が多いため、国家政策として将来、自国の屋台骨を支えるエリートを優先して育てようと躍起になっているからです。 「EF EPI英語能力指数」を底上げしているのは、こうした各国のエリートたちだと推測できます。けして、その国の国民全体の英語力を表しているわけではありません。 →https://www.efjapan.co.jp/epi/about-epi/ 韓国にしても台湾にしても、英語力が高いのはエリートなど一部の人に限られています。一般の方々の英語力は、日本人とほぼ同じ程度にすぎません。
英語力を向上させようとする熱量に関しては、日本人よりも韓国人や中国人の方が上回っている印象を受けます。 そのことを端的に表すのは、アメリカの大学・大学院に在籍するアジア各国の学生数です。 データは少し古く、2015年〜2016年の統計になりますが、各国の留学状況がよく表れています。 ことに韓国と日本とを比べてみると、その差は歴然としています。日本の人口は韓国の2倍を超えるにもかかわらず、アメリカで学ぶ日本人留学生の数は、韓国の3分の1ほどにすぎません。 各国ごとの人口比と照らし合わせてみると、アメリカで積極的に学ぼうとする日本人留学生の数が圧倒的に少ないことは明らかです。 この差は当然ながら、各国の将来に確実に反映されます。アメリカで英語を学んだ学生が、5年、10年経つと、それぞれの就職先にてグローバル展開を担う人材へと成長するからです。 かつては高性能を旗印に世界を席巻した日本製品の多くが今、かつてほどの勢いを失っているのは、アジア各国とのグローバル競争に敗れたからです。 たとえばフィリピンでは、日本製品よりも韓国製品の方が圧倒的に多く見かけるようになりました。その背景にあるのはグローバル市場における営業力の差です。そして、言い方を変えれば、営業力の礎となっている英語力の差でもあります。 英語を自由に駆使することでグローバル市場を開拓する人材を、現在の日本企業の多くが渇望しているのは、そのためです。 このまま、世界との国際競争に負け続けるようでは、日本に明るい未来は待っていません。 このメルマガでも度々指摘しているように、人口減少が止まらず、国内市場を相手にするだけでは閉塞感を拭えない今、企業も個人も海外に活路を見出すよりありません。 もはや日本だけに閉じこもっていては、勝機をつかめません。これからは世界の市場を見据え、何事も世界基準で考えることが必然となります。そうしなければ、おそらく生き残ることはできないと思われます。 つまり、これからますます私たち日本人は、英語を話せないことがリスクになる、ということです。 しかしながら、これからの日本にまったく希望がないわけではありません。 他のアジア諸国と比べて、日本には安定した社会と平和な日常があります。私たち日本人が当たり前に享受している、この安定と平和は、私たちの父祖にあたる先人が残してくれたかけがいのない財産です。 そして、他のアジア諸国からすれば、喉から手が出るほどに望んでも、なかなか得られないものです。 安定と平和は、日本の国力を高めてくれました。今後の凋落(ちょうらく)が危惧されはするものの、曲がりなりにも現在の日本は世界第3位の経済大国です。その豊かさは、私が暮らすフィリピンから眺めれば、垂涎(すいぜん)の的です。 日本には、まだまだ時間が残されています。これから英語力を引き上げていくためのさまざまな施策を行う余裕は、十分にあります。それを成し遂げるだけの経済力も持ち合わせています。 今後の日本に大いに期待したいものです。 いずれにせよ今の私たちにできることは、近い将来、なくてはならないものになる英語力を、コツコツと伸ばしていくことです。 日々の努力の積み重ねが、やがては大きな実を結ぶことになるのですから! その手助けをするために、QQEnglishは存在します。現在の、そして今後におけるQQEnglishの任務は、とても重要だと、身を引き締める想いに満たされています。 今後も皆さんと共に成長できたならば、こんなにうれしいことはありません。 ご多忙のなか最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今年のブログ記事は、これで終わりになります。 この1年間、QQEnglishが皆さんの英語学習のお役に立てたことを大変うれしく思います。 来年も二人三脚で一緒に頑張っていきましょう。それでは、良いお年を!