2025.02.19
フィリピンに渡航する際に必要な電子登録システム「eTravel」について知っていますか?
登録は渡航前にオンラインで簡単に行える一方、手順や注意点を事前に理解しておくことが重要です。本記事では、eTravelの概要から登録手順、実際の使い方まで詳しく解説します。
フィリピン政府が運用する「eTravel」は、渡航者が事前に必要な情報を登録するオンラインシステムです。ここでは、登録対象者、手続きの流れ、注意点などを詳しく説明します。
eTravelは、フィリピン渡航に必要な情報をオンラインで事前に登録するシステムで、COVID-19対策から始まり、現在ではすべての渡航者に必須の手続きとなっています。
フィリピンへの渡航を予定している外国人、日本人、フィリピン人のほか、乗務員が対象となります。ただし、外交官や特殊なビザを持つ特定の渡航者は免除されます。
フィリピン到着予定日の72時間前から登録可能です。渡航直前の忙しい時間を避け、余裕をもって登録することが推奨されます。
登録は、公式Webサイトまたはスマートフォン用アプリ「eGovPH」から行うことができます。
頻繁に渡航する方はアプリが便利ですが、観光や短期滞在にはWebサイトが推奨されます。
詐欺サイトへの注意
eTravelの登録は無料で、クレジットカード情報を要求することはありません。料金を請求される詐欺サイトに注意し、公式サイトからの登録を心がけましょう。
公式サイトは、政府が運営する安全な登録プラットフォームです。
登録やシステムについての質問は、公式サイト内の問い合わせフォーム(https://etravel.gov.ph/contact)を通じて行えます。
eTravelの登録は、フィリピン渡航をスムーズにするための重要な手続きです。
正確な情報を入力し、登録を完了させることで、渡航時のトラブルを未然に防ぐことができます。
ここでは、必要な情報の準備から具体的な登録手順、さらによくある質問やトラブル対処法までを詳しく解説します。
登録に必要な情報と準備
eTravelをスムーズに登録するためには、必要な情報を事前に準備しておくことが重要です。以下に、登録時に必要な情報と準備すべきポイントを詳しく説明します。
パスポート番号、有効期限、発行国などの基本情報が必要です。これらは正確に入力しないと登録が無効になる可能性がありますので、手元にパスポートを用意して作業を進めましょう。
航空会社名、フライト番号、到着予定日時が求められます。
これらの情報はeTravelでの登録手続きの一環として入力する必要があるため、航空券の控えを事前に確認しておくと安心です。
ホテルやコンドミニアムなどの滞在先の住所を登録します。一時的な滞在先が未定の場合でも、予約済みの宿泊施設の住所を入力する必要があります。
電話番号やメールアドレスも求められる場合があります。正確に入力することで、登録完了通知やトラブル時の対応に役立ちます。
登録手続きはオンラインで行うため、安定したWi-Fi環境が必須です。特に、空港やカフェなど公共のWi-Fiを使用する際は、セキュリティにも注意してください。
登録プロセスは約5~10分で完了することが多いですが、慌てずに進めるためにも十分な時間を確保してください。
登録を始める前に、必要な書類や情報をすべて揃えておくことで、スムーズに登録手続きができます。
ポイント
eTravelの登録は無料ですが、公式サイト以外のリンクを利用すると不正な料金請求が発生する恐れがあります。必ず公式サイトを使用してください。
※登録画面の構成や順序は変更される場合があります。ただし、入力内容に大きな違いはありませんので、参考情報をもとに確認しながら進めてください。
登録は公式サイト(https://etravel.gov.ph)から始めます。以下の手順でアカウントを作成します。
1.メールアドレスを登録し、パスワードを設定。
2.登録したメールアドレスにワンタイムパスワードが届くので、それを入力して認証を完了。これでアカウント作成が完了します。
次に、基本情報を入力します。ここでは、名前や国籍、パスポート情報など、渡航者に関する情報を記入します。
2回目以降の登録では一部自動入力されることもありますが、必要に応じて再入力してください。以下が具体的な入力内容です。
1.Take a selfie or upload image(顔写真のアップロード)
顔写真を撮影するか、画像をアップロードします。
2.First Name(名)
下の名前を入力します。例)鈴木花子なら「Hanako」。
3.Last Name(姓)
名字を入力します。例)鈴木花子なら「Suzuki」。
4.Sex(性別)
男性は「Male」、女性は「Female」を選択します。
5.Citizenship(国籍)
国籍を入力します。日本国籍の場合、「Japan」と記入。JAPと入力すると候補が表示されます。
6.Country of Birth(出生国)
出生国を記入します。国籍が日本の場合は「Japan」で統一されます。
7.Mobile Number(電話番号)
国番号「+81」を入力した後、最初の0を省略して番号を記入します。例)0120-12-3456なら「+81 20-12-3456」。
8.Passport Number(パスポート番号)
パスポート右上に記載されている英数字(例:AB123456)を入力します。
9.Occupation(職業)
職業を選択します。会社員は「Worker/Labor」、学生は「Student/Minor」を選びます。
次に、現在の居住地に関する情報を入力します。住所は英語表記が必要となるため、以下の例を参考に記載してください。
1.Country(居住国)
現在住んでいる国を記入します。日本在住の場合、「Japan」と入力。JAPと入力すると候補が自動表示されます。
2.House No. and Street Name(番地と通り名)
日本の住所を英語表記に変換して記載します。
例:日本語表記
〒160-0023
東京都新宿区西新宿2丁目8番1号 新宿スクエアタワー111号室
例:英語表記
Shinjuku Square Tower #111,
2-8-1, Nishi-Shinjuku, Shinjuku-ku,
Tokyo, 160-0023, JAPAN
3.City/Town(市区町村)
例:Shinjuku-ku
4.Province/State(都道府県)
例:Tokyo
5.Postal Code(郵便番号)
例:160-0023
フィリピンでの旅行に関する情報を入力します。以下の手順に従って記入を進めてください。
1.New Travel Declaration(新しい旅程の登録)
「New Travel Declaration」を選択して新しい旅程を登録します。
2.Travel Details(旅行詳細)
「FOR ME」→「AIR」→「ARRIVAL」の順で選択してください。
FOR ME(自分の情報を登録):自分自身の旅行情報を登録します。
AIR(移動手段:航空機):航空機での移動を選択します。
ARRIVAL(到着):フィリピンへの到着情報を入力します。
eTravelの「旅行の目的や滞在先の入力画面」
このステップでは、フィリピンへの旅行目的や滞在先の詳細を入力します。留学の場合でも、入国時点では観光客として扱われるため、「旅行・観光」を選択することが推奨されています。
1.Purpose of Travel(旅行の目的)
旅行の目的として「Holiday/Pleasure/Vacation(休暇/観光)」を選びます。「Studies(留学)」を選ぶ必要はありません。
フィリピンでは、入国後に学生ビザを取得するため、入国時は観光客として扱われます。
2.Traveller Type(旅行者区分)
「Aircraft Passenger(航空機利用者)」を選択します。
3.Flight Information(フライト情報)
飛行機に関する情報を以下の項目で入力します。
Name of Airline(航空会社名): 例)Philippine Airlines
Flight Number(便名): 例)PR184
Country of Origin(出発国): 日本(JAPAN)を選択。 検索時に「JAP」と入力すると 簡単に選べます。
Airport of Origin(出発空港): 成田国際空港(Narita International Airport)など、具体的な出発空港を記入します。
Date of Departure(出発日): フィリピン到着の72時間前から登録可能です。それ以前の日付は入力できません。
Date of Return(帰国日): 最大滞在期間である30日以内の日付を入力します。
4.Destination(到着地情報)
到着地や滞在先について以下を入力します。
Airport of Destination(到着空港): 例)Mactan-Cebu International Airport(マクタン・セブ国際空港)
Date of Arrival(到着日): 実際の到着日を入力します。
Destination upon arrival in the Philippines(滞在先の種類):「Hotel/Resort(ホテル/リゾート)」を選択します。
留学の場合も入国時は観光客として登録する必要があります。
滞在先の住所: 滞在するホテルやリゾート名を入力します。入力欄にはホテル名や施設名を検索する機能があるため、候補を選択するだけで記入が完了する場合があります。
全て入力が完了したら「NEXT」を押して次のページに進みます。
このステップでは、30日以内に滞在した国や健康状態に関する情報を入力します。これにより、感染症拡大のリスクを抑えるための情報収集が行われます。
1.Addボタン(追加ボタン)を押す
30日以内に日本以外の国に滞在していた場合、その国をリストに追加します。滞在国がない場合はスキップ可能です。
2.「過去30日間に感染症患者との接触歴はありますか?」
質問に対し、「NO」を選択してください。この選択は健康状態に問題がないことを示します。
3.「過去30日間に病気にかかったことがありますか?」
質問に対し、「NO」を選択してください。 この項目も健康に関する申告の一部です。
最後に「NEXT」をクリックして次のステップへ進みます。
このステップでは、フィリピンへの持ち込み品や通貨に関する申告を行います。申告が必要な場合と不要な場合があるため、内容をよく確認してください。
1.「申告書の画面」へ進む
ページの冒頭では、税関申告の必要性や手順が説明されています。
2.「Do you have baggage or currency to declare?」
「申告する手荷物または通貨はありますか?」という質問が表示されます。
NOを選択することで、通常は次の画面へ進めます。
ただし、50,000ペソ以上の現金や高額商品を持ち込む場合は、申告が必要です。この場合、指示に従って正確に記入してください。
3.特殊な場合への対応
システムの仕様によっては、質問の中で1つだけ「YES」を選ぶ必要がある場合があります。この場合、問題がない項目を選択して進めてください。
4.申告内容の確認
必要な記入が終わったら、「NO」で画面を完了させ、次のステップに進みます。
注意点として、システムの更新による仕様変更が頻繁に行われることがあるため、最新の情報に従い対応してください。
eTravelの「同行する家族の情報の入力画面」
1.Other Travel Details(他の旅行者の情報)
Accompanied family members(同行する家族の人数)
Below 18 yrs. old(18歳以下の家族の人数を記入)
18 yrs. old and above(18歳以上の家族の人数を記入)
※単身で旅行する場合はいずれも「0」を入力します。いる場合は適切な人数を記入してください。
1.No. of Baggage(荷物の数)
Checked-in(預け入れ荷物の数)
Hand-carried(機内持ち込み荷物の数)
3.First time visiting the Philippines?(フィリピンを訪れるのは初めてですか?)
初めての場合は「Yes」を選択。
2回目以降の場合は「No」を選択してください。
同伴家族を「ゼロ」とした場合、確認画面が表示されることがあります。
「本当に1人で大丈夫ですか?」という内容の確認なので、1人で旅行する場合は「YES」または「Submit」をクリックして次に進みます。
署名欄にパスポートと同じサインを入力します。
マウスやトラックパッドを使用し、正確に記入してください。署名は登録の正式な完了に必要です。
最終画面にこれまで入力した情報が表示されます。内容に誤りがないか確認し、問題がなければ「Submit(提出)」ボタンをクリックして登録を完了します。
登録が完了すると、照会用のQRコードが画面に表示されます。このQRコードは必ずスマホに保存するか、スクリーンショットを撮っておきます。
同じQRコードが「Registration Completed」というタイトルのEメールでも送られてきますが、空港のWi-Fi環境が不安定な場合に備え、事前にオフラインで確認できるよう準備しておくことをおすすめします。
QRコードは空港で提示を求められる場合があります。
例えば、セブのマクタン空港では出口付近で提示する必要がありますが、ルールや手続きが頻繁に変更されるため、求められるタイミングが異なる可能性があります。
マニラで乗り継ぎをする場合、最初の入国地で提示するため、セブでは不要となることもあります。
QRコードが求められるかどうかはケースバイケースですが、事前に保存しておけば安心です。
eTravelの登録が完了した後も、QRコードの提示や空港での手続きなど、スムーズに入国するために知っておきたいポイントがあります。
ここでは、登録後の具体的な流れや注意点を解説します。
空港でQRコードを提示する手順や注意点
1.QRコードはスマホに保存するか、プリントアウトして持参します。
2.空港到着後、入国審査や税関手続きの際に提示を求められることがあります。
3.インターネット環境が不安定な場合に備え、紙媒体での準備もおすすめです。
特に、マニラやセブの主要空港では、場所やタイミングによって提示が求められるため注意が必要です。
QRコードが見つからない、または登録情報に不備がある場合
1.公式サイト(eTravel公式)にログインし、登録履歴から再度QRコードを取得できます。
2.空港で登録不備が指摘された場合は、現地のスタッフに状況を説明し、再登録や修正が可能な場合もあります。
3.英語での説明が難しい場合は、基本的なフレーズをあらかじめ準備しておくと安心です。
eTravel登録後の具体的な入国手続き
1.入国審査では、QRコードと共にパスポート、帰りの航空券の提示を求められることが一般的です。
2.荷物の受け取り後、税関でQRコードの提示を求められる場合があります。
3.滞在先の住所や目的を聞かれることがあるため、英語で簡単に説明できる準備をしておくと便利です。
eTravelは、フィリピン入国時に必要な情報を事前に登録する便利なオンラインシステムです。
簡単な手続きでQRコードを取得でき、空港での入国審査をスムーズに進めることができます。
また、登録内容の正確性やトラブル時の対応も重要なポイントです。この記事を参考に、登録手順や注意点を事前に把握し、安心してフィリピン旅行や留学を楽しんでください。