2024.09.20
海外留学を目指すなら、IELTSの取得は非常に重要です。
特に、イギリスやオーストラリアなどの国々では、多くの大学の入学条件としてIELTSスコアが要求されています。
例えば、イギリスの大学では最低でも6.0〜7.0のスコアが必要とされることが多く、アメリカの難関大学では7.0以上が求められることもあるのです。
しかし、IELTSの認知度は日本では低いため「どんな英語試験なの?」「何点を目指せばいいの?」などの多くの疑問があると思います。
この記事では、国・大学別に必要なIELTSスコアを徹底解説するので、最適な選択をしましょう。
まずは、IELTSの試験概要について確認していきます。
IELTS(International English Language Testing System)は、イギリス英語圏を中心に世界140カ国以上で認められており、年間350万人以上が受験する国際的な試験です。
特に、国際的な認知度が高いため、海外での活動を目指す人にとって重要な資格となっています。
一方で、日本で一般的なTOEICや英検は国際的な認知度が高くないため、海外でのアピールには限界があります。どちらの試験も一長一短があるため、個々の目的に応じて最適な試験を選ぶことが大切です。
試験は英語4技能を測定するため、以下のような形式となっています。
試験時間は約2時間45分です。スコアは0〜9のバンドスコアで評価され、0.5刻みで表示されます。多くの大学では、留学生に対して6.5〜7.0以上のスコアを要求するのが一般的です。
では、その他の英語資格とはどのような違いがあるのでしょうか。次で解説します。
IELTSは、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの英語4技能をバランスよく測定する資格試験です。
特にスピーキング能力を評価できる点で、実践的な英語力の証明として高い評価を受けています。
そのため、海外大学への進学や海外移住、外資系企業への転職を考える方に人気です。
では、その他の人気英語資格との違いについて一覧表で確認してみましょう。
IELTS |
TOEFL |
TOEIC |
|
試験の目的 |
イギリスを中心とした欧米諸国への留学や移住のための英語能の証明 |
アメリカを中心とした欧米諸国への留学や移住のための英語能の証明 |
日本におけるビジネスの現場で使える英語力の証明 |
英語のアクセント |
イギリス英語 |
アメリカ英語 |
アメリカ英語がメイン(イギリス・オーストラリア英語なども一部ある) |
テスト形式 |
・英語4技能を測定 ・スピーキングテストは対面 |
・英語4技能を測定 ・スピーキングテストは録音式 |
・英語2技能を測定 ・スピーキングやライティングテストはない |
日本での認知度 |
△ |
△ |
◯ |
世界での認知度 |
◯ |
◯ |
△ |
このように、各テストにそれぞれの特徴があるため、自分の目的に合わせて最適な英語試験を選ぶ必要があります。
英語圏へ留学したいという方は、IELTSやTOEFLを取得することをおすすめします。なかでも、イギリス英語を中心に学びたい方はIELTSを、アメリカ英語を学びたい方はTOEFLがおすすめです。
ここからは、国別・大学別で求められるIELTSスコアについて解説します。
留学したい国によってはIELTSよりもTOEFLの方が入学条件が緩い・厳しいなどの違いがあるため、事前に調べられる情報は正しくキャッチしておきましょう。
現在、イギリスのすべての大学および大学院でIELTSは採用されています。
IELTSはイギリス圏で最も著名な英語資格のひとつのため、イギリス留学を目指す人には有用な資格です。
では、大学入学に必要な条件としてはIELTSのスコアはどれくらい必要なのでしょうか。
大学や学部にもよりますが、ほとんどの大学では6.0点〜が最低ラインです。
IELTSは2019年にイギリスの大学が要求するIELTSスコアが発表されており、世界的に有名な大学であるオックスフォード大学やケンブリッジ大学では7.0〜7.5が求められることがわかっています。
>>世界トップ200に選ばれた英国の大学が要求するIELTSスコア(2019年)
近年ではアメリカでもIELTSのスコアを認めている大学が増えています。
「アメリカ=TOEFL」ではないため、 TOEFLで高いスコアを取れない人はIELTSのスコアをアメリカの大学入学に適用するのも一つの手でしょう。
必要なスコアの最低ラインはイギリス同様、6,0〜6.5が一般的です。ただし、ハーバード大学やマサチューセッツ大学などの難関大学では7.0〜の高得点が要求されます。
アメリカのその他の大学の必要スコアについても知りたい方は、IELTSの公式サイトをご覧ください。
参考:世界トップ200に選ばれた英国の大学が要求するIELTSスコア(2019年)
オーストラリアはイギリスに統治されていたという歴史的背景もあり、イギリス英語に近い発音が残っているのが特徴です。
そのためIELTSを入学条件にしている大学も多くあります。オーストラリアの大学へ留学するには6.0〜6.5のスコアを保持していれば、ほとんどの大学の入学条件をクリアできるでしょう。
参考:世界トップ200に選ばれたオーストラリアの大学が要求するIELTSスコア(2019年)
カナダは日本の教育システムとは違い、カレッジ(専門学校)と大学の2種類があります。
一般的に高校卒業後にカレッジへ入学し、大学へと進学します。
日本人が留学生としてカナダの私立カレッジへ進学するにはIELTS5.5〜、公立カレッジおよび大学入学の場合は6.0〜6.5ほどのスコアが必要になるでしょう。有名大学や大学院への進学を希望する場合は7.0〜のスコアが要求されます。
参考:世界トップ200に選ばれたカナダの大学が要求するIELTSスコア(2019年)
最後に、IELTSに関するよくある質問について解説します。IELTSを海外留学に使う予定のある方はぜひ最後までご覧ください。
結論として、IELTSは英語中級から上級レベルの英語力を求められる難易度の高い試験です。合格・不合格といった判定ではなく、全員に測定された英語力が「0〜9.0」の間で与えられます。
一般的に大学や企業が要求するIELTSスコアの最低ラインは「6.0〜」であり、それを達成するには、中級レベルの英語力が必要です。日本人受験者の平均スコアは約5.8で、これは英検準1級やTOEIC 740-820点に相当します。
このことからも、IELTSの難しさはよくわかると思います。TOEICなどとは違い、英語4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)全てをバランスよく鍛える必要がある点なども考慮すると、難関英語試験だと言えるでしょう。
でも、ご安心ください。IELTS6.0〜6.5は、オンライン英会話でスピーキング練習を積みながら、IELTSの参考書を進めることで、留学経験なしでも十分に取得可能なスコアです。
海外留学をする際に「TOEFLとIELTSのどちらを取得するべきか?」という問いは、留学する国や入学する大学、一人ひとりの留学目的によって異なってきます。
TOEFLのメリットは、アメリカの大学で広く認められていることです。また、コンピューターベースのテストなので、対面のスピーキングが苦手な人におすすめです。その一方で、試験時間が長く、画面に一人で話し続ける必要がある点はデメリットとも言えるでしょう。
IELTSは、イギリス、オーストラリア、カナダなどの国々で人気がある英語試験です。対面式のスピーキングテストがあり、様々な英語のアクセントに対応しているのが特徴です。
ただし、手書きの試験のため、タイピングに慣れている人やスペリングが苦手な方には不利かもしれません。
どちらの試験にも特色があるため、最終的には留学先の大学の要件や個人の得意・不得意を鑑みて、受験する試験を選びましょう。
海外大学への留学を考えている方は、IELTSなどの語学力証明に加えて、以下のものが求められます。
まずは、学業成績です。日本の高校や大学での成績を確認されることがあるため、準備しておきましょう。特にアメリカの大学ではGPA (Grade Point Average)と呼ばれる成績証明を求められるケースが多いです。
また、留学出願時には以下のような必要書類を提出する必要があるでしょう。
アメリカやイギリス、カナダへ留学する際には、留学費用を支払う能力があることを事前に証明するために「財政能力証明書(預金残高証明書)」が必要になります。
国によっても必要な書類の数は変わることには予め注意しておきましょう。
さらに、長期の留学を検討している場合は一定の資金力が必要になります。正規留学では1年あたり約200〜500万円の費用がかかるため、証明義務がなくても「最悪の場合には自力で日本に帰って来られる」くらいの資金力を確保することをおすすめします。
これらの条件については、各大学によっても微妙に異なります。各大学の募集要項に必要書類について言及されているので、各自で確認するようにしましょう。
今回は、IELTSが留学に使えるスコアの目安について解説しました。
IELTSはイギリスやオーストラリアなどの大学進学に有利となる英語資格です。ただし、日本人の平均点は大学進学の最低ラインとなるIELTS6.0に満たないため、決して簡単な資格ではありません。
しかし、6,0を超えていることで得られるメリットもたくさんあるため、海外留学を目指す方にはぜひチャレンジしていただきたい英語資格となっています。