2025.01.29
英語が好きな方であれば、一度は海外で働くことを考えたことがあると思います。
外国の魅力的な文化や風土に一度は触れてみたいですよね?
しかしネックとなるのが英語力…。自身のスキルに自信が持てずに諦めてしまう方も少なくありません。
結論から言えば、そこまで英語を流暢に話せなくても海外で働くことは可能です。
ただし、英語力があればあるほど挑戦できる職種が広がり、多種多様な経験を得られるのは事実です。
そこで本記事では、海外で働くにあたってどのくらいの英語力が必要なのかを具体的に説明していきます。
これから海外で働きたいと思っている方も、将来的に仕事で英語を使う可能性がある方も、ぜひ一読してくださいませ。
諸外国で働くにあたって、まずはTOEIC(トーイック)やTOEFL iBT(トーフル)、英検(実用英語技能検定)など、英語スキルを客観的に測定することができるテストを受験してみましょう!
自分がどのくらいの英語運用力を持っているのかを確かめることで、チャレンジできそうな職種が明らかとなり、これからの目標を設定することができます。
海外では特に「リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング」の4技能すべてが求められるため、受験する場合は一度にそれぞれの能力を確認できるTOEFL iBTをオススメします。
ただし、費用も時間もかかるため、まずはどんな職業に就きたいのか自己分析をすると良いでしょう!
海外で腰を据えて長く働くためにキャリアを積みたい方もいれば、中期的にアルバイトをしながらその土地の生活を楽しみたい方もいるはずです。
英語力を確認する際に、外国語の4技能である「読む・聞く・書く・話す」を6段階で評価するCEFR(セファール)と呼ばれる指標があります。
『C2』が最も熟練したレベルで『A1』が初歩的なレベルとなっています。以下、CEFRをレベル別に示した図を引用しているのでご参照ください!
(文部科学省.「各資格・検定試験とCEFRとの対照表(付属資料①)」2025/01/09閲覧)
日本国内において身近に受けられるテストとCEFRの対応表を作成しました。受験の結果を経てどの程度の力があるのか確認してみると良いでしょう。
ちなみに最も運用レベルの高い『C2』を測定するにはCEFRに完全準拠している「ケンブリッジ英語検定」を受験する必要があります。
CEFR | 英検 | TOEIC(L&RにS&Wの2.5倍のスコアをプラスして算出) | TOEFL iBT |
C2 | 未対応 | 未対応 | 未対応 |
C1 | 1級 | 1845-1990 | 95-120 |
B2 | 準1級-1級 | 1560-1840 | 72-94 |
B1 | 2級-準1級 | 1150-1555 | 42-71 |
A2 | 準2級-2級 | 625-1145 | 未対応 |
A1 | 3級-準2級 | 320-620 | 未対応 |
※文部科学省による「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」を参考に作成(2025/01/09閲覧)
実際に受験したテストのスコアがあれば、こちらの表を参考に自身のレベルを確かめてみてください。次項では、それぞれのレベルによってオススメする職種をご紹介していきます。
日本においてもIT系や教育系、サービス系など様々な職種があるように、英語圏にも多岐に渡る仕事があります。そして職種が求めるスキルもさまざま 。
つまり、自身の英語力によってどのような仕事に従事できるのか選択肢が決まってくるわけです。もちろん英語力が高ければ高いほど、選択肢は広がります。
CEFR『A1』において「よく使われる日常表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる」とあるように、海外で働くにあたって英語を全く話せなくて良いというわけではありません。
たどたどしくも簡単なフレーズを用いて日常生活を過ごすことができる程度の英語力は必要です。
なぜなら海外で働く以前に入国審査や入居の手続き、労働契約の確認など、暮らすための様々な手続きをしなければならないからです。
特に契約に関することは、きちんと主張ができなければ足元を見られる可能性があるので気を付けましょう。
そして以下に記した職種であれば、初歩的な英語力でもそつなくこなすことができるでしょう。
・日本人向けのツアーガイドやコールセンター(Tour Guide or Call Center for Japanese) ・日本語学校の教師(Japanese Teacher) ・料理人(Chef) ・レストランスタッフ ・ホテルスタッフ(Restaurant Staff of Hotel Staff) ・コンビニスタッフ(Store Clerk) ・清掃員(Janitor) ・農家(Farmer) ・システムエンジニア(System Engineer) |
これら職種は英語を使って専門的なやり取りが少なく、対応がマニュアル化されていることが多いです。つまりルールとフレーズさえ覚えれば業務をこなすことができます。
特に世界共通のプログラミング言語を用いるITエンジニアは、日本で培ったスキルをそのまま活かすことができるため、転職というカタチで海外で働くことが可能です。
また、料理人や農家はこれまでの専門的な経験を踏まえて優遇されることもあるでしょう。
続いて、英語運用力が高い方にとっては以下の職種をオススメできます。
・通訳者(Interpreter) ・翻訳者(Translator) ・記者(Journalist) ・フライトアテンダント(Flight Attendant) ・営業職(Sales) |
通訳や翻訳、記事執筆は言語に対して深い理解を必要とし、読み手や聞き手にとってストレスのない英語を使わなければなりません。
またCAや営業職に関しても、お客様や顧客とコミュニケーションを取る機会が多いため、礼節や言葉選びに精通している必要があります。
つまりネイティヴ、もしくはそれ以上の言語運用力を求められます。
ちなみに航空会社によっては日本語を話せるフライトアテンダントの中途採用を行っているところがあります。
日本人旅行客向けの航空機で活躍できるでしょう。とはいえ機内では英語がスタンダードなため、乗客と滞りのないコミュニケーションを図るためのビジネス英語力が必要になってきます。
英語をマスターしている方は、以下のような職業にチャレンジできるでしょう。
・国連職員(UN Staff) ・医師(Doctor) |
国連スタッフは国際的な平和と安全の維持を行うため、常に中立の立場で物事を考えなければなりません。
特に国同士のやり取りをはじめとする大事な場面では一言一句が将来を左右することも……。英語力だけでなく人間力も問われる職業です。
続いて医療業界は予測できない事態に見舞われることが多く、常に臨機応変な対応が求められます。
咄嗟の判断に加え迅速な指示が必要なことを踏まえると、英語スキルが高くなければ業務をこなすことが難しいでしょう。考えなくても英語を話せる瞬発力を身につけておかなければなりません。
日々のスキマ時間を活用して、とにかく英語に少しでも多く触れることが大切です。
まずは自身のCEFRを確かめて、そこから分かる苦手分野を克服してみてはいかがでしょうか?
特に学校教育ではスピーキングとリスニングに充てられる時間が少ない傾向にあるので、通勤中にシャドーイングをしたり、オンライン英会話教室で自身の思いを表現したり、実際にアウトプットをしながら英語力を高めていきましょう。
また、英字新聞やSNSなどを読んだり、英語話者が配信しているYouTubeを観たりなど、生の英語に触れることも大切です。
継続していくとだんだんと英語力がUPしてくるはずです。
初対面のシーンでは日本語であってもあまり話せない方も多いはず…。
それは英語力以前に、コミュニケーション能力が足りていないことが原因です。
そのため、身なりを整えて第一印象を良くし、相手の緊張感に動じないためにも効果的な『アイスブレイク』を行いましょう。
緊張感がほぐれ、ありのままの自分を表現できるようになってきます。
ビジネスシーンでよく言われる『木戸に立てかけし衣食住』をご存知でしょうか?
き:季節 ど:道楽(趣味) に:ニュース た:旅 て:天気 か:家庭 け:健康 し:仕事 衣:衣服 食:食べ物 住:住まい |
初対面時では、これらのトピックをヒントにして質問を投げかけると良いです。
その際、相手の身なりや雰囲気から理由を探って質問を設定してみましょう。
例えば目立つ時計をしているのであれば「その時計素敵ですね。どこで購入しましたか?」、肌が綺麗であれば「肌がおキレイですね。何か秘訣でもありますか?」のような質問がベターです。
優先すべきは相手が話したいトピックです。無理やり自分が話したいトピックにもっていこうとすることは避けましょう。
実際のところ、CEFRが『A1』に満たなくても海外で働いている方はいます。
もちろん英語を話せるとは言い難いですが、英語の環境に身を置くことで危機感を抱き、生活のために勉強を始め自然とスキルが高められていっています。
ぜひみなさまも毎日英語に触れられる環境を作って、ブラッシュアップをしてください!
あなたの英語ライフが有意義なものになるよう陰ながら応援しています。