2025.02.05
海外で就職すると聞くと「ハードルが高そう」「英語力に自信がない」と感じるのは、情報不足が原因かもしれません。
実際に海外で生活している日本人は100万人を超えており、企業が求めるスキルや経験があれば、海外就職も十分可能です。
本記事では、イギリス現地企業に3年間勤めた筆者が、海外で就職するために役立つ情報をお届けします。
ビザは滞在許可証と呼ばれ、海外へ移住する前の取得が一般的です。ここでは、就労が許可されているビザについて解説します。
就労ビザは海外で働ける滞在許可証のひとつです。
ビザの取得は、企業からのスポンサーシップが必要なため、雇用先が決まってから手続きします。日本から就労ビザを取得する方法は主に2つです。
駐在員は、海外の支店に派遣される社員のことを指します。給与や福利厚生が充実しており、海外でも高水準な生活が保証されています。
一方で、滞在期間や出向先が企業の都合に左右されるため、海外移住を目的とする場合には不向きです。
現地企業に雇用されると就労ビザを取得でき、長期滞在や永住も目指せます。
ただし、現地採用は難易度が高いところがデメリット。英語力はもちろん、企業に貢献できるスキルや実績が求められます。
また、転職するには新たな雇用先からスポンサーシップを取得する必要があります。
18歳から30歳を対象としたビザで就労可能です。語学学校やアルバイトを通じて異文化を体験しながら就職につなげるチャンスがあります。
ただし、滞在期間は1〜2年と限定的で、現地就職を目指す場合は早めの行動がカギ。ビザの残存期間も雇用主にとって選考のポイントとなります。
ワーホリビザから就労ビザへ切り替える例もあり、筆者はこのビザを活用し、イギリス企業での就職を実現しました。
年齢制限がなく30歳以上でも取得可能なビザ。専門スキルを学びながら就労経験を積めます。カナダで取得可能です。
関連記事:カナダのCoop留学【完全ガイド】学びながら働ける!?費用も解説
フリーランスとして働きながら海外に長期間滞在できるビザ。一定以上の収入証明が取得条件となります。
起業家向けのビザ。革新的なビジネスプランを提示し、政府が定める条件を満たす必要があるため、取得の難易度は高いです。
海外で就職するには、英文履歴書(Resume / CV)の作成が必要です。日本の履歴書と異なる点に注意しましょう。
英文履歴書には決まったフォーマットがなく、日本のように写真の添付や生年月日の記載は不要です。この自由度を活かし、スキルや職歴を十分にアピールできる履歴書を作成しましょう。
職歴とスキルが特に重要です。現地の人材よりも採用コストがかかるため、雇用先は即戦力を求めます。実績をもとに企業が求めるスキルセットをアピールしましょう。
ワードやグーグルドキュメントでデータを作成し、定期的に更新しましょう。
多くの海外企業では、CEFRのB2レベルが求められることが一般的です。CEFRとは言語能力を評価する国際的な指標です。
具体的には以下のような英語力が求められます。
”抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。”
引用元:BRITISH COUNCIL – CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)
TOEICや英検が日本では評価されますが、海外企業ではIELTSやTOEFLが英語力の証明として一般的です。
この2つの試験は、リスニングとリーディングのみならず、ライティングやスピーキングも評価基準に含みます。
B2レベルに相当する試験スコアは以下のとおりです。
IELTS | 5.5〜6.5 |
TOEFL | 72〜94 |
TOEIC | 750〜850 |
実用英語技能検定(英検) | 準1級 |
求人情報をみると、企業が求める人材を把握できます。自分の職歴やスキルに適したポジションがないか探してみましょう。
近年では応募から面接までオンラインで完結する企業も多く、日本からでも海外への就職活動が可能です。ここでは筆者も実際に利用したサイトやサービスをご紹介します。
海外の就職先を探すには、以下のような求人サイトが利用できます。
サイトのフォームから応募可能です。オンライン面接する企業も増えており、スキルが見合っていると、面接につながるチャンスがあります。
履歴書が作成できたら積極的に応募を始めましょう。
転職エージェントは、企業と求職者をつなぐサービスです。海外でも以下のような日系のエージェントが利用できます。
日本人担当者がスキルや経験に合った現地の求人を紹介してくれるため、効率的に就職活動を進められます。
ビザを取得する難易度や生活環境、治安など条件はそれぞれ国ごとに異なります。ここでは日本人の移住先として人気の国や地域の特徴を紹介します。
ニューヨークなどの大都市を有するアメリカは、移住する日本人が最も多い国です。しかし、就労ビザの取得難易度が高く、専門スキルや高い英語力が必要です。
ワーキングホリデー制度は利用できないため、駐在員としての派遣や現地の大学を卒業して就職を目指すのが一般的です。
イギリスやドイツなど、経済が豊かな国が人気です。求人も多く、筆者のようにワーキングホリデー制度を利用して渡航後に就職するケースもあります。
ただし、ヨーロッパは英語以外の公用語が使われる国があるため、第3言語の習得が求められる点に注意が必要です。
アジア各国は日本から距離的に近く、食文化も合いやすい。特にシンガポールは英語が公用語で言語のハードルが低く、求人も豊富なため人気があります。
オーストラリアはワーキングホリデー制度が利用でき、多くの日本人にとって人気の移住先です。公用語が英語で産業も発達しているため、求人を見つけやすい。広い国土と自然豊かな点が魅力です。
カナダはワーキングホリデー制度が利用可能で、公用語も英語です。さらに、現地でスキルを学びながら働けるCoopビザなど独自の制度もあり、日本人にとって移住しやすい国の一つです。
企業が求めるスキルを備えて十分に対策すれば、海外就職も夢ではありません。以下のステップを参考に今日から一歩踏み出してみましょう。