2024.10.24
日本人が語学留学を検討する際、「マルタ共和国」は候補の一つに挙げられるでしょう。
マルタは南ヨーロッパに位置する島国で、イタリア・シチリア島の南に位置しています。
英語とマルタ語が公用語であり、また他のヨーロッパ諸国よりも留学費用を安く抑えることができるため、魅力的な留学先候補の一つと言えるでしょう。
本記事では、マルタ留学のメリットとデメリットを、マルタと同じく公用語が英語であり、かつ留学費用が安いフィリピンと比較しながらご紹介します。
マルタへの留学を検討している人は、ぜひ最後までお読みください!
まずはマルタ留学のメリットをご紹介します。
マルタに留学する大きなメリットの一つは、多様な国籍の留学生と交流できることです。
一般社団法人 海外留学協議会(JAOS)の調査によると、2023年にマルタに留学した日本人留学生数は1251人であり、全体のわずか1.9%です。
マルタは南ヨーロッパに位置し、欧州連合(EU)にも加盟しているため、ヨーロッパ諸国からの留学生も多く集まります。
多様な国籍の留学生と交流することで、さまざまな英語の発音やアクセントに触れることができるだけでなく、文化の違いを理解することにも繋がります。
これに対しフィリピン留学の場合、留学生の多くは韓国や台湾、ベトナムなどのアジア人であり、マルタ留学ほどの多様性はありません。
また日本からの留学生も多く、フィリピンへの日本人留学生数はマルタ留学の約5倍です。
参考までに、主要留学先への日本からの留学生数は以下の通りです。
国(地域名) |
留学生数(人) |
構成比(%) |
マルタ |
1,251 |
1.9 |
アメリカ |
14,482 |
21.9 |
オーストラリア |
12,622 |
19.1 |
カナダ |
9,586 |
14.5 |
イギリス |
6,915 |
10.5 |
フィリピン |
6,296 |
9.5 |
(出典:一般社団法人 海外留学協議会(JAOS)「日本人留学生数調査 2023」)
留学費用の安さも、マルタに留学するメリットの一つです。
マルタ留学は留学費用が比較的安いことで知られており、実際に他の欧米諸国への留学費用と比べると、安価で留学することができます。
マルタ留学と他の国への留学にかかる費用は以下の通りです。
1ヶ月 |
3ヶ月 |
6ヶ月 |
|
マルタ |
30~40万円 |
60~90万円 |
100~180万円 |
アメリカ |
40~60万円 |
80~150万円 |
150~270万円 |
オーストラリア |
40~60万円 |
80~150万円 |
150~270万円 |
カナダ |
40~60万円 |
80~150万円 |
150~270万円 |
イギリス |
40~60万円 |
60~150万円 |
150~270万円 |
フィリピン |
20~30万円 |
50~80万円 |
90~150万円 |
上記の表の通り、マルタの留学費用は欧米諸国よりも安いです。
フィリピンの留学費用よりは高いものの、ヨーロッパの国であることを踏まえると十分安いと言えるでしょう。
マルタの気温は日本の気温と近く、過ごしやすく感じる日本人留学生も多いでしょう。
Weather Sparkによると、マルタの月別平均最高・最低気温は以下の通りです。
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
|
最高 |
15℃ |
15℃ |
17℃ |
19℃ |
23℃ |
27℃ |
30℃ |
30℃ |
27℃ |
24℃ |
20℃ |
17℃ |
最低 |
10℃ |
10℃ |
11℃ |
13℃ |
16℃ |
20℃ |
22℃ |
23℃ |
21℃ |
18℃ |
15℃ |
12℃ |
東京の月別平均最高・最低気温は以下の通りです。
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
|
最高 |
9℃ |
10℃ |
13℃ |
18℃ |
22℃ |
25℃ |
29℃ |
30℃ |
26℃ |
21℃ |
16℃ |
12℃ |
最低 |
3℃ |
3℃ |
6℃ |
11℃ |
16℃ |
20℃ |
23℃ |
24℃ |
21℃ |
15℃ |
10℃ |
5℃ |
マルタと東京の気温を比較すると、6月~9月の気温は同程度ですが、その他の月ではマルタの方が少し温かい気温になっています。
マルタの最低気温は1月・2月の10℃であり、同期間に3℃まで下がる東京よりは過ごしやすいと言えるでしょう。
フィリピンの首都・マニラとも比較してみましょう。
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
|
最高 |
30℃ |
31℃ |
32℃ |
34℃ |
34℃ |
32℃ |
31℃ |
31℃ |
31℃ |
31℃ |
31℃ |
30℃ |
最低 |
23℃ |
24℃ |
25℃ |
26℃ |
27℃ |
26℃ |
26℃ |
25℃ |
25℃ |
25℃ |
25℃ |
24℃ |
フィリピンの気温は全体的にマルタよりも高く、少し暑く感じるかもしれません。
気温の関係性は「東京<マルタ<フィリピン」となっており、マルタの気温は住みやすく丁度よいと言えるでしょう。
次にマルタ留学のデメリットをご紹介します。
マルタ留学では、英語の訛りが気になる可能性があります。
まず、マルタの公用語は英語とマルタ語であるため、現地ではマルタ語のアクセントで英語を話す人が多いです。
また、マルタには多様な国籍の留学生が集まっているため、母国語訛りの英語を話す留学生も多いです。
したがって、アメリカ英語やイギリス英語のネイティブ発音を習得したい留学生にとっては、英語の訛りはデメリットの一つと言えるでしょう。
これに対し、フィリピンの英語力は非常に高く、かつ訛りも少なく聞き取りやすいと言われています。
フィリピンでは幼少期から英語教育が実施されているため、多くの人が流暢に英語を話すことができます。
実際、EF(Education First)が公表している「英語能力指数ランキング(2023年版)」では第20位(アジアでは第2位)にランクインしています。
2024年10月現在、日本からマルタへの直行便はなく、マルタへ行くには中東かヨーロッパで乗り換えが必要になります。
アメリカやイギリス、フィリピン、オーストラリアなどの主要留学先には直行便で移動することができるため、マルタ留学は他の主要留学先よりもフライト時間が長くなります。
主要留学先へのフライト時間(成田・羽田発)は以下の通りです。
国(地域名) |
フライト時間 |
マルタ |
18~22時間 |
アメリカ |
10時間(ロサンゼルス)、2時間45分(ニューヨーク) |
オーストラリア |
9時間45分(シドニー) |
カナダ |
8時間半(バンクーバー)、12時間(トロント) |
イギリス |
12時間半 |
フィリピン |
4時間半 |
(参考:LOCALTIME.JP「日本から海外の都市まで飛行時間・所要時間」)
上記の表の通り、マルタへのフライト時間は他の主要留学先よりも長く、同じヨーロッパのイギリスの約1.5倍、日本からのアクセスが良いフィリピンの約4~5倍かかります。
ここでは、これまで紹介したマルタ留学のメリット・デメリットをフィリピン留学と比較して解説します。
マルタ |
フィリピン |
|
留学生の国籍 |
ヨーロッパを中心に各国から留学生が集まり、日本人留学生は少ない。 |
アジアからの留学生が多く、日本人留学生も多い。 |
留学費用 |
1ヶ月:30~40万円 |
1ヶ月:20~30万円 |
気温 |
日本に似た過ごしやすい気温 |
一年中暖かい |
フライト時間 |
18~22時間 |
4時間半 |
留学費用はマルタの方が少し高くなる傾向がありますが、本記事でも紹介した通り、その他留学先と比べれば安い水準です。
気温はどちらも過ごしやすく、特別用心することはないでしょう。
マルタ留学はフライト時間が長く、フィリピン留学の約4~5倍かかります。
マルタ留学・フィリピン留学にはどちらも特徴があり、どちらを選ぶかは留学の目的や留学生の好みによって異なります。
ここまでマルタ留学のメリット・デメリットをフィリピン留学と比較して紹介してきましたが、留学前に英会話を学習することで留学生活の充実度は変わってきます。
ぜひ本記事を参考にしながら留学先を選んでください。