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フィリピン留学

2023.11.14

フィリピンで英語は通じるの?フィリピンの英語事情を解説

フィリピンを観光する際にまず気になるのが「どれだけ英語が通じるのか」という点です。

現地のリゾート、レジャー施設で英語が通じなかったら不安になってしまいますよね。

フィリピンは英語を話せる人が多い国という情報を目にすることがありますが、果たしてどれほど英語が通じるのか気になる方もいらっしゃると思います。

そこで本記事では、
・フィリピンの英語事情
・実際にフィリピンの街中ではどれくらい英語が通じるのか
・英語にちなんだ産業

について紹介します。

QQEnglish編集部
執筆者

QQEnglish編集部

フィリピン・セブ島留学をはじめ、世界各国への留学、ワーホリ情報など英語学習をしている方へ役立つ情報を発信しています。

斉藤淳
監修者

斉藤淳

フィリピン留学協会会長

2014年からフィリピン・セブ島留学に関わる。セブ島の学校を中心に50校以上訪問しつつ、留学生に学校の選び方や現地の情報を発信しています。

フィリピンの英語事情

日本では知ることのできない、現地の人々のリアルな英語事情について紹介します。

フィリピン人にとっての英語とは

フィリピンの人達は英語に対して「教養」「稼ぐために必要な言語」「外国の言葉」という意見を持っている事が多く見受けられます。

地域ごとに差はありますが、基本的には日常生活の中で英語を話す人々は少ないです。

彼らの第一言語は「タガログ語」または「ビサヤ語」であり、日常会話を始めとする様々な場面でその固有の言語が用いられています。

英語は教育や教養に深く結びついている事が多く、英語を話すことできるフィリピンの方は、学校教育をしっかり受けてきた場合が多いです。

また、英語から聞き取れる「訛り」などは当人の家柄が大きく影響しており、流暢な英語を話す方は良い家柄の方が多い傾向にあります。

現地の言葉ではない英語を話せるという事は、雇用機会に恵まれるという事でもあり、仕事の獲得のために英語を磨いている方も多くいらっしゃいます。

一方で、地域や年齢によりますが、英語に対して苦手意識を持っているフィリピンの方もいます。具体的には「流暢な英語を話すことができないため、喋るのが恥ずかしい」という意見です。

興味深いことですが、この風潮は日本に存在しているものとよく似ています。日本でも、外国人に話しかけられた際に戸惑ってしまうというケースです。この感覚は、英語を公用語としていない国では共通のものなのかもしれません。

しかし、総合的に見れば、フィリピン人は日本人よりも英語のレベルは高いです。ローマ字を日常的に使っている他、重要書類は英語で記載されている場合が多いために、日常的に英語に触れているからでしょう。

フィリピンの英語教育

フィリピンの英語教育は、日本のそれに比べてかなり実践的です。

家庭では、子供が英語を話せるようになるために親御さん達や親戚が、幼少期から子供に対して英語でコミュニケーション取ります。

英語を中心とした教育番組、親の教育によって小学校に入る前から、英語を話せる子供が多くなってきています。これは国際化の影響によって英語を話せないと、学校や社会での競争に勝つことが難しくなるためです。

学校では、グレード1または2(小学校1年生・2年生にあたる)の時から、先生と英語で会話をする授業が始まります。原則として授業中は、英語しか話せないというルールが存在するところもあります。

学校の課題は、現地の言語の他に、すべて英語で記載された課題をこなします。筆記も口語もすべて英語です。

高校生ぐらいになると、多種多様な英語のボキャブラリーと複雑な表現を、筆記・会話で扱うことができる生徒が過半数を占めるようになります。

この頃には、フィリピン人はトリリンガル(3言語話者)の能力を獲得します。

大学では、完全に英語を用いた試験と課題になるため、大学生のほとんどが英語を使いこなせるようになるのです。

余談ですが、過去の植民地化の影響によって、ローマ字が日常生活でも用いられています。そのため、フィリピンの人々は英語との親和性が高く、英語を平均的に使いこなせる方々が多いのです。

地域ごとの英語普及率

英語の普及率ですが、すべての地域で普及しているとは限りません。

マニラ、セブ、イロイロ、ダバオなどの都市部では、外国企業が進出している他、各地域から出稼ぎで人が集まってくるため、英語の普及率はかなり高い傾向にあります。

都市部に近い場所でも、学校などを始めとする政府の援助のおかげで、英語を話すことのできるフィリピン人が多くいます。都市部ではないリゾート地でも、海外からの旅行客を相手するために、ある程度の英語が用いられています。

しかし、都市部から遠く離れた田舎では、英語はほとんど普及していないと言っても過言ではありません。英語で話しかけても、現地の言葉で返されるということが多いため、その地域に出向く際には留意しておきましょう。

実際にフィリピンの街中ではどのくらい英語が通じる?

若い世代の場合

街中で若い人に英語で話しかけた場合、ほとんどの確率で英語が通じます。特に、大学生などの高等教育を受けている人々は、かなり流暢な英語を話すことができます。

30代以下の世代は、アメリカの統治下にて行われた英語教育のシステムが浸透している世代です。幼少期から英語と関わりながら生活しているため、大半の若いフィリピンの方々は英語でコミュニケーションを取ることが可能です。

個人差はありますが、フィリピン訛りの英語ではなく、アメリカ・カナダ・イギリス訛りのスタンダードな英語を話す方もいます。その場合、かなり裕福な家庭の出身、上流階級の人間である可能性が高いです。

英語の訛りで、その人物の家柄を知ることができるのも興味深い点と言えるでしょう。

しかし、若い世代の中にも、英語を話すことが恥ずかしいと感じる方もいらっしゃいます。彼ら自身が、英語訛りや発音が気になっているためです。

その場合、少し嫌な顔をしたり、会話を中断してしまうこともあります。謙虚な姿勢で、コミュニケーションを取ることで、彼らの英語に対する自意識を軽減することができます。

一部例外が存在しており、若い世代でも学校に通っていない方、貧困層の方には英語が通じることは少ないです。

トライシクルの運転手、日雇いを糧としている若い世代、貧困地域の若い世代とコミュニケーションを取る際には、英語ではなく現地の言葉が喜ばれます。

中年以上の世代の場合

50歳以上の方は、英語が基本的に通じないことがあると覚悟した方が良いでしょう。

少しショックかもしれませんが、日本人が英語を話すとかなり不親切な態度を取る方も中にはいます。

気分を顔に出すことを気にしない文化であるため、嫌そうな顔をするフィリピンの中年の方が多いかもしれません。

彼らの世代は、フィリピンで内戦が起きていた時の世代であり、高等教育などの行政が行き届いていなかったためです。

学校に通うことができなかったほどの貧困を経験していた世代であるため、必然的に英語に触れる機会が少なかったようです。英語教育もまだ浸透していなかった時代であるが故に、英語を話せる方が少ないのも裏付けられます。

しかし、一部の方には英語を聞き取る・話すことができる方もいらっしゃいます。ここで問題になるのが、「スペイン・フィリピン訛り」の英語です。

「R」の発音が巻き舌であったり、「th」の発音が「タ」、フィリピン語特有である「特定の文字達を同じように発音する」などの訛りがあります。

そのため、英語を話す際にフィリピン語だけではなく、スペイン語由来の訛りも混ざるのです。

フィリピン訛り

お互いが英語を話していても理解できないという、面白いケースがあります。

それはお互いの英語訛りのためです。

日本人が英語を話すと、日本語訛りの英語になりますが、その訛りは現地の人々にとって馴染み深いものではありません。

逆に日本の方が、強いフィリピン語訛りの英語を聞いた際、完全に理解できるという方は多くはないでしょう。

慣れない内はある程度苦戦するかもしれません。しかし、時間が経ってきて慣れてくると、不思議なぐらい英語を理解できるようになります。

もしも、自分の話す英語が相手に通じない場合、すこしゆっくりとしたペースで話す、発音を見直してみる、伝えたい単語を文字で見せるなどの工夫をしてみることをおすすめします。

フィリピンでは英語を活かした産業が発達

フィリピンでは英語を第2言語として扱っているため、それにちなんだ産業が発達しています。

コールセンター

フィリピンではBPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれる業務委託の一貫として、コールセンター業務が非常に人気になっています。

以前はBPOに関する割合はインドが世界1位の座を有していましたが、2014年からはフィリピンがその座を獲得しました。

インドもアジア圏では英語ができる国としての評価がありますが、特有の訛りが聞き取りづらいという意見も多く、次第にフィリピンがそのコールセンター業を担うようになっていったのです。

インドの訛りと違い、フィリピンの英語訛りは外国人に聞き取りやすく、アメリカの発音と似ている部分も多くあるため、フィリピンのコールセンターは評価が高い傾向にあります。

加えて、人件費の安さなどが理由でコールセンター業が大きく発達していきました。

現在、約69万人もの従業員が活躍しているため、これからもコールセンター業は発展していくでしょう。

英語の語学学校

英語教師として活躍しているフィリピン人の方も多くいます。

十分な英語能力に加えて、語学教師として必要な能力である「フレンドリー」さを兼ね備えた方が多いため、英語の語学学校などの産業が大きく発展しています。

こちらで働いている方は、英語のライセンスを保有している方が多いです。それ故に、日本人も聞き取りやすい流暢な英語を話してくれます。

加えて、他の国の語学学校よりも費用が安いため、フィリピン人が講師をする語学学校で、各国から英語を学びにくるほどの人気があります。

最近では、日本人向けの英語の語学学校が増えてきており、その評判も高い語学学校が多く、更なる発展が期待されています。

フィリピンの英語事情のまとめ

フィリピンは平均以上に英語ができる国の1つです。

年齢や地域によりますが、街中で英語が通じます。特に若い年齢層は、英語を話すことができる方が多く、観光する際には参考にしてみると良いでしょう。

英語にちなんだ産業も発達しており、現地の英語事情が伺い知れます。英語の語学学校は、特に外国人から人気であるため、気になった方は調べてみましょう。

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