トビタテは「英語を学ぶだけの留学」を支援しない。英語は、やりたいことを実現するための道具

2026年10月1日、文部科学省と日本学生支援機構が「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」の2027年度募集を開始しました。
高校生等対象の第12期は600名、大学生等対象の第19期は250名を募集し、高校生等のオンライン申請システムは12月上旬に開く予定です。
高校生等の募集人数は、前期の700名から600名になりました。一方で、挑戦する高校生は増えています。
第11期の応募者は前年度の1,886名から2,602名へ約4割増え、採用者は718名でした。
応募者数を採用者数で単純に割ると約3.6倍です。これは公式に発表された「倍率」ではなく、応募者数と採用者数から計算した数字です。
今回の募集要項を読んで、トビタテへの応募を考えている高校生や保護者の方に、ぜひ知ってほしいことがあります。
それは、英語が得意になってから海外に行く必要はない、ということです。
トビタテでは、「語学学習のみ」の留学計画は支援の対象外です。
求められているのは、英語を勉強することだけではなく、自分で問いや課題を設定し、現地で人に会い、話を聞き、調べながら答えを探していく「探究活動」です。
これは今回から始まったルールではありません。前期の第11期募集要項にも、「語学学習のみを行う計画は、支援の対象外」と明記されています。
一方で、語学学習を留学の準備や補助として計画に含めることは認められています。つまり、英語を学ぶことが問題なのではありません。
英語を学ぶことだけで、留学の目的を終わらせないことが大切なのです。
先に決めるのは「英語力」ではなく、「海外で何をしたいか」
第12期の応募要件には、英検やTOEICなどで一定以上の語学スコアを求める基準はありません。
審査は「人物」と「計画」の2つの観点から行われ、「人物」がより重視されます。面接も日本語です。
ですから、「まだ英語が得意ではないから、海外留学は自分には早い」と考える必要はありません。
先に考えてほしいのは、「英語をどこまで伸ばすか」ではなく、「海外で何をしたいか」です。
現地の高校生と話してみたい。フィリピンの教育について調べたい。環境問題について現地の人に話を聞きたい。スポーツや音楽を通じて交流したい。
やりたいことが決まれば、そのために必要な英語も見えてきます。
英語は留学のゴールではありません。海外で自分のやりたいことを実現するための道具です。
私も、英語を勉強したかったわけではありません
英語学校の社長がこんなことを言うと、少し変に聞こえるかもしれません。
でも、私自身も英語そのものを目的に勉強を始めたわけではありません。
私はもともと、ただのバイク好きです。バイクが好きでバイク便を始め、バイクを輸入したくて輸入業を始めました。そして、輸入の仕事で知り合ったイタリア人とバイクの話をしたくて、英会話の学習を始めました。
英語そのものが目的だったわけではありません。目の前のイタリア人と、大好きなバイクの話がしたかった。それだけです。
ビジネスの話なら通訳で済みます。でも、好きなものの話を通訳越しにするのは、どうにも悔しかった。
だから英語を覚えました。
目的が先にあり、英語はあとからついてきたのです。
もし「英語が上手になること」だけを目標にしていたら、私は続かなかったかもしれません。でも、「この人と話したい」という相手がいたから、覚えたい言葉があり、使いたい英語がありました。
高校生の留学も同じです。
「英語を勉強しに海外へ行く」から一歩進んで、「海外でこれをやりたい。そのために英語を使う」と考えてみてください。
留学の意味が大きく変わります。
現地で英語を使うと、次に学ぶ理由が生まれる
では、高校生が海外で英語を「使う」とは、具体的に何をすることなのでしょうか。
トビタテが求めている探究活動では、自分の興味や関心から「問い」や課題を設定し、情報を集め、整理・分析したり、周囲の人と意見交換や協働をしたりしながら、自分なりの答えを探していきます。
たとえばセブ島なら、「なぜ同じ都市の中でも生活環境にこれほど大きな差があるのか」という問いを持つこともできます。
現地の人やNPOに話を聞く。日本との違いを調べる。自分で見たもの、聞いたものをもとに考える。
そのとき、英語は教科ではなく、調べるため、人とつながるための道具になります。
QQEnglishでも、セブ島の各キャンパスで毎月ボランティアイベントを実施しています。

現地で活動するNPO「DAREDEMO HERO」さんの監修のもと、ITパーク校では学校から徒歩約15分のBarrio Luz(バリオルズ)地区の小学校を訪れ、子どもたちとの交流や食事の配布を行っています。
ビーチフロント校では、支援地域で食事を配布したり、道路を補修したり、子どもたちと交流したりする活動を行っています。
もちろん、ボランティアに参加するだけでトビタテの探究活動になるわけではありません。大切なのは、「参加した」という実績ではなく、そこで何を知りたいのか、自分でどんな問いを持っているのかです。
たとえば、現地の子どもに質問してみる。
うまく英語が出てこない。相手の答えが聞き取れない。もう一度聞き返してみる。
そうすると、「次はこれを言えるようになりたい」「もっと相手の話を理解したい」という理由が生まれます。
英語は、教室の中だけで勉強していると、なかなか使う理由が見えません。
一度使ってみると、次に何を学べばいいのかが分かります。
出発前の英語学習は、現地で行動するための準備
だから私は、海外へ行く予定が決まったら、できるだけ早く英語の準備を始めることを勧めています。
2027年度の高校生等対象では、第一日程の申請が2026年12月上旬から始まり、対象となる留学は2027年7月10日以降に開始します。
渡航までの時間を、「英語力を完成させる時間」だと考える必要はありません。
現地で聞きたいことを質問できるようにする。自分のことを説明できるようにする。相手の答えを理解するための表現を覚える。
それだけでも、現地でできることは大きく変わります。
トビタテへの応募を考えている高校生には、まず「英語ができるかどうか」ではなく、「海外で何をやってみたいか」を考えてほしいと思います。
そして、やりたいことが決まったら、そのために必要な英語を準備する。
QQEnglishのオンライン英会話も、その出発前の準備に使っていただけます。
英語ができるようになったら、海外へ行く。
そうではなく、海外でやりたいことを決める。だから英語を学ぶ。
私は、その順番の方が英語も留学もずっと面白くなると考えています。
応募を考えている方が確認しておきたいこと
最後に、第12期について実務上見落としやすい点を整理します。
高校生等対象の留学期間は、留学先での活動期間が14日以上必要です。渡航日や帰国日、移動日については、その日に受入先機関で活動をしていなければ留学期間には含まれません。
また、本制度で支援される留学は1回のみです。留学を終えて日本に帰国したあとに再度留学する場合、両方をトビタテの支援対象にすることはできず、どちらか一方を選ぶ必要があります。
応募手続きは在籍高校等を通して行います。新高校2・3年生は第一日程、新高校1年生は進学先の高校等に確認したうえで、第一日程または第二日程から応募します。
フィリピンを含むアジア地域の留学準備金は15万円で、2027年度は円安や物価高騰を踏まえて6万円が増額されるため、計21万円です。このほか、留学先の国・地域などに応じて月額奨学金が支給されます。
制度の詳細や金額は変更される可能性があるため、実際に応募する際は最新の募集要項を確認し、在籍校の担当の先生に相談してください。
主な確認資料
- 文部科学省「トビタテ!留学JAPAN 第2ステージを2028年度まで1年延長!『新・日本代表プログラム』高校生等対象(第12期)及び大学生等対象(第19期)の募集を開始します」(2026年10月1日)
- トビタテ!留学JAPAN「高校生等対象 第12期募集 よくあるご質問(FAQ)」(2026年10月1日)
- 文部科学省「2026年度(第11期)派遣留学生を決定」(2026年6月4日)
- 「2026年度(第11期)高校生等対象 募集要項」

留学品質のレッスンをオンラインで
こども専用オンライン英会話
英語コーチング