シンガポール国立大学(NUS)とは?難易度・入学条件・学費・留学方法を徹底解説

「東京大学より上のランキングに、アメリカ留学の半額以下の学費で通える」
そんな留学の選択肢として日本人の間で急速に注目が高まっているのが、シンガポール国立大学(NUS)です。
最新のQS世界大学ランキング2026では世界第8位(アジア1位)にランクインしており、東京大学(QS世界32位)を大きく上回る評価を受けています。
英語で学べる・安全な都市環境・アジアビジネスの中心地という三拍子が揃ったシンガポールという舞台で世界最高峰の研究教育を受けられる点が、NUSが世界から学生を引き寄せる最大の理由です。
この記事では、NUSの基本情報からランキング・学費・英語スコアの目安・出願の流れまで、留学検討に必要な情報をひとつにまとめました。
シンガポール国立大学(NUS)の基本情報
所在地・キャンパスとシンガポールという環境
NUSはシンガポール南西部のケント・リッジ地区に位置する美しいキャンパスで、100カ国以上から集まった学生たちが学んでいます。
市内中心部からMRT(地下鉄)で約20分、チャンギ国際空港からは約40分と利便性も高い立地です。
シンガポールは世界有数の治安の良さ・清潔さ・多文化共生を誇る都市国家で、日本人留学生にとっても生活しやすい環境が整っています。
年間を通じて温暖な熱帯性気候で、食・交通・医療インフラも世界最高水準です。
歴史と設立背景
NUSは1905年に医学学校として創設された、シンガポール最古の大学です。
当初はキング・エドワード7世医科大学として出発し、その後シンガポール大学を経て1980年に現在のシンガポール国立大学として再編されました。
「アジアからグローバル」を掲げ、米国イェール大学・デューク大学などとの提携プログラムを展開するなど、従来の国立大学の枠を超えたグローバルな教育機関として世界に認知されています。
学生数・留学生数・人種構成
| 項目 | データ |
| 総学生数 | 約35,000人 |
| 留学生の割合 | 約26% |
| 出身国数 | 100カ国以上 |
| 学部・スクール数 | 17学部 |
| 研究機関・クラスター数 | 37研究所・8研究クラスター |
世界大学ランキングと難易度
THE・QS・US Newsランキングでの評価
ランキングは年度により変動するため、下記は目安として参照してください。
| ランキング機関 | 世界順位(目安) | 備考 |
| QS世界大学ランキング(2026) | 8位 | アジア1位 |
| THE世界大学ランキング(2026) | 20〜25位前後 | アジアトップクラス |
| US News 世界大学ランキング | 20位前後 | — |
| ARWU 世界学術ランキング | 80〜100位前後 | — |
QS世界ランキングでは東京大学(32位)を上回る評価を受けています。
ただし分野別・機関別ランキングでは東大が上回る領域もあるため、総合ランキングの一指標として参考にしてください。
合格率の実態
| 項目 | データ |
| 全体合格率(推定) | 公式合格率は非公開。学部・専攻により大きく異なり、競争率は非常に高い |
| 合格者平均GPA目安 | 3.8/4.0以上 |
| 標準化テスト(SAT/ACT) | 推奨(1,400点以上が目安) |
| IBディプロマ | 38〜40点以上が目安 |
日本の大学と比較した難易度の目安
| 項目 | 内容 |
| 日本での難易度イメージ | 東京大学・京都大学を上回る世界ランキング水準 |
| 評価方式 | 高校成績+英語スコア+標準化テスト(SAT/ACT/IB)の総合評価 |
| 日本の入試との最大の違い | 英語での学業成績・英語力証明が必須 |
学部・専攻一覧
学部課程のプログラム
17学部・150以上のプログラムを提供しています。
| 学部・スクール名 | 主な専攻例 |
| 文学・社会科学部 | 心理学・経済学・国際関係・哲学 |
| コンピュータサイエンス学部 | AI・データサイエンス・情報セキュリティ |
| 工学部 | 電気工学・化学工学・土木工学 |
| ビジネス学部 | 経営学・会計・マーケティング・ファイナンス |
| 医学部(Yong Soo Lin) | 医学・デュークNUSとの提携プログラム |
| 法学部 | 法律学・国際法・知財法 |
| デザイン・環境学部 | 建築・不動産・環境工学 |
大学院課程・人気専攻(MBA・医学・コンピュータサイエンスほか)
| 大学院・スクール名 | 特徴 |
| NUSビジネススクール(MBA) | アジアMBAランキング最上位・グローバル企業との産学連携 |
| デュークNUS医科大学院 | 米国デューク大との提携・アジア最高峰の医師育成 |
| NUSカレッジ(旧イェールNUS) | リベラルアーツ教育(2025年にNUS Collegeへ完全移行・イェール提携は解消済み) |
| リークワンユー公共政策大学院 | アジア政策立案者育成の世界的拠点 |
| コンピュータサイエンス大学院 | AI・機械学習・サイバーセキュリティで世界最高水準 |
学費・生活費・奨学金
学部課程の年間学費(2025年度・留学生)
学費はシンガポールドル(SGD)建てです。
NUSはシンガポール政府のTuition Grant(学費補助制度)を利用することで学費を大幅に抑えられますが、補助を受ける場合は卒業後3年間のシンガポール勤務義務が発生します。
| 区分 | 年間学費(SGD)目安 | 日本円換算(参考) |
| 文系・ビジネス(Tuition Grant適用後) | SGD 21,000〜24,000 | 約216〜247万円 |
| CS・工学(Tuition Grant適用後) | SGD 23,000〜26,000 | 約237〜268万円 |
| Tuition Grant非適用(全額) | SGD 40,000〜58,000以上 | 約412〜598万円以上 |
| 医学・歯学(Tuition Grant適用後) | SGD 35,000〜50,000以上 | 約360〜515万円以上 |
| 生活費(年間)目安 | SGD 15,000〜20,000 | 約155〜206万円 |
| 総額(Tuition Grant適用後・文系目安) | 約SGD 36,000〜44,000 | 約371〜453万円 |
※日本円換算は1SGD=103円の参考値です。滞在方法(学内寮か外部シェアハウスか)によって生活費は大きく変動します。
大学院課程の年間学費(2025年度・留学生)
| プログラム | 年間学費(SGD)目安 |
| 一般大学院(文理・工学系) | SGD 30,000〜50,000前後 |
| MBA(NUSビジネススクール) | SGD 60,000〜85,000前後 |
| 医学大学院(デュークNUS MD) | SGD 55,000〜75,000前後 |
| 博士課程(PhD) | SGD 0〜10,000前後(奨学金あり) |
Tuition Grantと奨学金制度
| 制度・奨学金名 | 内容 |
| MOE Tuition Grant | 学費の40〜60%を補助(卒業後3年間のシンガポール勤務義務) |
| NUS International Undergraduate Scholarship | 成績優秀な留学生向け・学費全額+生活費 |
| Science & Technology Undergraduate Scholarship | 理工系留学生向けMerit奨学金 |
| Research Scholarship(大学院) | 学費全額免除+月間生活手当 |
注意点: 学費補助を受けた場合、卒業後3年間はシンガポールに登録されたシンガポール企業での勤務義務が発生します。就労ビザ取得前提での計画が必要です。
必要な英語力(IELTS・TOEFL)
NUSの授業はすべて英語で行われます。
英語を母語としない学生には公認の英語力証明が必要です。
学部課程に必要なスコア
| 試験 | 最低スコア目安 | 備考 |
| IELTS | 6.5以上 | 各セクション6.0以上が目安 |
| TOEFL iBT | 92〜100点以上 | 専攻により異なる |
| PTE Academic | 62点以上 | — |
大学院課程に必要なスコア
| 試験 | 最低スコア目安 | 備考 |
| IELTS | 7.0以上 | 専攻により異なる |
| TOEFL iBT | 100点以上 | 専攻により異なる |
入学条件・日本人留学生の進学ルート
直接入学の条件(SAT・ACT・IBディプロマ)
| 条件 | 詳細 |
| 高校成績 | 全科目で優秀な成績(GPA 3.8/4.0以上が目安) |
| 標準化テスト | SAT(1,400点以上目安)またはACT・IBディプロマ(38〜40点以上) |
| 英語スコア | IELTS 6.5以上またはTOEFL iBT 92〜100点以上 |
| 推薦状・エッセイ | 一部プログラムで必要 |
日本の一般高校(一条校)からの出願には、SAT/ACTのスコアに加え、APテスト3科目以上のスコアまたは共通テストの高スコアなど追加実績の提出が実質的に求められます。
SATのみで出願できるのは主にインターナショナルスクール卒業生です。
出願前にNUS公式の「International Qualifications – Japan」ページで最新要件を必ず確認してください。
日本の大学経由での進学ルート
日本の4年制大学を卒業後にNUSの大学院へ出願するルートは、日本人留学生にとって現実的な選択肢です。
大学院ではGPA・英語スコア・研究計画書・推薦状が主な選考基準となります。
リークワンユー公共政策大学院・NUSビジネススクールMBAはアジアのキャリアを目指す社会人に人気があります。
英語力が基準に届かない場合のオプション
入学後にQET(英語試験)で基準に達しない場合は、英語ブリッジコースの履修が必要になる場合があります。
また英語力が出願基準に届かない場合は、NUSの付属語学プログラムや他機関での英語力強化を経由してから出願するルートが一般的です。
出願から入学までの流れ
出願スケジュールと締め切り
NUSは8月入学(Semester 1)を基本とし、一部プログラムは1月入学(Semester 2)も提供しています。
| イベント | 時期 |
| 学部出願期間 | 前年10月〜翌年3月頃 |
| 大学院出願締め切り | プログラムにより異なる(8月入学は概ね3〜4月) |
| 合否通知 | 出願後6〜8週間以内 |
| 入学(Semester 1) | 8月 |
| 入学(Semester 2) | 1月(一部プログラムのみ) |
選考プロセスのステップ
- NUS公式出願ポータルからオンライン出願
- 出願料の支払い(学部:SGD 20・大学院:SGD 50〜100)
- 高校/大学成績証明書・卒業証明書の提出
- 英語スコア(IELTS・TOEFL・PTE)の提出
- 標準化テストスコア(SAT/ACT)の提出(学部)
- 推薦状・研究計画書・エッセイの提出(一部プログラム)
- 財政能力証明書の提出(留学生必須)
- 合否通知の受領(6〜8週間以内)
- 学生ビザ(Student’s Pass)の申請
著名な卒業生とNUSのブランド力
政治・ビジネス・テクノロジー分野の著名人
| 分野 | 著名な卒業生・関係者の例 |
| 政治・行政 | シンガポール元首相・大統領4名・マレーシア元首相2名をはじめとするアジア各国政府高官 |
| 政治・外交 | ハリマ・ヤコブ(シンガポール初の女性大統領・法学部卒) |
| ビジネス・テクノロジー | 陳民亮(Razer社CEO・法学部卒) |
| 学術・研究 | フィリップ・コー(外交官・国際法の権威) |
| 金融・ビジネス | 複数のシンガポール大手企業CEO・グローバル金融機関幹部 |
まとめ
シンガポール国立大学(NUS)の最大の魅力は、「QS世界8位・アジア1位」という地球規模の圧倒的なステータスでありながら、アメリカの私立名門校(アイビーリーグ等)の約3分の1以下という学費(Tuition Grant適用時)で通える点にあります。
世界トップレベルの英才が集まる環境、卒業後のシンガポールでの就労チャンス、そしてアジアとグローバルを繋ぐキャリアへの圧倒的な直結力——NUSが「世界最強の投資対効果(コスパ)を持つ大学」として選ばれる理由です。
しかしNUSへの入学競争は世界レベルで激しく、学部課程はIELTS 6.5以上・TOEFL iBT 92〜100点以上、大学院はIELTS 7.0以上という高い英語基準が課されます。
さらに学部直接入学にはSAT 1,400点以上という標準化テストの対策も必要です。
英語力の底上げを最初に集中的に完了させることが、その後のSAT対策・出願書類準備を効率よく進める唯一の近道です。
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