2017.08.04
私は得意科目は?と聞かれたら英語、と答えていました。
受験勉強でほぼやらなかったリスニングとスピーキングはともかく、リーディングとライティングにはそこそこ自信があります。東大入試の英語だけだと合格者の上位1割に入り、初めて受けたTOEICが850点、という感じです。
なので英語は得意分野のつもりです。
ただ、「東大生の英語勉強法」といえるような、「これをやれば英語ができるようになる!」とかいう、絶対的正解はないと思っています。
ただ、英語は言語ですから、勉強すればだれでもできるようになると思っています。
それは勉強法や勉強量に個人差はあれど、です。でもこれだけだとこの記事の意味がなくなってしまうので(笑)、私がどのようにして英語を得意にしたかという体験を、「東大生の英語勉強法」の一例として紹介しようと思います。
英語を本格的に勉強し始めた中学1、2年生の時は、英語は得意というよりむしろ苦手でした。自分の中ではけっこうできるつもりだったのですが、やはり英語はほかの科目に比べてスタートラインが皆同じだからなのか、中学2年のときの塾のテストで英語の偏差値が毎回50いったりいかなかったりで、初めて「私、もしかして英語苦手…?」と気づきました。
それを認めるのが悔しくてもどかしくて。それが私の英語学習の原点だったと思います。
それからは成績をあげたい一心で、それまでにもらった塾の文法テキスト、単語やイディオムのテキストをとにかくやりこみました。なんてことのない、一問一答メインのシンプルなテキストです。
間違えた問題にチェックをつけてそれに絞って完璧になるまで何周も解きました。
市販などの新しい問題集には一切手を出しませんでした。
たぶんやり込んでいるテキストを完璧にすることにこだわっていて他の問題集をやるという発想がなかっただけだと思いますが、一つの教材を完璧にし、それを積み重ねていくことが自信にもなったし、結果的に正解だったのだなと思いました。
その時期はほぼ文法と単語、イディオムしかやっていませんでしたが、その二つがしっかりできればあらかたの文章は読めます。
「文脈的に…こういう感じの意味かな?」と思って文章を読むのと、「このwhichはこの単語に掛かってそれを詳しく説明していて、ここにはこの単語が省略されているな」と思って文章を読むのでは、スピードも理解度も格段に違ってきます。
実際、文法テキストと単語、イディオムのテキストを完璧にして、むしろそれしかやらずに臨んだ塾のテストでは、英語の偏差値が60以上にまで上がっていました。
文法問題はもちろんできたし、文法を固めたことで長文も読めるようになっていました。
それが中学3年の夏です。「やればできるようになる!成績が上がる!」と思った私、大嫌いだった勉強が一気に楽しくなりました。
そうなればもう勝ちです(笑)文法知識に基づいて論理的に英語を読む方法を身につけたら、あとはそれを繰り返し練習してスピードを高め、実戦に備えました。
単語についても、塾でもらった簡素な単語帳しか使いませんでした。
単語帳に載っている単語を書きまくって覚えようとする方法を見かけますが、個人的にはお勧めしません。
率直に言うと時間の無駄だと思うからです。文法でも長文でも、英語を勉強すればするほど知らない単語には出会います。
そういう時に面倒がらずに辞書をひいたり手持ちの単語帳をチェックしていれば、自然と語彙は増えていきます。
文章中で実際に使われている単語の方が、単語帳に単発で載っている単語より意味を新しく覚えやすいのは明らかです。
また、知っているつもりの単語でも実は多義語だったりニュアンスが違ったりということは多いので、辞書をうまく使うのもポイントです。
ただ単語を写経する時間があったら、より多くの英語にふれ、それに丁寧にアプローチする方が絶対に良いです。
英語ができるようになった5つのポイント
①文法をとにかくしっかり固めれば長文も読める
②文章を雰囲気や勘ではなく文法的に論理的に読む
③語彙は勉強していれば自然とついてくる
④一つの文章、教材を納得いくまでやり込む
⑤それをただひたすら積み重ねていく
高校受験に無事成功し、英語も自信を持って得意、好きと言えるようになるまでできるようになりました。
東大受験に向けて、高校に上がってからどうしたかというと、実はそれ以上特に英語には力を入れませんでした(笑)でも実際に英語は上位1割の点数で合格したし、英語力は落ちるどころかむしろ伸びたと思います。
「力をいれなかった」というのは「何もしなかった」というのとは全く違います。
高校で英語に関して一つだけ気を付けていたのは、「毎日3分でも英語にふれる」ことでした。
語学なのでさぼれば鈍るし、実際忙しくてさぼった時期にそれは実感しました。
逆にここで思ったのは、「文章を論理的に文法的に読む」土台がしっかりできていれば、「毎日続ける」ことで少しの学習から大きな効果を得られるのでは、ということです。
それだけ土台が大事ということです。
「毎日やる」ということに関してひとつだけ後悔していることがあります。
リスニングです。
英語に時間が割けない中でリスニングは受験直前に少ししかできず、最後まで苦手でした。
語学は継続的な学習が肝要だと思っていますが、リスニングとスピーキングに関してはなおさらそうだと思います。
勉強が嫌いで英語が苦手だった私が、英語が好きで得意になった過程の紹介は以上です。
最初にも書いた通りこれは一例で人それぞれやり方はあると思います。
そのうえで伝えたいのは、英語はやらなければできるようにならないけれど、やれば必ずできるようになるものだということです。